「・・・なんだこれは？」
アルガイドがカレーを一口食べて意味の分からない事を言い
出した。
「カレー・・・だろ？」
ガーランは見たままの事を言うがアルガイドは「そうじゃなくて
・・・。」と言いガーランにも一口カレーを食わせた。
「・・・なんだこれは？」
ガーランもアルガイドと同じ感想を述べた。どうやらカレーに
問題があるらしい。
「このカレー・・・ペースト状っていうかペーストそのものだ
ろ？なんか粘土みたいっていうか、レトルトを温めないで出し
たっていうか・・・そんな感じしないか？それにこのハンバー
グ・・・ハンバーグって呼べない代物じゃないか。」
「・・・そうか？」
「そうだよ！それに、粉っぽいじゃないか！この店、カレーを
舐めていやがる！！！」
「・・・アルガイド？」
アルガイドはそれ以上何も言わずにカレーを持ち席を立ちあが
った。そして迷う事無く厨房へ一直線に歩いていく。
「おい！アルガイド！」
だが、アルガイドは聞いていない。そして厨房のドアを開けて
入っていった。
「なんだこのカレーは！」
アルガイドの叫び声が店中に響き渡った。かなり怒っているら
しい。しばらく声は聞こえなかったが再びアルガイドの声が響
き渡った。
「たかがカレーだどぉぉぉぉ！！！！」
ガーランは何かよからぬ事を感じたらしく生卵を持って厨房へ
向かった。とりあえずゆでたまごにしてもらうために。

厨房は惨状と化していた。なぜか暴れているアルガイドと、そ
れを取り押さえようとする料理人達。
「これが、カレーだっていうのか！レトルトでももっと美味い
カレーがあるぞ！しかも思い切り待たせておいてコレかよ！
しかも『極上カレーライス１２８０メセタ』たぁでかくでたじゃ
ないか！何処が極上だってんだよ！ふざけるな！！！」
「あの、これゆでてくれます？」
そう言ってガーランはゆでたまごを近くに居た料理人にさしだ
したが、聞いていないらしくアルガイドの方を見て硬直していた。

「俺が作ったってコレより美味いカレーを作れるぜ！」
確かにアルガイドのカレーはかなり美味い。ガーランもそれは
みとめるが今はアルガイドを止めた方がよさそうだと感じた。
だが、面白そうなので放っておくが。
「お客さま、困りますよ。」
誰かがそう言うとファイターのような筋肉を持つ料理人らしき
人が出てきてアルガイドをつまみだそうとするが、アルガイド
は激しく抵抗した。剣を抜いて振りまわす程に激しく。テクニ
ックを使わない分たいした事はないが。
「うぉぉぉぉ！！！！」
料理人の気合一閃でアルガイドは吹っ飛ばされた。
「こんなクソ不味いモン食わせた上に殴りやがって！！！」
アルガイドがそろそろヤバイ。ガーランが止めに向かったが
遅かった。
「食らえ！俺の怒りとカレーの恨み！メギド！！！」

その爆発はかつてアルガイドが放った、どのメギドよりも強力
なものだったと唯一の目撃者ガーランは語った。

「カレーの恨み・・・恐れ入ったか！」
アルガイドがポーズを付けてそんな事を言った直後に後ろから
ガーランに殴り倒された。今のメギドで生卵が割れてしまった
のだ。いや、それはいい。生卵ではなく元々『ゆでたまご』だ
という事が割れた時に分かりその八つ当たりとしてアルガイド
を殴ったのだ。
「俺の苦労は一体・・・。」
最後まで立っていたのはガーラン一人だった。

トップページに戻る