広州の休日

パート3 〜香港編〜


香港・・・イギリスの仕掛けたアヘン戦争というすこぶるヤ○ザじみた戦争により99年間の
租借、1997年に譲渡された部分ともども中国に返還、まあこのへんの説明は割愛します。

広州から香港への行き方は主に二つあります。具体的には
1.広州東駅から直接列車で香港に乗りつける
2.中国−香港の国境がある深センの羅湖(ルオフ)まで列車、そこから陸路で通関
しかし羅湖の通関はメチャクチャ混むので、広州から行く場合前者の方がはるかにオスス
メです。ええ、たとえ香港直行の列車が一時間先まで無くて羅湖行きが二十分後に発車だ
としても(経験者談)



羅湖駅の外観。けっこうキレイな駅です。ただ、中国のお約束で時刻表はアテになりません。



香港直行の電車車内の様子。なお車両には当たり外れがあり、これは当たりな方です。

そして直行列車は紅カン駅という場所へ連れて行ってくれます。初めて香港に行ったのは
05年の四月、マカオよりも先に行ったので電車に乗る前にパスポートを見せて通関をする
というのはなかなか新鮮でした。



紅カン駅の駅ビル外観とタクシーターミナル

しかしまあ、初めての香港はイヤな意味で非常に思い出深い物となりましたさ・・・なぜか
と言いますと(以下参照)

その1:何をしていいのか分からない
広州に行ったばかりのときはビザの関係上30日に一度は国外に出なくてはならず(香港・
マカオでOK)そのためとにかく中国を出る必要がありました。しかし実家にガイドブックを
置き忘れて来たため、どこに何があるのかまるで分からない。仕方ないので駅ビルの本屋
に行き中国語のガイドブックを購入、写真を見て「あ、これ見たことある」的な場所へ行くと
いう方策に・・・なんせ到着後最初の一言が「さ〜て、これからどうしよう」でしたから。

その2:物価がバカ高!!
えっと、中国本土では400元(約6000円)あればそれなりのホテルには泊まれます。自分
もそのノリで財布には1500元程度、さらに「お守り」として日本円二万円を入れて出発しま
した。ホテルの予約はやり方が分からずしていなかったのですが、まあ香港の駅についたら
旅行代理店の出店くらいあるだろうという感覚。んで、目論見どおり代理店が駅にあり、宿を
取ろうとしたら・・・
宿代で1000元消し飛びました
当然「お守り」はその場で香港ドルへと姿を変えることに・・・しかもタクシーとかも値段が全然
本土と違うし・・・

え?単なる調査不足?行き当たりバッタリな自分が悪い?逆恨み?まあ、それはともかく観
光地の紹介へ続きます。



その1:九龍半島と香港島

いわゆる「香港」というのは(他にも島とか色々ありますが)大陸と地続きの九龍半島、そして
海底トンネルを通って行く香港島というのがメインになります。

  
乱暴な説明ですがこんな感じなのが九龍半島で

  
こんな感じなのが香港島になります。雑多な看板でごった返している九龍半島とお台場あたり
と比べても遜色ない香港島、という(いや、香港島もごった返してますが)

  
ちなみにトンネルの入り口とその内部。

細かい観光地とかの紹介文と体験談は次回以降ということで・・・



その2:ビクトリアピークと夜景

「香港で『観光』と言ったら何が思いつく?」という質問に対し「夜景」という言葉が真っ先に
出てくる人は多いと思います。そしてその夜景を見るのに『定番』と言われているのが表題
のビクトリア・ピークと呼ばれる場所です。

ビクトリアピークは香港島にあり、麓から「ピークトラム」と呼ばれる二両編成の路面電車に
乗りものの五分で山頂へつきます(ちなみにこの路面電車、けっこう傾斜が急で怖いです。
どれくらい急かと言うと、普通に自立ができないくらい)。
この山は元々、イギリスから赴任した貴族の避暑地だったそうです。年中気温と湿度の低い
イギリスから、高温多湿の香港はさぞ辛かっただろうなと。

  

頂上にはレストランや土産物屋などが入ったモールがあります。なお、言うまでもないこと
かもしれませんが、センスは中国本土と比べ物になりません。

そしてここには有名な蝋人形館もあり、各界著名人の蝋人形が並べられています。

  

ビートルズやマイケル・ジャクソン



今は亡きアイルトン・セナ(あんまり似てない?)



そして、忘れちゃいけない、シンガポール元首相リー・クアンユー



・・・え?なんでリー・クアンユーが「忘れちゃいけない」かって?実はこのリー元首相の人形、
とある犯罪に使われたことがあるからです。

上の写真を見ても分かるように、場内は撮影が自由です。実際人形に手を触れることもで
きます。ジャッキー・チェンだけ金取りますが(※しかも千円以上)

そこである男がこの人形と一緒に肩を組んで写真を撮り、それを他の人に見せて言いました。

「俺はリー・クアンユーと家族ぐるみの付き合いをしている。」

「だから自分の事業に出資してほしい。」

写真は当然のように合成ではなく本物。しかもリー・クアンユーなら細かい表情を現物と熱
心に見比べようとする人も、たぶんあんまりいません(失礼)。こうして男は日本円で二千万
円近く詐取したそうです(最終的にこの詐欺師は捕まりましたけど)

そして、このビクトリアピークから見下ろした夜景はと言うと・・・

えっと、正直拍子抜けでした。百万ドルの夜景と言うけれど、たぶんドルは1ドル15円の
香港ドル。米ドルじゃ間違ってもないなと。ただしこれは土曜の夜、ビジネス街を見下ろす
夜景として、実力(?)が十分に発揮できないのも無理はありません。

と言うわけで仕事が比較的余裕があったとき(過去形)、金曜日に有給休暇を取って香港を
訪れたときの夜景は・・・

  
少しはいいですかね。ちなみにクリスマス・イブには市の指導でフルライトアップされるとの
こと。ただし、そんなときは人出も異常だろうし、何より、まかり間違ってもそんな場所には
一人旅モードでいたくありません。

さて、そんなビクトリアピーク、帰りも当然、ピークトラムに乗って下山します。このときトラム
に乗ろうとする人が、たとえどんなに長蛇の列だろうと、歩いて降りようなんて思っちゃいけ
ません。

上記金曜有給休暇時ですが、トラムはかなりの列でした。正直ちょっと、うんざりするくらいの。
そこで自分は考えました。「トラムに乗ってる時間は五分くらい、歩いても三十分以内だろう」と。
「たまには歩いて降りるのも、いい話のタネになるだろう」と。実際、話のタネには 必要以上に
なったワケですが。

そのときはそんなことは予想だにせず、足取りも軽く歩き始めたのですが歩道がほとんどない。
街灯も少ない。たまに通る車のライトに煽られ左へ右へ。道はどんどん、トラム横から外れて
いきます。

そしてフラフラと歩き続けた行き先は、街灯ゼロで人通りもゼロ、ひたすら暗い、森の坂道、正
直ここで消されて埋められたら、年単位で発見されない自信があります。ええ、カメラで一枚な
んて気持ち、起きようもありません。少し走ればその先に明かりがあると信じて、目の前の坂を
全力で駆け出しました。そしてその結果・・・足が止まらなくなりました

予想以上に急な坂道に運動靴じゃない普通の靴、それに何より日頃の運動不足が重なり、勢
いのついた足は本人が止まれと言っても止まりません。スピードはどんどん上がり上半身と下
半身のバランスも崩れてきます。豪快に転びでもすれば動きは止まるのでしょうが、それは痛
いので却下です。「コケる!?」「それはイヤ!」「じゃあどうする!?」と頭の中で自問自答。

結果、足は動いたまま上半身だけ横のガードレールに手を伸ばし、掴む。勢いがついているの
で一回では止まらない(手が離れる)けどスピードは落ちる、また掴む、また手が離れる、それを
数回繰り返しているうちに、やっと足は止まりました。ただし右ひざを思い切り痛め、しばらくの間
マトモに歩けない状態が続きましたが。

あとから聞いたら、その道はかなり本格的なトレッキングコースだったらしいです。麓に行き着く
ことなく、スタート地点から真横にキロ単位でズレた場所で、さながら天の助けのように通りかか
ったタクシーを拾い、一路ホテルへと戻りました。

皆様くれぐれも、真似をしないよう・・・



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