時の交差パロディ小説

最終奥義！（バージョン１.０３）

（あらすじ）ダークファルスにアリスを殺された怒りで、ついにアレンはメギドを発動させた。
その一撃で形成は一気に逆転し、アレンはダークファルスを追い詰める。
しかし、アレン達がいる建物は二発目のメギドの衝撃には耐えられそうになく、
その事がアレンを迷わせる。しかしそんなアレンの手のひらに、もう一つの手が
そっと重ねられた。それは、アリスの手だった。死んだと思っていたアリスは、
ライアペンダントに守られその一命を取り留めていたのだ・・・

そしてアリスはアレンに言った。「みんなのために頑張ってきたアレンの放つ
メギドが、仲間を苦しめたりはしない」と・・・
------------------------------------------------------------------------ --------
アリスの言葉に、理論から来る説得力は無かった。少なくとも理で考えるのなら
ダークファルスの言葉の方がよほど説得力がある。でも、何故かアレンにはアリ
スのその言葉が自分に安心感を与えてくれるような気がした。しかし、それでも
まだアレンはメギドが撃てない。そして怖々とした口調でアリスに言った。
「・・・もし、ダメだったら・・・？みんなを、巻き込んじゃったら・・・？」

アレンがそう言うと、アリスはしばらく考え、そしてアレンの方を向き口を開いた。
「そうね・・・その時は・・・悪いけど・・・。」
「アリス・・・最後まで言ってくれ。」
アレンは目を閉じ、深く、静かに深呼吸をする。そして目を開けると、アリスの
顔を見て、少しだけ微笑んでみせた。
「・・・アリス？聞いてる？」
「アレン・・・言わせないで・・。」
アリスはそう言うともう一歩アレンの方に近づき、アレンと肩をあわせる。そし
て左手は突き出したアレンの右手と重ねたまま、残る右手でアレンの左手を強く
握りしめる。
ミシッと変な音がアレンの左手から聞こえた。
そしてアレンの左手も、アリスの右手を強く握り返した。

「なあアリス・・・」
手を握ったままの体勢でアレンが口を開いた。
「なに？」
「オレ・・・オレ・・・・・・手の骨が砕けそうだよ。」

痛みからか、アリスと視線を合わせる事もできず、顔を真っ赤にしながらアレン
は言った。アリスはそんなアレンの言葉に頬を赤らめ、しかし先のアレン同様に
視線を逸らしながらアレンに言った。
「私は大丈夫よ？」
と・・・

「アリス・・・」
「アレン・・・」
肩をぴったりとくっつけながら、今度は互いをきちんと見つめ合い言葉をかけ
ようとした。しかし、何かを言おうとしてもそこから先が続かない。と、そんな
二人の間に割って入るかのようなダミ声が周囲に響きわたった。

「おぃー・・・。」

さっきからのアレンとアリスのやりとりを忌々しげに見ていたダークファルスは
目に涙を浮かべながら言うと全身から何本もの黒い波動の光線をアレン達目がけ
て発射する。それは、邪気は邪気なのだがさっきまでの「人々の負の念の集合体
」とは全く異質な、ある種の生々しさや個人的な怒りを強～くを含んだ、えも言
われぬ悲しみのある邪気であった。

「我は孤高なる魔王！たとえ一人で３０００年生き抜こうが寂しくなんか！・・
・・・寂しく・・・なんかっ！！」
半ベソを掻きながらダークファルスはアレン達に怒濤の攻撃を続ける。しかしそ
れは全て何物かによって遮られるかのようにして消え失せ、一発も二人の所に届
かなかった。

「だーちゃんって友達いないとか？」
「うるさい！！！！！」
完全に二人の世界に突入し、さっきまでのダーちゃんの一人相撲なんぞ全く気が
ついてもいなかったアレンとアリスがおよそ三十分にわたるダーちゃんの全身全
霊の攻撃に、偶然、そしてようやく気がついて心底意外そうにそう言うとダーク
ファルスはいよいよ本格的に落ち込みモードへと突入する。そんなダーちゃんに
アレンとアリスは容赦なくトドメを刺しにかかった。

アレン「友達いないからってひがむな！」

ダーちゃん「ひ、ひがんでなんか！！！」

アレン「だからって世界を滅ぼすなよ。」
アリス「ますます友達できなくなるわよ？」

ダーちゃん「ちょっと待て！いくらなんでも酷くないか！？」

アレン「これだから魔王ってやつはよー・・・。」

ダーちゃん「やめろー！！！言わないでくれー！！！」

アリス「部下はいても・・・。」
アレン「仲間とか友達はいないんだよな。」

ダーちゃん「き、聞いちゃいねぇ・・・（T＿T）」

アレン・アリス「さようなら”えせ”魔王。」

・・・こうして、ダークファルスは（心身ともに）灰になった・・・

完

パロディ編のトップに戻る

オンライン小説のコーナーに戻る

トップページに戻る