深遠なる闇を倒して数年後のこと、ゼランでは通常どおりに
フォーレンとフレナが惑星コントロールを行っていた。最も
現在はフレナが実務を担当しフォーレンはその監督とより快適な
環境維持を提供するプログラムの設計を担当していた。
メインルームのオートドアが開いた。
「マスター、失礼します。ご相談が」
「はい、フレナ。何か？」
「ええ、まずはこのデータを・・・」
フレナは自分のデータをメインモニターへと表示させた。
「これは、ここ１年のデゾリスの気温のデータです。」
データは明らかに正常値を超えた低温を示していた。
「確か、デゾリスはガルベルグの異変以後気温は正常化し、
更に最後の戦いの後、現行のシステムで
完全に制御できるものとなりましたが・・・・？」
「はい、それが、制御出来ないのです。私も環境制御システムを
適用し、気温の上昇に対策を打ったのですが、効果がないのです」
「惑星軌道については調べてみましたか」
「もちろんですわ、マスター。アルゴルからの距離も異常なし、
ですから太陽熱の低下が原因ではないと思われます。」
「生態系の変化はどうですか」
「人口の増減もなければ、異常生物の存在は認められませんでした。
また、植物に関しても低温化現象が起きる前は異常がありませんでした。
現在では極低温に弱い動植物、作物に減少傾向が起きています。」
「なるほど・・・自然的な要素では解明出来ない事態ということですね。
とすると、仮定としては、人為的なものが考えられます。」
「闇の勢力は滅んだはずですのに・・・・しかし、人為的原因以外
考えられませんわね。私もそれを思って、マスターにご報告したのです。」
「人為的とすれば、気象の異常は局地的に偏りが見られるはずです。
地域を絞ってリサーチしてみてください。私もこの対策を最優先としましょう。
貴女のリサーチ結果を再度チェックします。」
「はい、マスター。直ちにリサーチ再開します。」