クロスオーバーストーリー（仮）

	モンスターに遭うこと無く町についた。が・・・「ファル！おーいファル！えっ･･･ファルが消えた。」町に入るまで一緒だったファルがいない。「おかしいな・・・迷子か・・・ともかく捜さないと･･･」「おーい!ファルー。どこにいるんだー」「ルディーこっちよー。私はここにいるわー」ファルの声がする。声の大きさからすると、それ程遠くではない。とりあえずファルのもとへ行く。「ファル!一人で勝手に街を歩いたらだめだ。迷子になったらどうする！」「ごめんねルディ・・・だってここに可愛らしいものが売っていたから・・・」今いる所は露店だった。いろいろな所から商売するために、たくさんの人が集まりそして商品を売る。だが、この商品の中にはいくつかの”バッタもの（まがいもの）”もある。気をつけないと、後で泣くハメになる。たいして価値の無い物を、すごく高値で売りつけているからだ。＜店の商品リスト＞ＢＧＭ：ＰＳ２データメモリーデゾリスペンギンぬいぐるみ：１００２３７メセタ　　デゾリスペンギンの置物：８７９６７メセタデゾリスペンギンの置き時計：７７８９６メセタ　　デゾリスペンギンスリッパ：５４１２０メセタデゾリスペンギンキーホルダー：３０１２３メセタ　　デゾリスペンギン鉛筆：１０００１メセタデゾリスペンギン着ぐるみ：９９９９８７メセタ（１着限り）デゾリスペンギン：わしのペットよジャコウネコぬいぐるみ：２０００メセタ　　ジャコウネコ置物：１９００メセタジャコウネコ置き時計：３０００メセタ　　ジャコウネコスリッパ：１８００メセタジャコウネコキーホルダー：６００メセタ　　ジャコウネコ鉛筆（１ダース）８００メセタジャコウネコ着ぐるみ：１００００メセタ　　ジャコウネコ手袋：２０００メセタ ★デゾリスペンギン手袋（限定販売）３２４５０メセタ「きゃあ!かわいいー。ぜんぶほしいなー」「でも、これおかしい・・・ペンギンのグッズだけ異様に高いんじゃないかなー。」「ルディ！何か買ってよ。ねえールディ～」「仕方ない。ジャコウネコのなら、一つ買ってあげる。これでいいだろ？」「ネコさん・・・ペンギンさん、だめなの?」「だめだ。考えてみろ、ネコとペンギンのグッズ。大きさとかもそんなに変わらないのに値段が違いすぎるのおかしいと思わないのか。」　「そうだけど・・・いや。ペンギンさんがいい。」「どうしました。お客様・・・」初老の男がいきなり顔を出した。どうやら店の主人のようだ。「おじさん!これほしい・・・ペンギンさんくださいな～」「おっ・・・おい・・・やめろ・・・それは・・・」当然、ルディは焦った。「お嬢ちゃん。これは売れないぞ・・・わしのペットだからな。」ファルは店の前にいたデゾリスペンギンをなでなでしている。「えー。だめなの・・・こんなに可愛いのに・・・」ファルは泣きそうな顔になった・・・「お嬢ちゃん、そんな顔をするでない・・・むむ・・・」男は考え込んでいる。「・・・売ってあげられない事も無いが・・・」「えっ、本当～わーい～」泣き出しそうな顔が急に笑顔に戻った。「ただし、条件がある。」「条件？何をするの?」「それはな・・・」
	「あそこに山があるじゃろう？」店の主人はルディ達の後方の少々小振りな山を指さして言った。「あそこで採れる山菜や川魚は絶品でのう、この町の名物じゃった。しかし、ここ数ヶ月、あの山に　行った者は誰も、帰ってこないのじゃ・・・ワシの、子供達もな・・・このペンギンは、子供達の　ペットなんじゃよ・・・お前さん達と、ちょうど同じぐらいの歳の・・・」老人の声は、段々と小さくなってゆき、最後の言葉は、辛うじて聞き取れるほどの大きさでしかなかった。「だからその原因を・・・」老人はそう言いかけたがすぐに自分の首を強く横に振った。「どうしたんだよ爺さん！山を調べてくるぐらいならまかせといてよ！！」「ありがとう。でも、いいんじゃよ。年寄りの独り言だと思って、聞き流してくれ。もう最近は、この　ペンギンを見ているだけで辛くなってくる。こいつはやるから、可愛がってくれ・・・」「爺さん！もうしばらく待ってみてくれよ！俺達が絶対、探してくるからさ！それにこう見えても、　腕には自信があるんだぜ！」「ならその気持ちだけ、貰っておくとするかのう。やれ、もう日も暮れてきた。今日はもう店じまいに　するか・・・」ルディ達はなんとかして老人を元気づけようとしたが、彼は半ば逃げるように自分の家へと帰ってしまい、二人ががいくらドアをノックしても、外から呼びかけても、何の返事もしてくれなかった。「ルディ・・・」「ああ・・・分かってるよファル。明日の朝、山に行ってみよう、けどその前に、今日泊まるところを　探さないとな。」宿屋の場所は、町の人に聞いたらすぐに教えてくれた。案内された場所に行ってみると、木造の三階建てのやや古ぼけた建物である。そして一階は酒場になっており、沢山の人が賑やかにさわいでいる。酒場の壁の黒板には、「今日のオススメ」と銘打って酒と料理、そしてその値段が書いてあり、そしてその横に「お泊まりの方はカウンターの呼び鈴を鳴らしてください」との貼り紙がしてあった。そこでルディ達はまずは軽く腹ごしらえをしようと、空いてるテーブルに腰掛けたのだが・・・
	「おいっ！貴様ら勝手に俺の席に座るんじゃねぇ！」乱暴そうな口調で誰かがこういった。「ここはな、俺がとっておいた席だ。ほれ見ろ！机にメスが刺してあるだろ。これはな、俺がさっき誰にもとられないように刺してたんだ。それなのに、おいっ！どうして分からなかったんだ！！」メスを持っている。医者なのだろうか・・・そのわりには人に対する態度や口の利き方がひどい。「そんな事よりも、公共のものに傷をつけてはいけないのだぞ。それに、なんていう口の利き方なんだ。僕らがあなたよりも年下だからって、そんなのはだめなんだぞ。」ルディは医者の青年の態度が気にくわなかったので、少し恐かったけど彼に注意をした。「ふん！ガキにちゃんとした言葉を使えだと?笑わせるな。俺はガキと話すのが嫌いなんだよ。・・・えらそうにしやがって・・・」ルディはその言葉に頭がきた。思わず剣を抜きそうになった。だが、そんな事はできない。何とか怒りを押さえる事にする。しばらく時間が経った。青年はさっきの席でくつろいでいる。ルディ達は食事がまだだったので食事をしようと、ほかの席が空くまで待っていた。その時だった。「うっ・・・ううう・・・」いきなり誰かが苦しそうに声を上げる。「は・・・腹が痛い・・・助け・・・てくれ・・・」ジャガイモのスープを食していた客が、いきなり腹痛で苦しみ出した。それに続くかのように、スープを食していた人が次々と腹痛になる。それを見て不審に思った客は料理人を疑った。客は次々に文句を言うが、衛生管理には気をつけているらしい。そのため彼らが調べた所、食中毒ではなかった。「いったい・・・どういう事なんだ・・・」料理長である人が気の抜けそうな声でそう言った。彼は何よりも衛生面に気をつけていた。そのため、ショックは大きい。「料理長。あなたのせいではないですよ。何せこれは細菌による物ではないし、さっきの検査のとおりですよ。・・・じゃあ・・・これは・・・」料理長を励ましていた人物は、いきなり恐れた。「呪い・・・何かの呪いなのか・・・」その人物は、そう言うといきなり床に座り込んでそのまま動かなくなった。世界で凄腕と呼ばれる医者もたくさん呼んだ。呪いがかかっているのではないかと思い、魔法使いも呼んだりした。しかし、事件は一向に片付かない。医者が言うにも、魔法使いが言うにもこれは原因不明としか分からないようだ。ルディ達も腹痛で苦しむ人を助けようと、必死でレスタをかけている。だが、ぜんぜん治ろうとしない。もう疲労も極限に達してきた。そして、患者の様態もかなり悪化してきた。その時、ルディはある事に気づいた。店に医者がいるのを・・・最後のかけと思い声をかけてみる。「うるさい・・・人間なんかに、おれの助けがやれるか！一応・・・この病気の治し方は知っている。だがな・・・人間には教えられない！人間は、俺の敵だ・・・俺の両親は俺の小さい時に人間に殺された。それ以来俺は、人間をうらみ続けた。ふふ・・・いい機会だ。本当はと言えば、お前らも・・・」悪魔のような事を青年は言った。しかし、この青年はそれを言っている時とても悲しそうな目をしていた。「どうして・・・助けてくださらないの？ねえっ・・・おねがい・・・」「やめろ・・・こいつは危ない・・・」その時だった。近くから、子どもの叫ぶ声がする。「とおさん、とおさん・・・ねえっ・・・」泣きながら子どもが父親に話しかけている。その父親はもう瀕死のようだ。「・・・だれだ！こんなことするのは！ぼくが・・・ぼくがゆるさない・・・」少年は、泣きながらそういった。悪魔のような青年の心にさっきの言葉が、頭にくりかえす・・・「とおさん・・・かあさん・・・ねえ・・・へんじして・・・ぼく、ひとりなんていやだ・・・」小さい時の青年。その目の前には両親の惨殺された死体が転がっていた。「きさまら・・・・・・とおさんたちをかえせ・・・このへんなじじいめ！」少年の前には、３人の男がいる。目を見るだけで、寒気がし、逃げてしまいたくなる。「うるさいぞ！おまえも死にたいか！！」男はいきなり少年を後ろの壁へ蹴飛ばした。少年は壁に当たった瞬間、意識が無くなった・・・意識がもうろうとする・・・「ハハハハハハハ・・・・笑わせるわ・・・あんなガキがな・・・」男達は笑いながら去っていったようだ。「・・・・くやしい・・・とうさん・・・・かあさん・・・これからどうすればいいの・・・ぼく・・・もう・・・いきていけない・・・」悪魔のような青年にある記憶がよみがえる・・・「だめだ・・・俺は何をしている・・・もう俺のように苦しむ人を見たくない・・・そうだ・・・今は・・・俺が何とかしないとだめなんだ・・・」そう思い立つと青年は急に立ちだした。「おいっ！金髪のガキ！俺が助けてやる。だからちょっと待ってな。」青年がそういうと、いきなり薬を作り始めた。そして少し時間が経ち、完成した。「さあ、これを飲ませるぞ。おいお前らも手伝え。」「少年。もう大丈夫だ。お兄ちゃんがとうちゃんを助けてやるぞ。」少し時間がかかったが、薬は全員患者に行き渡った。「ん！これで明日になれば、みんな大丈夫だ。助かる。・・・俺はもう行くさらば・・・」青年はすごい速さで店を出た。あたりはしんとした。「ルディ。あの人実は、とてもいい人だったんだね。」「・・・・そうだな・・・何か過去にひどい事があったみたいだった。僕には何となく分かった。悪魔みたいな事を言っていた時、あの人はとてもさみしそうだった・・・」「もう一度会ってみたいな・・・お礼言わないと・・・」「どうかな・・・わからないよ・・・」ルディ達はそれからすぐに眠り込んだ。患者の治療のため、疲れたんだろう・・・
	翌朝、ルディ達は山を調べに朝早く出る予定だった。しかし昨日の疲れのせいで少し寝過ごし、朝食を食べに一階に来たときにはテーブルは一つを除いて全て埋まっていた。選択の余地なく二人が腰掛け、トーストをかじっていると後ろから一人の女性が声をかけてきた。「あの、すいません・・・ここ、空いてますか？他の席が全部いっぱいで・・・」年齢はルディより２つほど上であろうか、長く綺麗な黒髪はリボンでまとめられており、服装はルディ達のそれとは随分と違う。薄いピンク色の上着に、紺色のスカートともズボンともつかないような物をはいている。腰には剣を差しているのだが、その外観もまた、彼らが見慣れているものとは全く違う。決して派手派手しい色使いとかではないのだが、しかしその服装は他の誰よりも目立っているといえた。「あ、ど、どうぞ！」ルディはとっさに立ち上がってその女性のために椅子を引いた。そして再び席に着くと、ファルに足を思い切り踏んづけられた。「痛ってぇ～何すんだよファル！」「急ぐんでしょ！早く食べないと！！」「あ、ああ・・・」「フフッ・・・」二人ののやり取りが何とも言えずおかしかったらしく、相席の女性はクスクスと笑っている。「ごめんなさい。二人とも、仲がいいんですね。私、真宮寺さくらって言います（真宮寺さくら：　出展、サクラ大戦。帝都東京の平和を守る秘密部隊、帝国華撃団の一員、日本刀の達人で愛用の　武器は霊剣・荒鷹。細かい説明はもはや不要かも）」「さくらさん、ですか。私、ファルって言います、彼はルディ。二人ともよく分からないうちに　この世界に・・・」「ええ・・・私も、そういう人達に会ってきたわ。それにこの場所には、何か大きな力が働いている、　そんな気がするの・・・私も、あなた達と同じなんですけど。」さくらはそう言うとニコと微笑んだ。お互い同じ境遇だという事に、ルディとファルは親近感を持った。そして互いに談笑を交え、長めの朝食を楽しんだ。「あなた達は、これからどうするつもりなの？」「とりあえず裏山に行かないと。露店の爺さんのためにもね。」「その話、詳しく聞かせてくれる？」ルディがそう言うと、さくらは目を少し険しくしてルディ達に問いつめるような口調で聞いてきた。しかしルディとファルの知っていることは限られている。食後に三人は酒場の店員や道行く人をつかまえて、何か知っていないかと聞いてみたが、皆異口同音に言うことは、「分からない」か「近寄らない方がいい」この二つばかりであった。「こうなるとますます、現地に行くしかないな・・・」ルディの意見に、ファルとさくらも賛同した。そして三人は立入禁止の柵をくぐって、町の裏山へとその足を踏み入れた。
	「恐いね・・・何かうす気味悪い・・・」入り込んだ瞬間から、奇妙な大木や草花で太陽の日差しは遮断されていた。「何かがいるかもしれない。気をつけて行こう・・・」ルディ達は不安になりながらも、道を進んで行く。最初は平坦な道だったが進むに連れて上りになっていく。道は湿っていて、うっかりすると転んでしまう。「待ってよールディ～・・・速いよー」ファルにとって初めての山登りだった。それに今日は地面が滑りやすくなっている。時折滑って転びそうになり、冷や汗をかく事もある。「転びたくない。転ぶのが恐い・・・」そればかり考えているせいで、なかなか足が進まない。とにかく彼女は慎重に道を歩いている。だがその時・・・「きゃあああああ・・・・ルディ・・・助けて・・・」なんとファルは転んでしまった。前に一歩足を踏み出した所、湿った草を踏んでしまい転んだのだ。そしてこのまま下に転んでいく・・・途中、道にある石や小枝で皮膚をすりむいたりする。それに体中は泥だらけだ。いったいどこまで転んでいくのだろう・・・今の彼女にはそれしか考えられない。「えっ・・・嘘よ・・・」なんと崖から落ちようとしていた。知らないうちに崖まで転んでいたのだ。「きゃああああ・・・・・ルディーーーーーーー」彼女はとうとう崖から落ちてしまった。そしてそこで、意識が途切れた・・・「ファルーーファルーーどこに行ったんだーー」ルディは必死に彼女の名前を呼ぶ。しかし、返事はない。「ファル・・・そんな・・・」あの時、かつてジオと呼ばれるものと戦った時だった。彼は大切な人をなくしてしまったのだった・・・彼をかばって自らの命を絶ってしまった・・・戦いの事や礼儀にはとても厳しかった。だけど、彼にとってその人のことライラは親以上の人物であった・・・今、また悲劇が起こるのか・・・また、大切な人を失ってしまうのか・・・ルディの心はとても傷んだ・・・「大丈夫ですよ。きっとファルちゃんは生きているわ。」さくらと言う名前の女性が言った。「・・・・・・・。」「僕、探しに行ってきます。」「えっ・・・待ってください。あそこは危険です・・・だから・・・」彼女の言う事を無視して、ルディはファルの落ちた崖へと急いだ。「・・・・・・・ここはどこ・・・・ルディ・・・どこ？」ファルは意識を取り戻した。どうやら生きている。それにベッドの中にいる。誰かが運んでくれたのだろうか。「気がついたか・・・」誰かがいる。ファルは顔をその人物に向けた。吟遊詩人のようで銀の竪琴を持っている。「お前・・・運がいいな。崖から落ちてひどい怪我をしていた。そこで俺が家に連れて帰り一応手当てをした。助からんと思っていたが・・・どうやら助かったみたいだな。」「そうですか・・・ありがとうございます。・・・だめ・・・まだ気分が悪い・・・」「無理をするな。休め・・・その間、私が歌を歌ってやろう・・・この歌う火炎魔神（イフリート）メノルカ様（ドラゴンフォース　トラッドノアの重要武将）の歌が聞けるのだぞ。きっと体調も良くなるぞ。では・・・一曲！！」その瞬間、ここはまさに地獄と化した。今までに聞いた事の無い奇妙な歌が響き渡る。耳をふさいでもその声の大きさは同じままである。ついには耐えきれなくなって、その吟遊詩人に歌をやめてもらおうと頼もうとしたが、その時だった。ついに歌声のせいで気絶してしまった。・・・それから次の日・・・何とかファルの様態は回復した。ルディ達と合流するために、途中までの道を案内してもらう事にする。「ここを上に行くと、頂上へ行ける。」「ありがとう、助かりました。ではあなたもお元気で。」「俺も一緒に行きたいのだが、忙しくてな・・・けど、お見送りの変わりにまた歌を歌おう。新曲・トラッドノア万歳！を披露しよう・・・」またまた奇妙な歌声が聞こえた。ファルは歌声を聞きたくないので、耳をふさぎ一気に道を走っていった。しばらく走ると、歌声は聞こえなくなった。周りは静寂に包まれる。そんな中にいるため、ファルの心は次第に重くなっていった。そんな時、ふと彼女は思った。ルディはどこにいるのだろう・・・それが気がかりだ。もう二度と会えなくなるのだろうか・・・いや、大丈夫。私がここにいる限りルディはどこにも行かない。そう自分に言い聞かせて、足を進めていくのである。「ルディ・・・死なないでね・・・絶対に・・・こんな所で死なないでね・・・一人はいやだよ・・・」

	モンスターに遭うこと無く町についた。が・・・「ファル！おーいファル！えっ･･･ファルが消えた。」町に入るまで一緒だったファルがいない。「おかしいな・・・迷子か・・・ともかく捜さないと･･･」「おーい!ファルー。どこにいるんだー」「ルディーこっちよー。私はここにいるわー」ファルの声がする。声の大きさからすると、それ程遠くではない。とりあえずファルのもとへ行く。「ファル!一人で勝手に街を歩いたらだめだ。迷子になったらどうする！」「ごめんねルディ・・・だってここに可愛らしいものが売っていたから・・・」今いる所は露店だった。いろいろな所から商売するために、たくさんの人が集まりそして商品を売る。だが、この商品の中にはいくつかの”バッタもの（まがいもの）”もある。気をつけないと、後で泣くハメになる。たいして価値の無い物を、すごく高値で売りつけているからだ。＜店の商品リスト＞ＢＧＭ：ＰＳ２データメモリーデゾリスペンギンぬいぐるみ：１００２３７メセタ　　デゾリスペンギンの置物：８７９６７メセタデゾリスペンギンの置き時計：７７８９６メセタ　　デゾリスペンギンスリッパ：５４１２０メセタデゾリスペンギンキーホルダー：３０１２３メセタ　　デゾリスペンギン鉛筆：１０００１メセタデゾリスペンギン着ぐるみ：９９９９８７メセタ（１着限り）デゾリスペンギン：わしのペットよジャコウネコぬいぐるみ：２０００メセタ　　ジャコウネコ置物：１９００メセタジャコウネコ置き時計：３０００メセタ　　ジャコウネコスリッパ：１８００メセタジャコウネコキーホルダー：６００メセタ　　ジャコウネコ鉛筆（１ダース）８００メセタジャコウネコ着ぐるみ：１００００メセタ　　ジャコウネコ手袋：２０００メセタ ★デゾリスペンギン手袋（限定販売）３２４５０メセタ「きゃあ!かわいいー。ぜんぶほしいなー」「でも、これおかしい・・・ペンギンのグッズだけ異様に高いんじゃないかなー。」「ルディ！何か買ってよ。ねえールディ～」「仕方ない。ジャコウネコのなら、一つ買ってあげる。これでいいだろ？」「ネコさん・・・ペンギンさん、だめなの?」「だめだ。考えてみろ、ネコとペンギンのグッズ。大きさとかもそんなに変わらないのに値段が違いすぎるのおかしいと思わないのか。」　「そうだけど・・・いや。ペンギンさんがいい。」「どうしました。お客様・・・」初老の男がいきなり顔を出した。どうやら店の主人のようだ。「おじさん!これほしい・・・ペンギンさんくださいな～」「おっ・・・おい・・・やめろ・・・それは・・・」当然、ルディは焦った。「お嬢ちゃん。これは売れないぞ・・・わしのペットだからな。」ファルは店の前にいたデゾリスペンギンをなでなでしている。「えー。だめなの・・・こんなに可愛いのに・・・」ファルは泣きそうな顔になった・・・「お嬢ちゃん、そんな顔をするでない・・・むむ・・・」男は考え込んでいる。「・・・売ってあげられない事も無いが・・・」「えっ、本当～わーい～」泣き出しそうな顔が急に笑顔に戻った。「ただし、条件がある。」「条件？何をするの?」「それはな・・・」
	「あそこに山があるじゃろう？」店の主人はルディ達の後方の少々小振りな山を指さして言った。「あそこで採れる山菜や川魚は絶品でのう、この町の名物じゃった。しかし、ここ数ヶ月、あの山に　行った者は誰も、帰ってこないのじゃ・・・ワシの、子供達もな・・・このペンギンは、子供達の　ペットなんじゃよ・・・お前さん達と、ちょうど同じぐらいの歳の・・・」老人の声は、段々と小さくなってゆき、最後の言葉は、辛うじて聞き取れるほどの大きさでしかなかった。「だからその原因を・・・」老人はそう言いかけたがすぐに自分の首を強く横に振った。「どうしたんだよ爺さん！山を調べてくるぐらいならまかせといてよ！！」「ありがとう。でも、いいんじゃよ。年寄りの独り言だと思って、聞き流してくれ。もう最近は、この　ペンギンを見ているだけで辛くなってくる。こいつはやるから、可愛がってくれ・・・」「爺さん！もうしばらく待ってみてくれよ！俺達が絶対、探してくるからさ！それにこう見えても、　腕には自信があるんだぜ！」「ならその気持ちだけ、貰っておくとするかのう。やれ、もう日も暮れてきた。今日はもう店じまいに　するか・・・」ルディ達はなんとかして老人を元気づけようとしたが、彼は半ば逃げるように自分の家へと帰ってしまい、二人ががいくらドアをノックしても、外から呼びかけても、何の返事もしてくれなかった。「ルディ・・・」「ああ・・・分かってるよファル。明日の朝、山に行ってみよう、けどその前に、今日泊まるところを　探さないとな。」宿屋の場所は、町の人に聞いたらすぐに教えてくれた。案内された場所に行ってみると、木造の三階建てのやや古ぼけた建物である。そして一階は酒場になっており、沢山の人が賑やかにさわいでいる。酒場の壁の黒板には、「今日のオススメ」と銘打って酒と料理、そしてその値段が書いてあり、そしてその横に「お泊まりの方はカウンターの呼び鈴を鳴らしてください」との貼り紙がしてあった。そこでルディ達はまずは軽く腹ごしらえをしようと、空いてるテーブルに腰掛けたのだが・・・
	「おいっ！貴様ら勝手に俺の席に座るんじゃねぇ！」乱暴そうな口調で誰かがこういった。「ここはな、俺がとっておいた席だ。ほれ見ろ！机にメスが刺してあるだろ。これはな、俺がさっき誰にもとられないように刺してたんだ。それなのに、おいっ！どうして分からなかったんだ！！」メスを持っている。医者なのだろうか・・・そのわりには人に対する態度や口の利き方がひどい。「そんな事よりも、公共のものに傷をつけてはいけないのだぞ。それに、なんていう口の利き方なんだ。僕らがあなたよりも年下だからって、そんなのはだめなんだぞ。」ルディは医者の青年の態度が気にくわなかったので、少し恐かったけど彼に注意をした。「ふん！ガキにちゃんとした言葉を使えだと?笑わせるな。俺はガキと話すのが嫌いなんだよ。・・・えらそうにしやがって・・・」ルディはその言葉に頭がきた。思わず剣を抜きそうになった。だが、そんな事はできない。何とか怒りを押さえる事にする。しばらく時間が経った。青年はさっきの席でくつろいでいる。ルディ達は食事がまだだったので食事をしようと、ほかの席が空くまで待っていた。その時だった。「うっ・・・ううう・・・」いきなり誰かが苦しそうに声を上げる。「は・・・腹が痛い・・・助け・・・てくれ・・・」ジャガイモのスープを食していた客が、いきなり腹痛で苦しみ出した。それに続くかのように、スープを食していた人が次々と腹痛になる。それを見て不審に思った客は料理人を疑った。客は次々に文句を言うが、衛生管理には気をつけているらしい。そのため彼らが調べた所、食中毒ではなかった。「いったい・・・どういう事なんだ・・・」料理長である人が気の抜けそうな声でそう言った。彼は何よりも衛生面に気をつけていた。そのため、ショックは大きい。「料理長。あなたのせいではないですよ。何せこれは細菌による物ではないし、さっきの検査のとおりですよ。・・・じゃあ・・・これは・・・」料理長を励ましていた人物は、いきなり恐れた。「呪い・・・何かの呪いなのか・・・」その人物は、そう言うといきなり床に座り込んでそのまま動かなくなった。世界で凄腕と呼ばれる医者もたくさん呼んだ。呪いがかかっているのではないかと思い、魔法使いも呼んだりした。しかし、事件は一向に片付かない。医者が言うにも、魔法使いが言うにもこれは原因不明としか分からないようだ。ルディ達も腹痛で苦しむ人を助けようと、必死でレスタをかけている。だが、ぜんぜん治ろうとしない。もう疲労も極限に達してきた。そして、患者の様態もかなり悪化してきた。その時、ルディはある事に気づいた。店に医者がいるのを・・・最後のかけと思い声をかけてみる。「うるさい・・・人間なんかに、おれの助けがやれるか！一応・・・この病気の治し方は知っている。だがな・・・人間には教えられない！人間は、俺の敵だ・・・俺の両親は俺の小さい時に人間に殺された。それ以来俺は、人間をうらみ続けた。ふふ・・・いい機会だ。本当はと言えば、お前らも・・・」悪魔のような事を青年は言った。しかし、この青年はそれを言っている時とても悲しそうな目をしていた。「どうして・・・助けてくださらないの？ねえっ・・・おねがい・・・」「やめろ・・・こいつは危ない・・・」その時だった。近くから、子どもの叫ぶ声がする。「とおさん、とおさん・・・ねえっ・・・」泣きながら子どもが父親に話しかけている。その父親はもう瀕死のようだ。「・・・だれだ！こんなことするのは！ぼくが・・・ぼくがゆるさない・・・」少年は、泣きながらそういった。悪魔のような青年の心にさっきの言葉が、頭にくりかえす・・・「とおさん・・・かあさん・・・ねえ・・・へんじして・・・ぼく、ひとりなんていやだ・・・」小さい時の青年。その目の前には両親の惨殺された死体が転がっていた。「きさまら・・・・・・とおさんたちをかえせ・・・このへんなじじいめ！」少年の前には、３人の男がいる。目を見るだけで、寒気がし、逃げてしまいたくなる。「うるさいぞ！おまえも死にたいか！！」男はいきなり少年を後ろの壁へ蹴飛ばした。少年は壁に当たった瞬間、意識が無くなった・・・意識がもうろうとする・・・「ハハハハハハハ・・・・笑わせるわ・・・あんなガキがな・・・」男達は笑いながら去っていったようだ。「・・・・くやしい・・・とうさん・・・・かあさん・・・これからどうすればいいの・・・ぼく・・・もう・・・いきていけない・・・」悪魔のような青年にある記憶がよみがえる・・・「だめだ・・・俺は何をしている・・・もう俺のように苦しむ人を見たくない・・・そうだ・・・今は・・・俺が何とかしないとだめなんだ・・・」そう思い立つと青年は急に立ちだした。「おいっ！金髪のガキ！俺が助けてやる。だからちょっと待ってな。」青年がそういうと、いきなり薬を作り始めた。そして少し時間が経ち、完成した。「さあ、これを飲ませるぞ。おいお前らも手伝え。」「少年。もう大丈夫だ。お兄ちゃんがとうちゃんを助けてやるぞ。」少し時間がかかったが、薬は全員患者に行き渡った。「ん！これで明日になれば、みんな大丈夫だ。助かる。・・・俺はもう行くさらば・・・」青年はすごい速さで店を出た。あたりはしんとした。「ルディ。あの人実は、とてもいい人だったんだね。」「・・・・そうだな・・・何か過去にひどい事があったみたいだった。僕には何となく分かった。悪魔みたいな事を言っていた時、あの人はとてもさみしそうだった・・・」「もう一度会ってみたいな・・・お礼言わないと・・・」「どうかな・・・わからないよ・・・」ルディ達はそれからすぐに眠り込んだ。患者の治療のため、疲れたんだろう・・・
	翌朝、ルディ達は山を調べに朝早く出る予定だった。しかし昨日の疲れのせいで少し寝過ごし、朝食を食べに一階に来たときにはテーブルは一つを除いて全て埋まっていた。選択の余地なく二人が腰掛け、トーストをかじっていると後ろから一人の女性が声をかけてきた。「あの、すいません・・・ここ、空いてますか？他の席が全部いっぱいで・・・」年齢はルディより２つほど上であろうか、長く綺麗な黒髪はリボンでまとめられており、服装はルディ達のそれとは随分と違う。薄いピンク色の上着に、紺色のスカートともズボンともつかないような物をはいている。腰には剣を差しているのだが、その外観もまた、彼らが見慣れているものとは全く違う。決して派手派手しい色使いとかではないのだが、しかしその服装は他の誰よりも目立っているといえた。「あ、ど、どうぞ！」ルディはとっさに立ち上がってその女性のために椅子を引いた。そして再び席に着くと、ファルに足を思い切り踏んづけられた。「痛ってぇ～何すんだよファル！」「急ぐんでしょ！早く食べないと！！」「あ、ああ・・・」「フフッ・・・」二人ののやり取りが何とも言えずおかしかったらしく、相席の女性はクスクスと笑っている。「ごめんなさい。二人とも、仲がいいんですね。私、真宮寺さくらって言います（真宮寺さくら：　出展、サクラ大戦。帝都東京の平和を守る秘密部隊、帝国華撃団の一員、日本刀の達人で愛用の　武器は霊剣・荒鷹。細かい説明はもはや不要かも）」「さくらさん、ですか。私、ファルって言います、彼はルディ。二人ともよく分からないうちに　この世界に・・・」「ええ・・・私も、そういう人達に会ってきたわ。それにこの場所には、何か大きな力が働いている、　そんな気がするの・・・私も、あなた達と同じなんですけど。」さくらはそう言うとニコと微笑んだ。お互い同じ境遇だという事に、ルディとファルは親近感を持った。そして互いに談笑を交え、長めの朝食を楽しんだ。「あなた達は、これからどうするつもりなの？」「とりあえず裏山に行かないと。露店の爺さんのためにもね。」「その話、詳しく聞かせてくれる？」ルディがそう言うと、さくらは目を少し険しくしてルディ達に問いつめるような口調で聞いてきた。しかしルディとファルの知っていることは限られている。食後に三人は酒場の店員や道行く人をつかまえて、何か知っていないかと聞いてみたが、皆異口同音に言うことは、「分からない」か「近寄らない方がいい」この二つばかりであった。「こうなるとますます、現地に行くしかないな・・・」ルディの意見に、ファルとさくらも賛同した。そして三人は立入禁止の柵をくぐって、町の裏山へとその足を踏み入れた。
	「恐いね・・・何かうす気味悪い・・・」入り込んだ瞬間から、奇妙な大木や草花で太陽の日差しは遮断されていた。「何かがいるかもしれない。気をつけて行こう・・・」ルディ達は不安になりながらも、道を進んで行く。最初は平坦な道だったが進むに連れて上りになっていく。道は湿っていて、うっかりすると転んでしまう。「待ってよールディ～・・・速いよー」ファルにとって初めての山登りだった。それに今日は地面が滑りやすくなっている。時折滑って転びそうになり、冷や汗をかく事もある。「転びたくない。転ぶのが恐い・・・」そればかり考えているせいで、なかなか足が進まない。とにかく彼女は慎重に道を歩いている。だがその時・・・「きゃあああああ・・・・ルディ・・・助けて・・・」なんとファルは転んでしまった。前に一歩足を踏み出した所、湿った草を踏んでしまい転んだのだ。そしてこのまま下に転んでいく・・・途中、道にある石や小枝で皮膚をすりむいたりする。それに体中は泥だらけだ。いったいどこまで転んでいくのだろう・・・今の彼女にはそれしか考えられない。「えっ・・・嘘よ・・・」なんと崖から落ちようとしていた。知らないうちに崖まで転んでいたのだ。「きゃああああ・・・・・ルディーーーーーーー」彼女はとうとう崖から落ちてしまった。そしてそこで、意識が途切れた・・・「ファルーーファルーーどこに行ったんだーー」ルディは必死に彼女の名前を呼ぶ。しかし、返事はない。「ファル・・・そんな・・・」あの時、かつてジオと呼ばれるものと戦った時だった。彼は大切な人をなくしてしまったのだった・・・彼をかばって自らの命を絶ってしまった・・・戦いの事や礼儀にはとても厳しかった。だけど、彼にとってその人のことライラは親以上の人物であった・・・今、また悲劇が起こるのか・・・また、大切な人を失ってしまうのか・・・ルディの心はとても傷んだ・・・「大丈夫ですよ。きっとファルちゃんは生きているわ。」さくらと言う名前の女性が言った。「・・・・・・・。」「僕、探しに行ってきます。」「えっ・・・待ってください。あそこは危険です・・・だから・・・」彼女の言う事を無視して、ルディはファルの落ちた崖へと急いだ。「・・・・・・・ここはどこ・・・・ルディ・・・どこ？」ファルは意識を取り戻した。どうやら生きている。それにベッドの中にいる。誰かが運んでくれたのだろうか。「気がついたか・・・」誰かがいる。ファルは顔をその人物に向けた。吟遊詩人のようで銀の竪琴を持っている。「お前・・・運がいいな。崖から落ちてひどい怪我をしていた。そこで俺が家に連れて帰り一応手当てをした。助からんと思っていたが・・・どうやら助かったみたいだな。」「そうですか・・・ありがとうございます。・・・だめ・・・まだ気分が悪い・・・」「無理をするな。休め・・・その間、私が歌を歌ってやろう・・・この歌う火炎魔神（イフリート）メノルカ様（ドラゴンフォース　トラッドノアの重要武将）の歌が聞けるのだぞ。きっと体調も良くなるぞ。では・・・一曲！！」その瞬間、ここはまさに地獄と化した。今までに聞いた事の無い奇妙な歌が響き渡る。耳をふさいでもその声の大きさは同じままである。ついには耐えきれなくなって、その吟遊詩人に歌をやめてもらおうと頼もうとしたが、その時だった。ついに歌声のせいで気絶してしまった。・・・それから次の日・・・何とかファルの様態は回復した。ルディ達と合流するために、途中までの道を案内してもらう事にする。「ここを上に行くと、頂上へ行ける。」「ありがとう、助かりました。ではあなたもお元気で。」「俺も一緒に行きたいのだが、忙しくてな・・・けど、お見送りの変わりにまた歌を歌おう。新曲・トラッドノア万歳！を披露しよう・・・」またまた奇妙な歌声が聞こえた。ファルは歌声を聞きたくないので、耳をふさぎ一気に道を走っていった。しばらく走ると、歌声は聞こえなくなった。周りは静寂に包まれる。そんな中にいるため、ファルの心は次第に重くなっていった。そんな時、ふと彼女は思った。ルディはどこにいるのだろう・・・それが気がかりだ。もう二度と会えなくなるのだろうか・・・いや、大丈夫。私がここにいる限りルディはどこにも行かない。そう自分に言い聞かせて、足を進めていくのである。「ルディ・・・死なないでね・・・絶対に・・・こんな所で死なないでね・・・一人はいやだよ・・・」