ＰＳ・マグナ・ドゥヘル 外伝I
後編 帰還
これは、ホークとジェイドが出会う時の話である・・・。
−前回のあらずじ
謎の依頼人に連れられてとある場所へ来たホーク達。そこに突然現われた謎の機械兵”ジナグル”の攻
撃を受けてホークはあっけなく気を失ったのだった・・・。
「ちょっと待て・・・それは確かにあらすじだ・・・・が、今回の話とは関係無いだろうそれは。しか
も大体３話頃のあらすじじゃないか？なんで、今更そんな二ヶ月程前の話を蒸し返されてもなぁ・・・
とにかくこれは『外伝』でその話が始まる数年前の話だから、まったく関係ないんだよ。」
「一体誰と話をしているんだい？」
「いや、なんでもないんだ・・・・・・。」
という訳で、隕石から脱出すべく現状を把握すべく武器と道具の残りをチェックしはじめた。ホークの
持ち物は武器が剣とナイフのみ。道具類は全て前回の戦闘で破壊されたらしかった。カイナスの方は、
回復系の道具が何個か。それと、斧が２つとナイフが１０本、あとスライサーを持っていた。ジェイド
にいたっては特に何も持ち合わせてはいなかったが武装はフレアショットが４発くらいとリペアキット
が５個それと格闘のみだった。このフレアショットはカイナスがジェイドの型なら必ずこういうのがあ
るはずだとかで調べたら本当にあったのでそれを使うことにした。リペアキットはその辺に落ちていた
のを拾った。
「さて、みんな準備はいいか？」
ホークがみんなに声をかけた。それぞれ「ＯＫだ」という合図を送り部屋をでた。部屋を出てから数分
もしないうちに敵に発見されて戦闘となった。相手はたいして強いわけではないのだが”ジェイド”と
いうお荷物のせいで苦戦することになったが、ジェイドに攻撃されてもほぼノーダメージということで
気にしないで戦えると気づいたと同時に「いざと言う時の壁」にされてしまった。防御の際はジェイド
の後ろへ逃げようということになったのだ。当然ジェイドが攻撃を受ける回数が増えていき流石にボロ
ボロになってきた時にようやくジェイドが怒った。
「お前達いい加減にしろ！俺を盾にするんじゃねぇ！」
「・・・機械なのに怒るのか。」
「貴様・・・！」
ジェイドとカイナスが喧嘩腰になっていく。それに気づいたホークがとりあえず形だけでも止めておこ
うという行動は見せたが本気でとめる気はないようだった。結果はジェイドの惨敗ということにで終了
した。ジェイドの武器の無さが敗因となったらしい。このときジェイドはふと”ある計画”を思いつい
た。その次の戦闘でジェイドはおとなしく盾の役をやっていた。そして、戦闘が終了したときジェイド
は計画を実行することにした。倒した機械兵に近づいてその側にしゃがんだ。
「悪いけど、向こうむいていてくれ。」
ホーク達にはジェイドが何をやりたいのか全然わからなかったが、ジェイドはカイナスの強制的に首を
１８０度曲げたのを見てホークもおとなしく後ろを向くことにした。後ろからはなにやら金属音が聞こ
えていてホークは非常に気になっていた。
「気になるのか？」
突然カイナスが話し掛けてきた。首が１８０度回転したままで・・・。
「器用だな・・・。」
「何がだ？」
「いや、ジェイドがさ。よく首を曲げれたなーって。」
「・・・・・それは、どういう意味だい？」
「モタビアンに首あったんだって事・・・・・・・。」
言ってホークは後悔した。当然カイナスは怒りホークに攻撃しようとするが思うように動けないらしく
もがいているだけのようだった。ホークも攻撃をかわそうと動いた。そのときついでに後ろを見てみる
と沢山の金属片とジェイドが座っていた。機械兵の姿は何処にも見当たらない。
「ジェイド・・・お前、何やってんだよ。」
「何って・・・使えそうなパーツを俺の体に組み込んで・・・って・・・。」
ジェイドは慌てて振り返るとホークが以外と近くでジェイドの行為を見ていた。最初ホークは何をして
いるのかよくわからなかったが、しばらくしてようやく気がついた。つまりジェイドは追いはぎをして
いた。
「ジェイド・・・そういうのはやめろよ・・・。」
「だから、後ろ向いてろっていったんだ！」
「で、収穫は？」
いつのまにか首を元に戻したカイナスも近くにきていた。ジェイドはもはやこれ以上隠す意味も無いと
察知して素直に収穫を報告することにした。まず、”ハンドキャノン”を始めとするいろいろな武器を
手に入れたらしかった。そのおかげで前線に出て戦うことが可能となったことがうれしいのか敵に接近
しているカイナスごとふっ飛ばそうとしてハンドキャノンを連射したりしていた。ハンドキャノンの弾
はどこから入手しているのかというと倒した敵から奪いつづけていた。そのたびにホークに止められて
いるけど気にしない様子で繰り返し取っていった。
出口も近くまでやってきた時のこと。また妙な雰囲気が漂っていた。
「こ・・・この感じは！！」
「さっき倒したはずなのに！？」
上からデスアーマーと呼ばれた機械兵が歩いてきた。だが、そのデスアーマーは無傷で前に戦ったやつ
とは別物と考えたほうがよさそうだった。ジェイドがハンドキャノンで腕を撃ちぬいた。結構もろいら
しい。二人はジェイドの攻撃の巻き添えを受けたくないのでデスアーマーに近づかないようにした。
「なんだ、結構弱いじゃないか。」
ジェイドが余裕を見せたときにデスアーマーがジェイドに攻撃した。アサルトライフルの連打で腕を破
壊され苦しそうにしはじめるジェイド。それを見て急いでジェイドの後ろに避難するホークとカイナス
素直に壁として使われるのが嫌になったらしくジェイドも動いた。結果、二人ともデスアーマーの攻撃
を受けてしまった。カイナスはまだ鎧のおかげで平気そうだが、ホークはすでにやばい状態になってい
た。カイナスが近くへと行きディメイトをとりだし使用した。とりあえず、それで死ぬ危険性が無くな
ったのでホークをそのまま捨てて攻撃に移ることにした。両手に斧を構えて振りかぶった。完全に間合
い外なのだがカイナスは気にしていなかった。
「必殺！ダブルトマホゥーク・ブゥーメラン！！！」
カイナスの投げた斧はブーメランのように回転してデスアーマーのもう片方の腕と足を切り裂き戻って
くるついでにジェイドにかすってカイナスはブーメランをかわした。当然ブーメランは後ろへ飛んでい
きホークの側に突き刺さった。
「こ・・・殺すきか！！！」
「いや、すまない。まだ受け止められないんだ。」
「だったらやるなー！！！」
カイナスはホークとジェイドに責められながらも斧を回収した。そのおかげでジェイドとカイナスはさ
らに険悪になり、まさに一触即発という状態だった。ホークは出来る限り二人を刺激しないようにしな
がら後方数メートルの所を歩いていた。しばらく通路を歩いていると前方から爆発が起こった。ホーク
はついに始めたかと思ったが、敵に攻撃されただけのようだった。先程の爆発でジェイドの左腕が後方
に飛んできた。どうやら取れたらしい。ホークは左腕を回収して戦闘に参加するために飛び込んでいっ
た。
敵は予想通りに簡単に片付いた。ジェイドは左腕を修理すべくリペアキット（奪った奴）を取り出して
ホークから左腕を受け取り、修理をはじめた。取れた左腕と予備のパーツをつなぎ合わせるが、右手一
つではやりずらいらしく苦戦していた。それをみてホークが「俺がやってやる。それくらいなら俺にも
出来る。」と言ったのでジェイドは素直にホークの好意に甘えることにした。
「おい・・・ホーク。お前、ひょっとして適当にやってないか？」
「え？駄目なのか？」
「あたりまえだ！」
半分以上適当に修理されていて修理しなおすためには一度腕を取る必要があった。カイナスが名案があ
るとホークに耳打ちするとホークはジェイドの体を倒して押さえつけた。そしてカイナスがジェイドの
左腕を踏んで斧を高々と振り上げた。
「おい、何をやる気だ！ちょっと待てお前ら！！！」
当然無視して斧を振り下ろすカイナス。腕は見事に切断されてジェイドの悲鳴があたりに響き渡った。
機械兵なのに痛みを感じるのは、軽傷でも損壊に気づかせるために・・・人の痛みを知るための痛覚だ
というらしいが、今のジェイドにとってこの痛覚はとても邪魔なものだと感じさせた。今度はカイナス
がジェイドの左腕の修理をやりはじめた。最初ジェイドは嫌がっていたのだがその手際のよさにおとな
しく修理されいた。
「なぁ、カイナス。お前ずいぶんと慣れてないか？」
「そうか？気のせいじゃないのか？」
カイナスはまともに答える気はないようだった。だが、ホークもジェイドもあまり気にはしていなかっ
た。そして、この後はなんの面白みも無く出口にたどり着いた。
「日の光が懐かしい・・・。」
「夜だけどな。」
どうやら、隕石に入っている間に一日くらいたったらしかった。ホークは昼間だと思いこみ出たと同時
に言った台詞に対してカイナスが間を置かずに突っ込みをいれた。ジェイドには二人が何をいっている
のかよくわかっていないようだったが、何かやったらしいというのはわかった。
「じゃぁ、目的も果たせたし・・・これでお別れだな。」
「こいつはどうするんだ？」
「お前がなんとかしろ。」
こいつとは勿論ジェイドのことでカイナスはホークにジェイドを押し付けるようにして渡すとその場を
立ち去った。ホーク達は一度アイードの宿屋へと戻ることにした。戻る間に、ホークはジェイドからい
ろいろな質問をうけることになった。ジェイドは見るもの全てがなんなのかよくわからないので、その
片っ端からホークに尋ねまくっていた。ホークはまず、ジェイドに物を教えることから始めることにし
帰還した。アイードの宿屋にあるいつもの部屋で、ホークはどうしても気になる事があった。
「これは・・・完全シリアスじゃなかったのか・・・。」
「いや、俺に聞かれても・・・。」
「前編はあんなにシリアスだったのに・・・。」
「そうか？」
「なんで、こんなにギャグが多いんだ！」
「あきらめろ。」
後に、ジェイドが冗談を言えるようになったのは”ギャグキャラ”ホークの影響であったのは言うまで
も無い。
「俺はギャグキャラじゃねぇぇぇーーー！！！」
−−−やはり、マグナ・ドゥヘルがあったね。でも、ちょっと問題があったけど・・・多分リーダーも
許してくれるだろう・・・。これで、残りのマグナ・ドゥヘルはあと６体。各地にちった連中も何個か
見つけたかな。それにしても一人で機械兵と戦うのは大変だったなぁ・・・ほーくとかいったかな・・
・・？あいつが居なかったらあの”です・あーまー”に倒されていただろうな。やっぱりあと二人くら
い居てくれてもよかったな。人手不足だからってリーダーもおいら一人にさせるなんてねぇ・・・・。
大変だったよ・・・まったく。あ、でも目的はマグナ・ドゥヘルの入手だったっけ。・・・まぁ、いい
や。このことはもう忘れよう。
カイナスは一人平原を歩きながらこの事ばかりを考えつづけていた。これからどうしようかと思いつつ
バイオ・モンスターと戦闘にはいった。
完
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