マグナ・ドゥヘル番外編
食糧難？
物語が始まる前に考えて欲しい事がある・・・。
考えるのが面倒な方は飛ばしてください・・・。
人間が生きていくのに、最も大事な物は何か。
戦友（とも）と呼べる者？
確かに人は一人では生きては行けないがもっと大事な事・・・。
お金・・・？
金が無くては何もできないのは確かだがそれよりも大事な事・・・。
ではは何か・・・。
そう食べ物・・・食料の事だ。
だが・・・タイトルを見ればこんな前振りはいらない。
御察しの通り、まったく意味の無い前振りなんだけど・・・時間稼ぎというやつです・・・。
ホーク達は今究極の危機に瀕していた。
「ここ数日・・・水しか口にしてないなぁ・・・動く気力も無い・・・。」
ホークは疲れた風にぐったりとしてベットで倒れていた。
それを遠くで・・・いや、少し離れた所で２つの機械兵が見ていた。
「最近収入が無かったからなぁ・・・。」
「俺達には理解できない苦しみだな・・・。」
「いいな・・・機械兵は・・・。」
などとホークが言っているがジェイドとジェンドには聞こえていない。
「とりあえず・・・簡単に手に入る食料でももってくるよ。」
あてが有るのかジェンドはそう言うと部屋を出ていった。
「何でもいいから早く・・・。」
ホークはそのジェンドの後ろ姿を見てそうつぶやいた。
ジェイドは一応ジェンドの後を追って見ようかと思い後を追うかのように部屋を出ていた。
ジェンドは海岸に来ていた。
そして、ハンドバルカンを構えると同時に弾を乱射しだした。
放たれた弾は水中へと吸い込まれていき、やがて魚に命中した。
弾が当たった魚は水面へと浮上してきて白い腹を浮かべた。
念の為・・・この漁は大変危険ですので決して真似しないでください。
・・・で、それを見て満足したようにジェンドは魚を回収し、ついでに海岸に居る貝を適当に捕まえるとホ
ークの待つ自宅へと戻った。
ジェイドがジェンドに追いついたのは、ジェンドが戻っている時だった。
ジェイドはジェンドが何を持っているのかは分からなかったがとりあえず食べ物を持っているという事を確
認したので一緒に戻る事にした。
家に着くとジェンドは早速獲ってきた物を料理してホークの前にならべた。
ホークはそれが何であるかも分からずに貪りついたが、食べたと同時に急激な吐き気に体を支配されたらし
くそのまま何処かへ走り去った。
「・・・ジェンド。一体何を食わせたんだ？」
「・・・魚介類。」
「ホークの奴・・・死んだな。」
何処からともなくホークが胃の中の物を吐き出す音が聞こえてきた。
「・・・ちゃんと料理したのに。」
ジェンドが自分の作った物を眺めながら、何がいけなかったのかを考えはじめた。
「ホーク・・・骨は拾ってやる。」
「勝手に殺すな！！！」
後ろから声をかけられてジェイドは振り返ってみると、青ざめた表情でホークが立っていた。
「ジェンド・・・頼むから俺に貝を食わせないでくれ。」
ここで、ジェンドは初めてホークが貝を食べれないということを知った。
ジェンドは普段からホークの食事を用意していて料理の腕もかなりの物なのだが、どんなに美味く料理して
もホークに貝を食べさせる事だけはできなかったらしい。
折角作った物をそのまま捨てるのが少しもったいなかったので銃をホークに突き付けて食べさせようとした
が、ホークは剣を手に取りふらつきながらも抵抗した。
そこまでして魚介類を食べるのが嫌だったからだ。
死を覚悟した人間ほど恐ろしく強いものは無い・・・。
瀕死状態だったホークにジェンドは返り討ちにされてしまい結局料理はその辺に捨てる事にした。
そして暴走したホークはジェイドにレイソードクロスをくらわせ倒れている二人に、まるで悪党が正義の味
方を倒し「お前らの力はその程度か。」というような目で見て「もうお前らには頼らない・・・。」と言う
とホークは再び行動を開始したジェンドとジェイドに更に一撃いれて自ら外へ出ていった。
「な・・・なんで俺まで・・・。」
「あの目は危険だ・・・奴は何をするかわからないぞ！」
ジェンドはホークを”親友を殺した犯人が目の前に現れて、後先考えずに行動している”という状況を想定
してホークを止めなければと心に誓った。
そして、ジェンドはまだ倒れているジェイドにリペアキットを使って無理矢理引っ張って行きホークの後を
追った。
町を出て少し行った所にホークは立っていた。
そこでは、ホークは剣を構えていたのでジェイド達はモンスターでも出たのかと思いホークの側へと近づい
てみるとホークの前には何かにとどめをくらわせて・・・適当に切るとテクニック”フォイエ”で火を出す
と、元サンドワームだった物を焼きはじめた。
「・・・まさか食べる気じゃ・・・。」
ジェイドの予感は当たった。
ホークは焼けたサンドワームに噛み付くと同時に吐き出した。
「不味すぎて食えないな・・・。」
「当たり前だ！」
ジェイドは思わず突っ込んでいたがホークは聞こえていないのか無視して再び移動をはじめた。
「なにぃ！は・・・早い！？」
その速度は今まで瀕死状態だった人間の速度とは思えないほどの速さだった。
「や・・・奴を早く止めなければ！！！」
ジェイドは”世界を破滅させるという爆弾を持って逃げている男”が目の前を走っているような気がしてい
た。
ジェイド達が全速力で走っても何とかついて行けるといった感じだったのでジェイドは威嚇射撃でもしてホ
ークの足を止めようかと思い、銃を構えた。
だが、銃口から弾が放たれる前にジェンドがすぐに止めに入った・・・が少し遅かった。
銃口からは弾が射出されてジェンドに命中した・・・が、たいしたダメージがなさそうだったのでジェイド
は更にフレアショットを２、３発くらわせてみた。
「やめぇい！」
ジェンドが反撃に出したフレアショットでジェイドは我に帰ったらしく、”とりあえず”ジェンドに謝ると
なぜ、ジェンドが止めに入ったかを聞いた。
ジェンドにはジェイドがホークを撃ち殺してしまうと見えたらしく、何もそこまでする必要はないだろうと
判断して止めに入ったのだった。
つまり、ジェイドはそれほどの殺気をもって威嚇射撃をしようとした訳だ・・・。
ジェイドはジェンドに「もう威嚇射撃は止めてね・・・。」と、止められたので威嚇射撃を諦めてホークを
追っていった。
こんな事をやっている内にホークはジェイド達から相当離れた所にいた。
そして、ホークが突然立ち止まり再び剣を構えた。
ホークの前に居るのは・・・しそラッピーだった。
「正気かい！？」
ジェンドはさらに速度を上げてホークに接近していった。
しそラッピーはホークに何かを訴えるような目・・・ラブリーアイズで攻撃をした。
だが、今のホークにはそのしそラッピーの目は見えていない。
躊躇う事無く剣を振りかぶり・・・振り下ろそうとしたときにジェンドのフレアショットで剣を弾き飛ばさ
れた。
ホークが剣を拾おうとしている間にジェイドがホークに”ロケットパンチ”と称して左腕を切り離し右腕で
持ち、左腕をホークへ投げつけて腕を爆破しホークを亡き者にする予定だったがそれでは何もならないので
フレアショットを見舞うだけにした。
ホークはフレアショットを受けて剣を拾うのをやめて懐から御信用のナイフ・・・”アストラルダガー”を
取り出すとジェイドに向かって投げつけた。
アストラルダガーは空間移動をして、ジェイドの目の前に姿をあらわした。
そしてジェイドに当たると同時にアストラルダガーは再びホークの手元へと空間を飛んだ。
ただ、ホークは条件反射で反撃をしたのだがジェイドは”裏切り者”を抹消すべくジェイドバスターフォー
メーションに入った。
だが、これはすぐにジェンドに止めさせられたので撃つ事はできなかったが・・・。
とりあえず、ジェイド達はホークの側までやってきた。
「ちょっとホーク、何考えてるんだよ！」
「食うんだよ。」
「食えるのか？」
「しその味がするって・・・何処かのホームページに、書いてあった。」
「・・・なら大丈夫だな。」
「大丈夫じゃないって！こんな可愛い生き物をそう簡単に殺そうとしないように・・・。」
ジェイドとホークはしそラッピーを見てみるとしそラッピーは再びラブリーアイズで二人を攻撃したらしい
が相変わらず効いていない。
「可愛い・・・か？」
「俺には、そうは見えないが・・・。」
「二人ともどうかしてるよ！」
そう言ってジェンドが二人に攻撃をする構えを見せたときにしそラッピーがラブリーアイズは効かないと判
断し体当たりをジェンドにしかけた。
だが、鋼鉄でできているジェンドの体にはダメージを与える事ができない。
そればかりかジェンドの体は衝撃を反射するようにできているので、反動がしそラッピーの方にいきダメー
ジを受けて苦しそうにうめいた後、力尽きたようにぐったりとしてしまった。
「あぁ！？」
「これで・・・・問題無いな・・・。」
そう言うとホークはしそラッピーを焼いて食べはじめた。
最後に「しその味がする・・・。」とホークが言ったらしい。
話は変わるけど（変えるなって？）ジナグルが一匹のラッピーを捕まえたらしい。
傷ついていたのでとりあえずガグナードへと連れてかえってきたのだ、
アルガイドがラッピーを見たときは「捨ててこい。」と言っていたがジナグルが「怪我が治るまででいいで
すから・・・。」と言ったのでアルガイドはやむをえずラッピーをガグナードに置いてやる事にした。
数ヶ月後・・・。
「なんか、最近ガグナードの速度が落ちてきてないか？」
そうガーランに言われたときにはエンジンの調子でも悪いのかと思い、動力室へ行ってみたが特に異常は見
当たらなかった。
この時アルガイドはもう一つの原因が何であるか直ぐに気がついた。
それまでアルガイド自身も忘れていたのだが、この事件のおかげでようやく思い出す事ができた。
ー数日前から食料の減りが早くなってきた時に気がつくべきだった・・・調達を怠ったせいだとか気がつか
ないうちにそれだけ食べていたとか思っていたが・・・。
そんな事を考えながらアルガイドはガグナードの速度を遅くし食料の減りを早くしている原因のある部屋へ
と向かった。
部屋の前には、なぜかジナグルが居てアルガイドを部屋の中に居れさせようとはしなかった。
「ジナグル、どけてくれ。」
「駄目です。この部屋には面白い物なんて何もありませんよ？」
アルガイドはどうしてもジナグルが避けようとしなかったので右手の大砲を使う事にした。
「この距離からなら、いくらお前でも無事じゃすまないだろう？」
「そこまでして部屋の中に入りたいのですか・・・。」
ジナグルは観念したらしくアルガイドを部屋に入れる事にした。
だが・・・アルガイドが扉を開ける瞬間手の中にある謎のボタンを押していた。
「ぐあああ！」
アルガイドが扉の取っ手に触れたと同時にアルガイドの体に電撃が流れはじめたのだ。
「ギザン！」
アルガイドは直ぐにギザンを使ってカマイタチを起こして扉を破壊した。
「死ぬかと思った・・・。」
そしてジナグルが何かをしはじめる前にアルガイドはサガージをジナグルに放った。
ジナグルはバリアフィールドを展開させてサガージを防いだがアルガイドに部屋に入られてしまった。
「はやり・・・。」
その部屋は元々ラッピーが居た部屋だったが今はこの部屋の中にはラッピーは存在していなかった。
そのかわりに・・・居たのは巨大なキングラッピー一匹のみ・・・。
そう・・・ラッピーが成長し巨大化した姿だ。
アルガイドは「この場で殺すか、捨てるかどちらかにしろ。」とジナグルに言うと、ジナグルは泣きながら
（といっても機械兵なので泣きまねにしか見えないが・・・。）「酷いですアルガイドさん！」と言ってス
ライサーを投げると同時にフォノンメーザーを使った。
スライサーはフォノンメーザーによって生じた超音波により加速を受けより早くより強力な武器を化した。
ジナグルの一人合体技ソニックスライサー（結構器用です。）は部屋の中を飛び回りアルガイドの右腕と右
肩をズタズタにした。
それこそ修理不能なまでに・・・。
その時アルガイドは機械の腕って盾の代わりになると思い心の底から感謝した・・・そうでもしなくては死
んでいたような状況だったからだ。
結局キングラッピーは捨てる事になった。
そしてアルガイドは、人知れずガグナードに搭載されている戦車でキングラッピーの元へ行き悲しそうな目
で見ているキングラッピーに「そんな目をするなよ・・・。」と言ってメギドを連発し暗殺していた。
今回のメギドを放った理由は・・・アルガイドの右腕を修理する際・・・「ついででござるよ。」と言われ
て大砲の強化とリカバー・・・それとバリアフィールドを取り付けられた事が最有力と見られているが、真
実はアルガイドのみが知る・・・。
「俺は・・・人間なんだぁぁぁーーー！！！」
夜空にアルガイドの悲鳴のような叫び声が木霊する・・・。
完
あとがき？
アルガイド「さて、前回のラストにあんなことを言っておいて何処が恐怖なのか・・・と言うわけだが。」
ホーク「貝がな・・・・・恐いんだ・・・・ダークファルス倒したハンターなのに・・・貝が・・・貝が・
・・・・どうしても駄目なんだ・・・。」
アルガイド「・・・もしダークファルスが次に出る機会があるとするならば、きっと貝を持っている事だろ
うな。」
ホーク「やめてくれぇぇぇ！！！本当にやったらどうする気だよ！！！俺なんか即死するぞ！！！」
ジェイド「貝を装備している魔王・・・か。見てみたい物だ。」
ホーク「だからやめてくれ！！！！」
ジェイド「いや・・・魔王が貝に入っているっているのはどうだ？それで、ホークに食べられようとしてい
るんだ。」
ホーク「やぁぁぁめぇぇぇろぉぉぉぉ！！！！」
ジェイド「気絶するような事か・・・？」
アルガイド「放っておけ。で、途中から話が変わって俺の方になっているが・・・それぞれが短編のように
短いんで二つあわせてみたんだ。」
ジェイド「ただそれだけ・・・。恐怖がどうとかいう話はホークだけのようだしな。」
アルガイド「いや・・・ラッピーは結構恐かったぞ。気がついたらあんなに大きくなって・・・ラッピーを
飼うときは気を付けろよ！」
ジェイド「誰に言ってるんだよ？」
アルガイド「気にするな。ってことで次回をお楽しみに！」
ホーク「・・・あ・・・あるのか？」
ナログド「・・・（Ｔ_Ｔ）」
投稿の広場に戻る
トップページに戻る