アファールズ戦記

最終話『英雄』

アレル達はランディッシュIIにて魔族達と戦っていた。その数は今までに攻めてきた数の比ではない、と
キョウカは語る。恐らくドラハムとか言う人が魔王の元へ最終決戦を挑みに行ったので、総力戦となった
のだろう。
「アレル、大丈夫か?」
魔族との戦いで傷つき剣を杖代わりにして立っているアレルにクラートが声をかけた。アレルは何も答え
ないが、剣を構えてみせて戦える事を示した。だが、実際アレルにはキツイ戦いだった。

「こんなので本当にあの人達は魔王の所へ行けたのかよ!」
「確かに、この魔族の数では・・・」
「あいつら大丈夫なのか?」
などとその辺に居た兵士達が言い出した。だが、誰も助けに行こうなどと言わない。皆、現状を維持
するだけで精一杯なのだ。それはアレルにも解る。しかし・・・。
「やっぱり4人じゃ無理だ!俺が行って・・・」
「やめとけ!お前が行っても足手まといだ!」
クラートが走り出そうとしたアレルの腕を掴む。それを振り払おうとするアレルにクラートはボディ
ブローをくらわせて気絶させ、医務室へ運んでいった。

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「ラサレスタ!」
誰かが味方全体の傷を全て回復させるテクニックを放っていた。ルーナは攻撃系が専門で回復系はでき
ないし、ニールはまだ喋れる状態に無かった。ドラハムは喋れるのだが、そんな高等なテクニックなど
出来はしない。一体誰が使ったのかと辺りを見渡して、実はゾークが戻ってきていたなんて事を考えて
いたルーナは一瞬、自己嫌悪に陥っていた。当然ゾークは帰ってきていないし、自分達以外には特に誰
も見当たらなかった。もし仮にゾークが帰ってきていたとしても、ゾークはテクニックそのものを使え
ないのだが。

「な、何が起こったの?」
「さぁな・・・。誰かが俺達を助けてくれたって事だ。」
「誰だか知らないけどありがとう」
ニールが空に向かって礼を言ったのを見て『なぜ空に?』と思ったドラハムとルーナは思わず笑い出した。
「わ、笑う事ないだろ?」
「悪い・・・。さて、第2ラウンドの開始とでも行きますか?」

その様子を見ていたダルバーは一体何が起こったのか理解できずにいた。
「ヴァルス、一体何があった!?」
「・・・・・・・見ての通りだ」
「くっ!何者かが我々の邪魔をしていると言うのか・・・。まさか『傍観者』では・・・!」
「それは有り得ない。奴等は『基本的』に我々と関わるのを嫌う・・・。それにヤツにはテクニック
 など使えん」
「ならば、一体誰が・・・」
「知るか」

完全に有利な状況となったドラハム達はこの戦いに勝機を見出していた。ダルバーは魔力が尽きたらしく
マジックは撃てないしヴァルスは戦いに乗り気ではない。この状況からして相手はただ一人ダルバー
のみと考えて良いだろう。
「えーっと・・・シフタ!それとデバンド!おまけっ、シュネラ!」
ニールがテクニックを使いドラハムの攻撃力と防御力と敏捷性を高めた。それによりドラハムは通常
よりも高い能力を発揮する事ができるようになった。ルーナが風を操るテクニック、ザンを使いダルバー
の動きを一瞬だけ止めると同時にドラハムが一気に間合いを詰めて剣を構えた。
「奥義、雷鼓鳴動斬!」
ドラハムが剣を振り上げると同時に雷に良く似た音が鳴り響き、ダルバーの気が一瞬だが音の方に反応し
動きが止まった。そこへドラハムの一撃が直撃しダルバーはその場に崩れ落ちた。

「この程度か・・・。まぁ予定通りではあるな・・・」
そう言ったのはドラハムでは無くヴァルスだった。それもドラハムに向けた言葉では無くダルバーへ向
けて。軽く笑いつつヴァルスの姿は一瞬にして消えてしまった。恐らく、トルーパと言う名の瞬間移動
をするマジックでも使ったのだろう。

「ヴァルス・・・貴様・・・!!!」
ヴァルスが消えた空間を睨んでいたダルバーは怒りのままに地面を叩いた。
「うわっ!?まだ生きているよ!!!」
「安心しろ。もう俺には立ち上がる体力すら残っていない・・・。」
ダルバーは完全に諦めたように呟くと溜息を漏らして空を見た。何が見えるのかとニールも空を見上げ
たが、空には星しか見えなかった。気がつかなかったが、もう夜になっていたらしい。

「これで俺も終わりか・・・。心残りは・・・あいつ等をどうにかできなかった事、か・・・」
「あいつらって・・・?」
「・・・そうだ、お前達に忠告をしておこうか?」
「忠告だと?」
「俺を倒したお前達なら・・・・」

ダルバーの台詞はそこで途切れた。どうやら体力が限界になったらしい。

「忠告って何だよ!気になるじゃないか!死ぬならせめて最後まで言ってから死んでくれよ!」
「うーん。確かに気になるね」
「でも考えても分かる事じゃ無いし・・・帰らない?」
「そだね」
「はぁ・・・。お前等と居ると一人で空回りしている気がするよ」
「疲れてるんだと思うよ」
そのニールの一言でドラハムはその場に倒れこんで眠りたくなりそうになった。

ドラハム達はダルバーが最後に言った台詞が気になったが、とりあえず魔王を倒した事を伝えに帰る事
にしたのだが、ドラハムは更に疲れる事となる。敵残存兵力は塔の中に多数存在していたからだ。来る
時に倒しておけば良かったと後悔しつつも戦うのが面倒だったので、着た時と同様に外壁を降りて帰る
事にしたのだ。当然騒ぎ出すルーナを気絶・・・眠らせて、一番動き回って疲れているドラハムがそれ
を担いでいたのだから更に疲れても仕方の無い事だろう。なぜニールにルーナを担がせなかったのかと
言うと、ニールには人を一人担いで塔の外壁を降りられる程の力が無いからだ。この時ほどドラハムが
ニールとルーナを恨んだ事は無いだろう。

塔を降りてから気がついたのだが、塔の中には何の気配も無くなっていた。魔王が倒された事により生
き残りの魔族達は何処かへ撤退してしまったのだろう。それに気がついたドラハムは素直に塔の中を歩
いていれば良かったと後悔した。

ニール曰く・・・。
「ボスが倒れたらザコは皆逃げるってお約束だね」
その台詞を聞いたときのドラハムの表情は表現不可能だったのは言うまでも無い。

ランディッシュUへ無事帰ってきたドラハム達は魔王を倒したことを皆に告げた。その場に居た人々は
喜び、自分達の勝利を祝った。祝いの場でドラハムは恐らく帰ってきているであろうゾークを探してみ
たのだが、いくら探してみても見当たらなかった。
「・・・何処かで落ちたのか?」
「もしくは、僕達が帰ってくるより先に何処かへ行ったか・・・」
「どうでも良いじゃない、そんな事」

魔王を倒したことにより最終防衛線だったランディッシュUを破棄し、集まった人々はそれぞれの故郷
へと帰っていった。それから数日後の事・・・。

突如人工魔獣、バイオモンスターや機械兵が大量にあらわれ人を襲う様になりだした。例の秘密結社
とかいうのが本格的に動き出したのかもしれない。もしくは他の何かか・・・。

原因究明の為に送り出されたドラハムとニールとルーナの3人は、魔王ダルバーが最後に言った台詞を
思い出した。
「俺は影武者に過ぎない・・・か・・・」
「あいつ・・・そんな事言ってたっけ?」
「いや、言って無い」
「・・・」
3人はまだ魔王が生きているのではと思い、再び魔王が居た地へ向かった。そこには魔王の死体は無く
戦いの後だけが残っていた。
「な、なぁ・・・。俺達魔王を倒したんだよな?」
「そのはずだけど・・・」
もし仮に魔王が生きていたとしても姿を見せなくなった魔族達や突然増えた機械兵やバイオモンスター
等について納得のいくような理由は思い当たらなかった。
「これって秘密結社セラーゴが動いたのかな・・・?」
確かにそう考えるのが妥当だった。セラーゴの動きは誰にも掴めていないのでドラハム達にどうこう
できるような問題ではない。
「とりあえず、任務終了って事で・・・帰って報酬貰おうよ」
「そうだな」

ドラハム達は引き返しこの事を伝えに戻ろうとしたが、その最中に現れた機械兵のようなバイオ
モンスターに苦戦していた。
「一体何なんだ!?こいつ他の奴と比べて妙に強いぞ!」
「それに見たことが無いタイプだね・・・」
「見ていて気持ち悪くなりそうね」

目の前にいるバイオモンスターは左腕と左目、それと全身の至るところが機械で出来ていた。
「でも、こんなタイプのバイオモンスターなんて居たかな・・・?」
「新種か何かだろ!」
そう叫びつつドラハムはバイオモンスターに斬りかかって行った。だがドラハムがいくら攻撃しようとも
左腕で防御されてしまい有効打には至らずニールもドラハムと同様に全ての攻撃を防御されていた。
「なるほど、機械兵とバイオモンスターの特性を活かしたタイプって奴か」
「そうらしいわね」
ドラハムは地を蹴り高く飛び上がり全身のバネを活かして剣を振り下ろし攻撃するものの、相手には傷
一つ付ける事が出来なかった。
「に、逃げようよ!」
ニールがそう言うと同時にルーナとドラハムも逃げる事にした。

だが、相手の方が足が速いらしく逃げても直ぐに追いつかれてしまっていた。
「どうする・・・」
「戦うしか無い・・・かな?」
ドラハムは意を決したように剣を構え直し、呼吸を整えると一気に間合いを詰めた。
相手は反撃をしようと構えたのだがドラハムが技を放つ方がわずかに早かった。
「奥義、雷鼓鳴動斬!」
剣を振り上げると同時に鳴り響く音に一瞬驚いたらしく動きが止まった所をドラハムの攻撃が直撃し、
見事に生身の左肩の部分を切断し機械の左腕が地面に落ちた。
「腕一本が限界なのか・・・?」
相手は左肩の部分を掴み苦しみ出したので、この隙に再び逃げてみる事にした。

「逃げきれたみたいだね・・・」
「いや、そうでもないらしい」
ドラハムが言った通り、前方には平然とした姿で先程戦っていた敵が立っていた。
「先回りされたか・・・」
ドラハムは再び剣を構え直し呼吸を整えはじめたが、技を発動させる前になぜかニールに止められて
しまった。
「ドラハム、あいつの左腕見て!元に戻ってるよ!」
「機械兵なんだから当たり前だろうが!」
そう言うと再び意識を集中させはじめたが、ドラハムが技を放つ事は無かった。それは、相手もドラ
ハムと同様に剣らしき物を構えて意識を集中させているからだ。
「ま、まさか!」
「奥義、雷鼓鳴動斬!」
相手がそう言うと同時に剣を振り上げると轟音が鳴り響き、続けて剣を振り下ろすと同時に電撃らしき
モノが地を走り、ドラハムに向かって飛んできた。ドラハムは盾を投げつけて電撃らしきモノを回避し
た。盾が帯電しているのを見て驚いた。
「俺と全く同じ・・・いや、それ以上の雷鼓鳴動斬を・・・」
「逃げようか?」
ドラハムは軽く頷き、逃げ出そうとした。
「逃げの一手か・・・見苦しいぞ!」
相手はそう言うと同時にエアスラッシュを放ってきた。いち早くこれに気がついたドラハムはニールに
足払いをして転ばせて、自分は伏せて回避した。ルーナは元々射程距離外に居たので放っておいた。
「ドラハム・・・痛いよ・・・」
「命があっただけありがたいと思え!」
まだ何か言いたそうなニールを無視してドラハムは、立ちあがり剣を構えた。
「貴様・・・喋るようだな?」
「多少ならば喋れない事も無い」
「ならば聞くが、お前一体何者だ!なぜ俺達を狙う!」
「俺の名はダークファルス。お前等を狙う理由など無い」
「ダークファルスだって!」
「ニール、知っているのか!?」
「知らない!」
「・・・・・・お前等が言う『巨大な闇を放つ者』の事だ」
「なんだって!?」
「ニール、知っているのか!?」
「有名な話じゃないか!何で知らないんだよ!」
「俺は歴史とか、そういうの苦手なんだよ!」
「けど『巨大な闇を放つ者』は数千年前に滅んだはずよ・・・?」
「信じなくとも構わぬさ、所詮貴様等はココで死す運命にある」
ダークファルスはそう言うと、両手を上に突き上げた。
「受けよ!ポジトロン・バースト!」
ダークファルスの両手から空に目掛けて光が走った。その光はある程度上昇すると数十個に分裂し
ダークファルスの周りに降り注いだ。
「ニール!ルーナ!あの光に当たるなよ!」
「言われなくったて分かってるよ!」
「当たったらどうなるかくらい見れば分かるわ!」
ニールとルーナは、ほぼ同時に喋ったのでドラハムには一瞬彼等が何を言ったのか理解できなかったが
感で何を言ったかは大体想像がついていた。
「・・・あいつらって仲良かったんだな。」
今更になって初めて気がついた事だった。

3人は空を見ながら光の落下場所を測定し回避していた。回避に走り回る3人を見てダークファルスは
ポジトロン・バーストを止め、口からポジトロンボルトを発射した。思いもしなかった方向からの攻撃
にドラハムは直撃を受けて倒れてしまった。
「ドラハム、大丈夫!?」
「あぁ・・・なんとか・・・」
「ほぅ、まだ息があるのか。少々手加減しすぎたか?」
ドラハムにまだ息があるのを確認するとヘインはダークファルスに向かって走っていった。
「無駄だ!フレアショット!」
ダークファルスの目から熱線が発射された。

「ま、まずい・・・このままでは・・・」
フレアショットの直撃を受けて倒れたヘインを無視してダークファルスはまっすぐドラハムの方へと
歩いて来ていた。それは、この3名の中で一番厄介な相手がドラハムだと判断したので殺せる時に殺して
おこうとでも思ったのだろう。
「行かせない!」
ルーナがギフォイエで炎を撒き散らしていたが、ダークファルスは炎を無視して歩き続けドラハムの側
まで近づいた。ドラハムが近くに倒れている事を忘れてダークファルスにラフォイエでも放って足を止
めようとしていたルーナに向かって倒れたままの姿勢でニールが叫んで止めさせた。

「回復くらいしたらどうだ?レスタくらいなら出来るんだろ?」
ダークファルスはドラハムの直ぐ近くまで着て、武器を構えてからそう言った。回復しても直ぐにそれ
以上の傷を付けられるのが目に見えていたのでドラハムは何もしなかった。
「覚悟を決めたか・・・。ならば!」
ダークファルスが剣を振りかぶると同時に、丁度ダークファルスの真後ろから炎が飛んできた。ダーク
ファルスは炎を回避し後ろを振り向いたので、この隙にドラハムはギレスタを使い傷を癒しダークファルス
から間合いをとった。
「お前らは・・・!?」
炎を放ちダークファルスを攻撃したのは、人間ではなく魔族だった。それも以前に一度会った事がある
二体の魔族。
「・・・ここに居たか」
「やっと見つけましたよ」

1人目はダルバーと共にドラハム達を待ち構えながらほとんど何もせずに何処かへ行った、ヴァルス。
2人目はダルバーの幻影と一緒にドラハム達を待ち構えていた、オルナ。
「お、お前達・・・生きていたのか・・・」
「俺はお前程度のヤツに殺された覚えは無いが・・・?」
「丁度良い所に着たな。ウォーミングアップもそろそろ終わる頃だ」
ダークファルスはまだ倒れているヘインに向かって攻撃しようとしたが、その前にヴァルスの槍が飛んで
きてダークファルスの首を貫いた。
「がっ!?」
「俺達を前にして随分と余裕あるな。戻れガルズ!」
首に刺さっていた槍が抜け、飛んで来た時と同じ軌道を通りヴァルスの手に戻った。
「さぁ、終わりにしてあげますよ。その炎は如何なる敵をも焼き尽くす、フリエリ!」
オルナの手からマジック、フリエリが放たれた。
ダークファルスは首を押さえて苦しんでいる所へ飛んできた炎をどうする事もできずに直撃した。
「お前ら、強い方だったんだな」
「当然ですよ」

その後ダークファルスはほとんど何も出来ずにヴァルスとオルナによって倒された。
「次はお前らだって言わないのか?」
「・・・なぜだ?」
「なぜって・・・俺は魔王の仇だろ」
「なんだ、その事か。所詮ダルバーは死ぬ運命にあっただけだ」
「そうでもなければ貴方にはダルバー様は倒せませんよ」
言いたい事を言うとヴァルスとオルナは何処かへ行ってしまった。後に残ったドラハムは力尽きてしま
ったらしく気絶しているニールをテクニック、アロウズを使い意識を覚醒させた後にラレスタを使い傷
を回復させ帰る事にした。

ドラハムは魔族がやはり生きていたという事は隠したかったので、自分達でダークファルスを倒したと
言う事にした。もし魔族が生きているとなると、再び世界が混乱してしまうだろうと思ったからだ。だが
これによりドラハムは二度世界を救った者として勇者と称えられるようになった。

それから三年くらい経ち人々の記憶からダークファルスという名が消えかけていた頃。一人の冒険家が
ダークファルスの破片を見つけた。最初、それがダークファルスの破片だとは思いもしなかったらしい
・・・破片が再生しダークファルスとなるまでは。

そのダークファルスは完全に再生する前に倒されたが、破片がまだ有るかもしれないと思った人々は恐
怖した。そして対抗作を作るべく破片を回収し研究してみる事にした。無論再生される恐れもあったが
その時はなぜか再生しなかったらしい。

人々は破片からダークファルスの弱点や生態系などを調べた。そして対ダークファルス用の武器を開発
した。しかし、その武器は人が扱えるような代物では無かった。重すぎる、放出する熱量が酷すぎる。
それらの理由により機械兵に装備させるのが妥当と見た。しかし彼等には機械兵など作れる技術など
無く結局それらの武器は再開発される事となる。

丁度その頃、空にもう一つの黒い月が現れた。これもダークファルス、巨大な闇を放つ者があらわれた
ためだろう。昼間にしか見えなかった黒い月は日に日に輝きを増し、やがて赤き月へと変貌し夜空に浮
かび上がった。まるで死神の瞳のように見下ろす赤き月は人々の恐れの対象となるには相応しかった。

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一方アレルは無事にクラグへ帰ってきてルディへの借金を返済するために、しばらく奴隷状態になって
いた。一応、対魔族戦の報酬はもらっている。だが帰りの交通費と諸経費などで半分が消えていた。
そして借金を返済しようと思ったら足りていなかったのだ。アレルは様々な意味でランディッシュIIへ
行った事を後悔したのは言うまでも無い。




次回予告
クラグの村に異変が起きた!突然あらわれた奇妙な男は金属バット片手に訳のわからない事を言い、
道行く人々に説教している!そして、その奇妙な男に説教された者達は口々に「ありがとう一号」と
訳の解らない事を言っている!!!今、奇妙な男がアレルの背後に忍び寄る!
次回、時の果てに第1話『筋属バット!?』

アレル「・・・俺、出番無かった」
ドラハム「ま、お前に主役をやるだけの技量がなかったって事だな」
アレル「しかも、ルディの奴隷状態じゃないか!」
ニール「何なら何処か遠くへ逃げたら?」
ルーナ「そうね、その方が良いかもしれないわね」
アレル「逃げるって・・・何処へ?」
ドラハム「時の果てにでも逃げろ」
アレル「・・・・・」

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