マグナ・ドゥヘル番外編
学園都市ナーグカント 後編
ピアタの南に新しく町ができた。
その名はナーグカント・・・ほとんどが研究施設と学園等で構成された町である。
ここは、まだ出来たばかりだというのに、なぜか所々が廃虚となり大爆発でもあった
かのようになっていた。
その中でも最も被害が大きいのが、ファルクという名の集団だった。
ガークセィンという科学者はファルクに宣戦布告をしてファルクを潰す力がある秘密
兵器があると伝えた。
その新兵器とは、ガークセィンがファルクと戦う為に一人の少年・・・ナログドを機
械兵へと改造しファルクと戦わせようとするが少年は戦う事を拒んだため、ガークセ
ィンは無理矢理戦わせようとしてファルクに少年の特徴を教え戦わせようとした。
その特徴とは・・・体が機械でできていて、名をアルガイドという機械兵・・・と。
これは、ナーグカントがアルガイドとライガスト、ファルクの激しい戦いによって滅
んでいく記録である。
このナーグカントにアイードのハンターが一人来ていた。
前回に起きた謎の爆発事故の調査のために・・・。
ファルクが起こしたにしては、ファルク自身にも被害が大きすぎるので妙だと思った
市長がアイードのハンターに調査を依頼したのだった。
それで、アイードからやってきたハンターは妙に大きめのローブの身につけて大きい
帽子で顔を隠すかのようにしていた。
「あ・・・あんたが、アイードからやってきたハンターなのかい？」
市長がハンターに脅えたような口調で話し掛けた。
ローブも帽子も黒で統一されていて、死神を連想させるような雰囲気を持っているの
だから仕方の無い事だが・・・。
といっても、大鎌をもっているという訳ではない・・・雰囲気だけが・・・である。
それは、なぜ『このような格好をしているのか』聞くべきではないという事を思わせ
るには十分だった。
「あぁ・・・そうだ。」
ハンターはゆっくりと落ち着いた口調で答えた。
「さ・・・早速・・・ちょ、調査にいい行ってもらおうか。」
市長は目の前のハンターに気を飲まれまいとして技と強気に出るがそれが裏目にでて
しまった。
だが、ハンター・・・ジェイドは気に止める事もなく調査のために町へと向かった。
アルガイドは、なぜ自分がナーグカントで襲われたのかを考えていた。
ナーグカントは始めて行ったばかりの町なのに恨みをかう覚えが無いからだ。
いくら考えても解らないので、襲われた原因を突き止めようと思い再びナーグカント
へ向かう事にした。
「ガーラン、もう一度ナーグカントへ行くぞ。」
アルガイドは相棒のガーランに声をかけると同時に部屋を出ていった。
「・・・・・アルガイドか？今、何時だとと思ってるんだよ・・・。」
ガーランは眠いのを堪えてアルガイドの後を追いナーグカントを目指した。
「あぁ〜、妙に気疲れするな・・・。」
市長邸から出てきたジェイドは、疲れたように項垂れて歩いていた。
とりあえず、実際に爆発のあった場所へとやってきたジェイドは瓦礫の中に何かがあ
るのを発見したらしく、瓦礫を退かしはじめた。
すると瓦礫の中から少年の様な機械兵が姿を現した。
ジェイドはローブから腕を出し少年を抱きかかえてみた。
「おい・・・大丈夫か？」
「うーん。」
少年は気がついて、目の前のジェイドの腕を見て驚いた。
「き機械、兵？」
「なんだ『ききかい、へい』って・・・。それはともかくお前も機械兵だろうが。」
どうやら少年は自分が機械兵という事を認めたくないらしい・・・。
きっと何か色々とあったのだろう・・・。
「とりあえず、無事みたいだな。」
「ここに居たか少年！」
突然声をかけられて、少年は少し驚いたようだったが声の主を見てさらに驚いた。
声の主は、この少年の知り合いらしい・・・。
「どうもお騒がせしました。」
そう言うと、少年の知り合いらしき青年は少年を連れ去ってしまった。
「・・・・・って、機械兵の少年だと！？マグナ・ドゥヘルでも無いのに完全な機械
兵で自我があると言うのか！」
ジェイドはそう叫ぶと少年達の後を追い走りだした。
アルガイド達は再びナーグカントへやってきていた。
そしてナーグカントに入ると同時にファルクに襲われたので応戦した。
前のように広範囲に被害が及ぶテクニックは避け、肉弾戦のみで戦う事にした。
だが、ガーランとアルガイドは白兵戦は弱いので”つい”テクニックを使ってしまう
事になる。
「よせ！アルガイド！」
アルガイドがテクニックを使おうとするとガーランが止めに入った。
「なぜだ！ガーラン！このままでは負けるぞ！」
「テクニックは止めろ！この前の二の舞いになるぞ！」
納得したアルガイドはテクニックを使う事を止めて右腕に仕込まれている砲を出して
弾を放った。
弾は炸裂し辺りに炎を弾の破片を撒き散らす。
「アルガイドぉー！！！！」
どうやら接近戦をしていたガーランを巻き込んだらしいが、アルガイドは気に止める
ようすもなくテクニック”レスタ”をガーランに１度だけ使用し傷を癒した。
「全然直ってないんだけどさ・・・。」
しかし、まだ起こっているガーランにアルガイドはペロリーメイトを差し出した。
説明しよう・・・ペロリーメイトとは昔懐かしの食べ物で１個あたり３０メセタで手
に入る回復アイテムなのである！！！
但し、回復量は値段を見ての通り。
ガーランはペロリーメイトを食べて血だらけになっている体を引きづりながらアルガ
イドの後ろを歩いていた。
「殺してやる・・・。」
突然ガーランがとても小さな声で、そう呟いた。
そしてガーランは剣を抜きアルガイドに向かって切りかかった。
「ラグランツ！」
いち早く気がついたアルガイドは振り向き様に放った”ラグランツ”・・・光の矢で
ガーランの体を射抜いた。
「ぎは！？」
ガーランは一瞬だけ苦しんだが、すぐに元に戻った。
・・・傷も完全に癒えている。
「すまん、ガーラン・・・生殺しでは無く完全に殺しておけばよかったんだな。」
「おのれぇぇぇぇ！！！殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる・・・。」
ガーランは壊れたレコードの様に『殺しやる』を連呼しながらアルガイドへ襲い掛か
ってくる。
だが、アルガイドは清々しい笑顔でガーランをメギドの炎で焼き払った。
このガーランという男は、たまに無性に生きた人間を生で食べたくなるという事が昔
から結構あったらしい。
・・・というのは冗談なので信用しないように。
「俺の台詞の『殺してやる・・・。』って所からは冗談だぞ。」
「冗談でやるような事じゃねぇな・・・。」
「まぁな・・・。」
などと言いながらアルガイド達は町の中を散策し続けた。
ガークセィンはようやく自分の秘密兵器を取り戻す事が出来たので喜んでいた。
「・・・とりあえず、お互い名前も知らないしな・・・自己紹介をしておこう。俺は
（自称）世界最高の科学者ガークセィンだ！」
「僕はナログド。自称科学者のガークセィン・・・さん。」
「・・・・・自称科学者では無い！！！」
ガークセィンはとりあえず、話を先に進めた。
このままではいつまで経っても会話が終わりそうに無かったからだ。
ナログドにファルクと戦うように３時間くらいは説得を続けてみた。
だが、ナログドはまだファルクと戦う気が無いらしいのでガークセィンは最終手段を
使う事にした。
・・・そう、ナログドの体の中に爆弾を仕掛けたのだ。
「その爆弾は３日後に自動的に爆発するし起爆装置でも爆発するぞ！そして起爆装置
は俺が持っている！！さぁ、ファルクと戦いに行くのだ！」
「えー。」
「いいから行け！」
ガークセィンはナログドを追い出してから気がついた事があった。
「・・・あいつ、ファルクのアジトの場所・・・知ってるのかな？」
そう思うと３日間ファルクのアジトを探しさまよい続けて爆発・・・何てことも考え
られる・・・。
とは言え、ガークセィンもファルクのアジトは知らないので教えてやる事も出来ない
のだった。
「しまった！？あいつは最終兵器なんだぞ！！こんな下らない事で失うわけには！」
そう言うとガークセィンはナログドの後を追い走り出した。
一人、少年を捜し走り回っているジェイドはふと視界に見知った顔がある事に気がつ
いた。
・・・が、あえて無視して走り去る事にした。
「今はそれどころじゃないしな・・・。」
だが・・・。
「おーい！ジェイドじゃないかー！」
「くっ！？なんで解ったんだ！！！」
一応ジェイドは、まだ全身を隠すかのような格好をしている。
「この暑いのにそんな格好で歩き回るのはジェイドくらいだろ？」
アルガイドは、そんな事も解らないのかという口調で答えた。
「・・・そんなに暑いか？俺は機械兵だが”暑い”とか”寒い”とかも感じるように
出来ているんだぞ？」
「そうなのか・・・って、お前冷却装置フル稼動してるじゃねぇか！」
「・・・え？あぁっ！！！」
ジェイドは無意識のうちに冷却装置を使い体の温度を下げていたのだった。
だから風も無いというのにジェイドの身につけているローブは常に揺れていた。
「なぁ、なんでこんな所にいるんだ？それと、一人なのか？」
アルガイドはジェイドにそんな事を聞いたがジェイドは「なぜここに居るかは言えな
いが、一人で来ている。」とだけ答えた。
アルガイドはジェイドがハンターの仕事でここに来ているという事を察知した。
「アルガイドにジェイド・・・立ち話もなんだから、そこの店に入ろうぜ？」
と言ってガーランが一件の食堂を指差した。
時刻は丁度昼時だったのでアルガイドは賛成しジェイドを引っ張って食堂へ入ってい
った。
そこでは、アルガイドがカレーライスを頼みガーランが日替わり定食を、そしてジェ
イドは・・・なぜかコーヒーを頼んでいた。
少ししてガーランの前に料理が運ばれてきたので食べはじめた。
そしてジェイドの前には琥珀色の液体の入ったコップが置かれていたがジェイドは触
ろうともしなかった。
「なぁ、ジェイド。なんで物を頼んだ？お前、飲み食いできないんじゃ・・・。」
「あぁ、出来ない・・・・・・・・・一度・・・・頼んでみたかったんだ。」
ジェイドは恥ずかしそうに言った。
最後にアルガイドの前にカレーライスが運ばれてきた。
「おぉ！？このカレーは！」
アルガイドはカレーライスを見て突然そんな事をいいただした。
「・・・何ぃ！アルガイド、またか！！！」
「またって？」
「いつもの発作だ！カレーを見るとなぜかこうなるんだ・・・。」
ガーランの話ではアルガイドがカレーライスを食べようとすると必ず性格が変わるら
しい・・・。
「ご飯が７に対しカレーが３！これぞ理想的の配分なり！そして食べ終わるころには
なぜか、カレーが半分以上あまっているのがプロの食べかただ！」
「なんだよプロって・・・。」
ガーランの突っ込みに対しアルガイドは親指を立てて自分を指した。
これは「俺みたいな奴の事だ！」という意味が含まれている。
「そして、この福神漬け！これがカレーにとっての最高のお供だ！これなしにカレー
は食えないぜ！」
「この前、無しでも食べてたよな・・・。」
だが、このガーランの突っ込みに対してアルガイドはあえて無視したが焦りを隠せそ
うには無かったので一度深呼吸をしてから続けた。
「たまに福神漬けが嫌いって奴が居るが・・・そんな奴等には、カレーを語る資格な
ど無い！！！」
「誰がカレーを語るんだ！誰が！」
「そうだな・・・普通は”食べる資格”じゃないのか？」
「そして・・・もう一つのお供は、牛乳だ！牛乳はカレーの中にある甘みの成分を引
き立てると同時に辛さを倍増させ旨味を４０％（アルガイド比）も上昇させてくれる
のだ！だが・・・辛いのが苦手な奴は牛乳とカレーを一緒に食べようとはしない。」
「いや、普通カレー食うときに牛乳を飲む奴は居ないと思うが・・・。」
「そこでお茶の登場となる！」
「なんでお茶なんだ？」
だが、その問いに答えたのはアルガイドではなくジェイドだった。
「いや、お茶の中にある成分・・・”カテキン”とか言ったか・・・それが舌の感覚
を麻痺させて辛さを感じなくさせるらしいんだ。後、カテキンは”ガン”を抑制する
作用もあるらしいぞ？一日一度はお茶を飲んどけよ・・・ってホークが言ってた気が
するな・・・。」
ホークとは、ジェイドの相棒をやっているハンターなのだが今回は都合により登場し
ない。
「ジェ・・・ジェイド。詳しいな・・・。」
アルガイドも驚いた様子でジェイドを見ていた。
「いや、ホークがそんな事を言っていたからな・・・お茶は１番煎じより、２番煎じ
の方が美味いとかなんとか・・・。」
この時点でアルガイドは、すでにジェイドを無視していた。
「そして、カレーはいずれ世界を征服する食べ物となるだろう！！！人間である以上
一度はカレーを食べた事があるはずだ！！！そして食べた者は必ずしもカレーの虜と
なるに違いあるまい！！！」
「・・・そろそろ止めた方がいいか。」
「そうだな・・・周囲の目が痛くなってきた・・・。」
ジェイドの言う通り周りの人間はすべてアルガイドに注目していた。
というのも、アルガイドは大きな声で演説をするかのように喋っているからだ。
「さらに！！！！！カレーを用いた食べ物で欠かせないものがカレーパンだ！なんせ
３種の神器の一つとまで言われている程の美味さは伊達じゃない！」
「さ・・・・３種の神器？初めて聞いた・・・。」
「そんなのがあるのか・・・。」
ガーランもアルガイドがここまでスパークしているのを見たことが無かったのでもう
少しだけ続けさせてみようかと思い、黙っている事にした。
「そう・・・これは余談だが以前、俺は腹を空かして倒れそうだった時にちょっとし
た店屋・・・”こんびに”に入っていったんだ。」
「せ・・・世界観が違うぞ！アルガイド！！！」
「そ、それはちょっと・・・。」
だが、アルガイドは２人の言葉など聞いてはいなかった。
「そこで、俺は何を買おうかと迷い・・・パンが置いてあるコーナーへ行ったんだ。
そう！カレーパンを買うために！そこにはカレーパンが１つだけあったんだ・・・・
さすがカレーパンだぜ・・・他のパンとは売れ行きが違うな・・・などと思って視線
を動かすと・・・そこには《ビーフカレーパン》というものがあった！俺は、これは
まさに運命的な出会いを感じて高鳴る鼓動を押さえつつ、この《ビーフカーレパン》
を買ったんだ・・・そして、いざ食いはじめた時だった・・・。アレが起こったのは
・・・。」
「アレ？」
「腹痛か？」
「違う！そんなんじゃねぇ！！！そんなんだったらどれくらい良かったか・・・・。
俺はさっき《ビーフカレーパン》と言ったよな？だがな、コレには肝心の《ビーフ》
が入ってなかったんだよぉぉぉぉぉぉぉぉ！！！！！」
それまで黙って居たギャラリー達から「それはきついな。」とか「酷い！酷すぎるぜ
！」とか「早く書きおわらせて次書こうかな？」とか声が聞こえてきた。
「俺は余りの悲しさに涙したさ・・・周りの目を気にすることなく泣いたよ・・。」
気がつくとガーランは無言でアルガイドの肩を叩いていた。
ただ・・・ジェイドにはこれらの反応全てが理解できなかった。
「俺には理解できん・・・これが人間と機械兵の差なのか。」
ジェイドが一人で別の悲しみに浸っている事も気がつかずにアルガイドは話を続けた
始めた。
「話がそれたが・・・似た物で”ハヤシライス”ってのがあるだろ？あれは駄目だな
ってか、食べ物として認められないな。あれは、カレーのフリをして民衆を惑わそう
としている某国の陰謀に違いあるまい！」
と、ここでジェイドがアルガイドを止めるべく動いた。
「一撃昏倒！ハリセーンブレード！！！」
ジェイドがそう叫ぶと同時に右腕の中から板のような物がでてきて、それをジェイド
が持ち振ると開いて扇のような形になった。
ジェイドはその”ハリセン”でアルガイドの後頭部に一撃いれるとアルガイドは昏倒
して倒れた。
「ジェイド・・・そのハリセン・・・なんだ？」
「あぁ、これか？前にホークが壊れた事あっただろ？あれ以来、俺はハリセンを装備
したんだ。」
最後に彼らは「お騒がせしました。」と言ってアルガイドを担いで店を出て行った。
その時店に居た客は皆アルガイドに拍手をしていたのだった・・・いつまでも・・・
いつまでも、その拍手は鳴り止む事は無かったそうだ・・・。
完
「待て！まだ終わってないぞ！」
自分でも良く分からない事を口走っていたガークセィンは一人、ナログドの後を追っ
て数時間がたっていた。
ガークセィンはとある飯屋の前を走り去る時に盛大な拍手を聞いた。
「・・・一体なんの為の拍手なんだ？」
ガークセィンには、その拍手の意味が分からなかったがとりあえず手を振ってみた。
だが、自分に向けられたのもでは無かったので無視されてしまいとても悲しい気持ち
になっていた。
そんな時にナログドを発見した。
そこでしばらく話し合いの結果適当に探し続けるという事になった。
別の所でアルガイド達はファルクに襲われていた。
「また出てきたのか！」
「一気にかたづけるか・・・。」
「だな・・・ラサフォイエ！」
前回も使ったが、このテクニックはアルガイドのオリジナルのテクニックで辺りに火
炎と爆風を大量に撒き散らすという代物で町の中で撃つようなテクニックでは無い。
当然、建物の耐久度は爆炎に絶えられず倒壊しはじめる。
「崩れるぞぉ！」
叫ぶジェイドに反応するかのように逃げ出す町の住人達。
そんな事をしばらく繰り返しているうちに町のほとんどは崩壊してしまい、最後に残
った建物がファルクのアジトらしかった。
アルガイド達が、その建物の付近を歩いていると機械兵と一人の男がその建物に入っ
て行った。
ジェイドはその機械兵を見て思わず後を追って走りだしていた。
その機械兵がなぜ自我を持っているのか・・・興味があったからだ。
そして、走り出すジェイドの後を追って走り出したのがアルガイド達だった。
「おい、どうしたんだよジェイド。」
「いや、気になる事があって・・・な。」
ガークセィン達は恐らくファルクのアジトと思われる建物の前に立っていた。
「俺は戦闘員じゃ無いからナログドだけで潜入してくれないか？」
「えー。」
「いいから行け。爆発してもいいのか？」
「うー。」
ナログドがいぶしぶ建物の中に入っていったのを確認してガークセィンは”ニヤリ”
と笑いその場を立ち去った。
中に入っていったナログドは一階を守護するものとかいう男と対峙していた。
「我は一階を守護するもの・・・北の・・・・・・。」
と、その男が台詞を言いきる前に後から入ってきた３名によって滅殺される結果とな
った。
理由は殺気を出してすぐにでも攻撃しそうだったから・・・だそうです。
ジェイドがナログドに色々と聞いてきたのでナログドは今までの経緯をジェイドに説
明するとジェイドはナログドに「協力する。」と言ってファルクを潰しにかかった。
２階、３階と上に上がっていくにつれて建物は外から見ても壊れているのがはっきり
と分かるくらい壊れていた。
それは、建物が倒壊寸前という事をあらわしていた。
・・・で、最上階。
「ははは！良くここまで来たな！ライガストの諸君！」
「ら・・・らいがすと？」
「・・・だが、貴様らの快進撃はここまでだ！この俺に殺されるのだからな！」
ファルクが（ファルクのボスの名前・・・って、そのままだね・・・考えるの面倒な
んでこれで勘弁して。）アルガイド達に攻撃を開始した。
アルガイド達はとっさに回避したが、ナログドだけが直撃を受けた。
戦闘訓練もしてないような人が突然攻撃されて・・・それも、戦いなれしている人に
攻撃されてかわせる訳が無かった。
「酷い奴だな・・・ナログドに攻撃するときは手加減しろよ！」
「・・・俺がすると思うか？」
「くそっ！こいつダーちゃんの時みたいにいかないぞ！」
「手強いな・・・。」
「ははは！ラフォイエ！」
ファルクがラフォイエをナログドに放ってきたので、ジェイドがナログドの前に立ち
バリアシールドでこれを防いだ。
だが、それはフェイントで本来攻撃の対象になっていたのはガーランだった。
ガーランに向かって投げられたナイフはアルガイドに命中した。
ガーランが自分にナイフが当たりそうだったので近くにいたアルガイドの腕を引き盾
の変わりとした。
「何をする！ガーラン！」
「いいじゃないか！機械化されている部分に当たったんだからダメージ無いんだろ？」
「・・・。」
アルガイドは無言で右手をガーランに向けた。
「撃つなら俺にじゃなくてファルクに向かって撃てよ。」
そういってアルガイドがテクニックを放つ前に右手をファルクに強制的に向けさせた。
その次の瞬間・・・。
「メギド！！！」
アルガイドの最強のテクニックが放たれた。
・・・建物が到壊寸前だというのにメギドを撃てばどうなるか・・・言うまでも無い。
「く・・・崩れるぞぉぉぉ！」
ジェイドの叫び声と共に建物が崩れはじめた。
「い・・・いかん！リューカー！」
アルガイドが血迷って町へと瞬間移動するテクニック”リューカー”を使い「効果が無
かった。」というメッセージと共に謎の悲鳴が聞こえた。
だが、ジェイドの迷いのオカリナ・・・・ダンジョンなど建物から脱出するテクニック
”ヒーナス”の効果があるアイテムを使い、残念ながら全員無事に非難した。
そう・・・全員。
「ははは！」
「なんでアイツも居るんだよ！」
「さぁ・・・？」
なぜかファルクも一緒に脱出していたのだった。
だが、アルガイドの２発目の”メギド”による業火に焼かれて苦しんでいた。
「なんで死なない？」
「Ｄ細胞がある限り俺は死なん！」
Ｄ細胞とは・・・ダークファルス細胞の略称らしいが、何時の間にそんな物を何処から
入手してきたのだろう。
「そうか・・・。」
それだけ言うとアルガイドは炎に焼かれているファルクに向かってラサフォイエを連打
しはじめた。
ジェイドも一緒になってフレアショット等を連打しはじめた。
「ぐおぉぉぉぉ！！！」
「大変だなぁ？なかなか死なないってのも。」
「・・・。」
その光景をみてナログドは「やる事はやったし帰ろう。」と思ったらしく何処かへ行っ
てしまった。
その後・・・。
結局アルガイドとジェイドの残弾が尽きたのでファルクは生き埋めにした。
無論、ナーグカントという都市は、わずか５ヶ月で地図上からその姿を消した。
ナログドは結局体の中の爆弾を取り除いてもらっただけで生身の体には戻れなかったそ
うだ。
尚、ジェイドはしっかりと成功報酬を受け取ってアイードへ帰還したらしい。
一応、市長邸がある付近一帯は残っていたので・・・。
アルガイド達は戻るべき所へと去っていったらしい。
完
次回予告
ナログド「主人公なのにー。」
アルガイド「まぁまぁ・・・で、なんで次回予告があるんだ？」
ジェイド「この話はこれで完結してるけど・・・。」
ナログド「出番少ないー。」
アルガイド「・・・何をやるんだ？俺達。」
ジェイド「さぁ・・・。」
ホーク「一応、次回作の予告だな。」
ジェイド「ホ・・・ホーク・・・居たのか。」
ホーク「・・・さて、次回はちょっと恐い話にしようかな・・・という情報がある。」
ジェイド「へぇ・・・。」
ホーク「その話は一話完結の短編だ。で、主人公は・・・。」
ナログド「僕ー。」
ホーク「いや、あんたは今回だけの使い捨てキャラだから。」
ナログド「・・・。」
ホーク「一応、俺って事になってるが・・・。」
アルガイド「どうなるかな？ふふふふ・・・・。」
ジェイド「という訳で今回はこの辺で！」
ナログド「・・・・・・・。」
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