スペースクルーザーランディール
序章 闇の胎動
暗き異次元の深淵にそれは存在していた。
−滅ぼせ−
憎悪と破壊的衝動に満ちた視線は３つの惑星に向けられていた。
−人を滅ぼせ
生き物を滅ぼせ
動く物全てを滅ぼし尽くせ！！
我はこの地に幾星層もの刻の中で封印されしもの
汚泥と屈辱の続く永劫の時間の中で
我が望みしは
結界の破壊
そしてかの地に住まう者供の血と嘆きこそが
我が喜び、我が力となる
故に我は全てを滅ぼす
滅ぼせ、水も大気も腐り果ててしまえ−
怒りの波動が周囲を震わせ次々と魔物にその姿を変えていく
−我が愛しき子供達よ、行くのだ、かの地に、
そして、我に、かの地の者達の恐怖と絶望にみちた声を
聞かせておくれ・・・・
欲望と怨恨と破滅に彩られた喜劇を、我に、
この深遠なる闇に見せておくれ・・・−
すでに闇の御前には数万もの闇の軍勢が集結し
出陣の号令を待っていた。
「深遠なる闇の御方様、我が重戦士団の圧倒的な力を
持ってすればアルゴルを蹂躙し、破壊することなど
造作も無きこと。さすれば、ぜひ、わが軍団に
指揮権をお与えください」
−重戦士団将軍 カオスブリンガー−
「ひっひひひ、カオスブリンガー殿、
御方様の憎しみはアルゴルをただ破壊する
だけでは収まらぬぞ。
まあ、わしの偉大なる頭脳と完璧な策略があれば、
護り人の間に不信と混乱をばらまき、互いに争わせ、
アルゴルの生命の灯火を消すことも可能かと・・・・
うひゃひゃひゃひゃ」
−魔導師団参謀 イマジオメイジ−
「ふん、くだらんな。我々遊撃隊は不退転の覚悟で
御方様に仇なすランディールの血筋を全て
抹殺する所存でございます」
−遊撃隊指揮官 ダークライダー−
「あら、ダークライダー殿は本当に真面目でございますわね。
けど、そういい続けて、何度失敗したことか、
御方様、今回の指揮権ぜひ、私たち、邪精霊にお任せください
すでに御方様のお目通りにかなう邪な人間供を育てております。
彼らを先兵として送り込めば必ずや此度の戦い
我らの勝利に終わりましょう。おほほほほほほ」
−邪精霊の巫女 シェイドミラージュ−
「静まれ、静まれい！！御方様の御前であらせられるぞ！！！」
親衛隊最高幹部 ギ・ル・ファーグの声で４幹部の言い争いが終わる。
「これより、我らは闇の皇子、ダークファルス様の指揮の元、かの地に
侵攻を開始する。かの地、結界恒星系アルゴルを今度こそ我らの手で
破壊するのだ！それこそが御方様への忠誠の証となるのだ」
−まもなく・・・・・
まもなくだ・・・・・ まもなく我は完全に復活する
その時こそ、我は我以外の全ての存在を消去するのだ
この宇宙に我以外の存在があってはならぬ
それが例え我が愛しき子供達でも・・・・・
−人を滅ぼせ−
−生き物を滅ぼせ−
−動く者全てを滅ぼし尽くせ・・・・・・・・−
−終−
第一話を読む
投稿の広場に戻る
トップページに戻る