病院の中、ゼルディに似た者がパイオニア２を占領したという話が飛び交っている。
病院の一室で二人のハンターがレイマー神妙な顔で話し合っていた。
「本当にゼルディだと思うか？ゼクド・・・」
「妹を失いかけ狂気に染まった力でダークファルスを滅ぼしはしたがその狂気故に取り付かれた・・・・。
こう考えて間違いはないだろう・・・。」
ゼクドの返答にラーディスは頭をかかえた。
「一体どうすれば・・・」
ゼクドは表情一つ替えずに自分の考えを切り出した。
「ゼルディごとダークファルスを消滅させる以外に方法はないな」
「そんなことができるか！、あんな惨い兄妹をこれ以上落しめるなんて・・・」
「そう、お前にはできないだろうな・・・・、だが俺にはできるのさ・・」
ゼクドはベッドの中からラーディスに向かって銃を撃った。サイレンサー付きのため
大きな音はせず部屋の外まで銃声は響かなかった。
「ガハッ！？・・・ゼクド・・・お前・・・」
服部に銃を撃たれラーディスは血を吐きながらゼクドを睨みつけた。
「少々シナリオがズレたが・・・・修正範囲内だ・・・・」
ゼクドはベッドから起き上がりラーディスを見ることなく病院を後にした。その目には
わずかに狂気に染まっているようにも見えた。ゼルディの操るアンドロイド達を一つ
残らず破壊し、ゼルディのいる元総督の部屋に向かった。
「ゼルディ・・いや、MASTER OF RUINだったかな、とりあえずお前には死んでもらおうか」
変貌したゼルディに余裕の笑みを浮かべたまま銃を向け、ゼクドは話しかけた。対する
ゼルディも一切表情を変えずいつものように見下した笑みを浮かべている。
「キサマごときに我を殺せるとでも思っているのか？」
「ダークファルス本体なら勝ち目はなかったが今のキサマは違う、多少優秀なフォースに
成り下がったキサマなら俺だけで十分だ」
「そうか・・・なら死ね！、愚か者よ！！」
ゼルディは連続してラフォイエを唱えた。部屋中に爆発が広がり、ゼクドは爆発に巻き込まれ
ゼルディは愉快そうな顔で大爆発を眺めていた。しかしその直後、銃声が鳴り響くとともに
ゼルディの左腕が貫かれた。
「グアッ！・・キサマ・・・・・」
「言っただろう？今のお前なら俺でも倒せると・・・」
「なめるな！」
ゼルディは高く飛翔し、空中から氷河の雨を降らせた。はげしい轟音が鳴り響き、正に蟻の
入る隙間がないほどに部屋中氷河に埋めつくされた。
「クククク・・・・馬鹿め、人間ごときが我にかなうものか！」
勝ち誇った笑みを浮かべたゼルディだが、今度は背後から右腕を貫かれた。
「その程度なのか？お前の力は」
ゼルディの後ろにゼクドは立っていた。
「俺はダークファルスの力を吸収し無敵になったんだ。キサマに負けるはずがない！」
ゼルディはゼクドに向かって電撃を放ち、更に炎の雨を降らせた。
しかしゼクドはまるで次がなにが来るのかわかっていたように鮮やかに回避し続けた。
「お前に修行をつけたのは、このためだったと知っていたか？」
「何？どういうことだ？」
「ククク・・・ならば教えてやろう、俺の計画を！」
ゼクドは笑みを浮かべゼルディに向かって自分の計画を話はじめた。
「ダークファルスが今回の原因と知った時、俺はある計画を考えていた。ダークファルスを
追い詰め、可能ならばその場で滅ぼす。しかし不可能の場合ダークファルスをある程度追い
詰め、思念体が誰かに取り付こうとするところを誰かに取り付かせ、そしてそいつごとダーク
ファルスを滅ぼす。しかし予想外にもダークファルスは非常に強かった。普通の人間には
勝てない程にな・・・、そこで思い付いたのがお前とエレンディラだ。お前の魔力、そして妹
との思いを利用し、お前を狂気に染めあげ、そしてダークファルスをお前に取り付かせる。
ダークファルス本体にはかなわないが人間に取り付いたダークファルスなら俺でも勝てる・・・」
ゼクドの計画を聞き、ゼルディはがくぜんとなった。今まで運良く心優しい人に救われていたの
だと思っていたのに、救われた理由はただの手駒にするためだったと知って。
「そして今のお前を更に弱らせるため、素晴らしいプレゼントを持ってきてやったぞ。受け取れ！」
ゼクドは腰にぶら下げていた袋をゼルディに向かって投げ渡した。ゼルディは半分放心した
状態で袋の中身を見た。
「あ・・・あ・・・あ・・・・・あああ、ま、まさか、これは・・・」
ゼルディが見た者は首を切断された少女だった、そしてその少女はゼルディにとって唯一残った
大切な妹だった。
「そんな・・そんな・・・エレンディラァァァァァァァァァァ！！！」
頭だけとなった妹を抱き締め、ゼルディは泣き叫んだ。そしてゼクドは泣き叫ぶゼルディに向かって
メギドを唱え、ダークファルスごとゼルディを封印した。
「フフフフフ・・・正にパーフェクトだ」
ゼクドは悪魔のような笑みを浮かべ幽閉された総督のもとへ向かった
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