セイバーを相手の喉下に突きつけながら、しかし口調は静かな、諭すような口調だった。
だがその静かさとは裏腹な威圧感が、周囲にただならぬ緊張を与える。
「ひっ…す、すすすすみません！し、しかしキース様は神出鬼没のお方、ネオアリサにて
昼の会議に出席していたかと思えば夜にはネオパルマの会食に参加しているとも言われ
るお方です…我らのような末席には連絡のつけようさえも…」
（確かに昨日の戦いでもキースはワープじみたことをしていた…あれを惑星レベルで出来
るって言うの？だとしたら、力の底が見えない…）
支部長の白状を隣で聞きながらユエリは考える。だがそんな支部長の言葉にエヴィンは
全く興味が無いようだった。
「僕の口調が、あなたに誤解させてしまったのかな…」
「へっ？」
“やれやれ”と言わんばかりなエヴィンの言葉に支部長は間の抜けた顔になる。だが次
の瞬間、そんな顔をした支部長の腹をエヴィンは思い切り蹴り飛ばしていた。
「あっ…あぐっ…あがががが…」
どうやら完全に呼吸が止まったらしい。支部長は言葉にならない声をあげながら地べ
たをのた打ち回る。
「僕はキースとの連絡をお願いしているんじゃない…命令しているんだ」
その言葉には明確な殺気がこもっていた。周りの団員は動揺し、逃げ出しかけるがエ
ヴィンが一回咳払いをしただけで、その動きも止まる。
やがて支部長ののたうちがおさまってくると、エヴィンは自分の指先を蒼黒に光らせ、
それを支部長の額にトンと押し当てた。
「…今のは…一体何を…」
「一言で言うと呪いだ」
その言葉で、十分青白かった支部長の顔からさらに血の気が引いた。
「明日の朝九時、それまでに僕が満足できる回答が無い場合、僕の力はあなたの五臓
六腑を食い破る。全身の穴という穴から黒く淀んだ血液が噴き出し、地獄の苦しみの果
てに死に至る」
「ひっ…そ、そんな…」
「明朝また来る。いい返事を期待している」
そう言い残し、エヴィンは教会をあとにした。
「さて、今晩の宿でも探すか…どうした？ユエリ」
教会を出てからずっと無言だったユエリにエヴィンが聞く。そんなエヴィンの問いかけに
ユエリは軽くため息をつき、そして力なく笑った。
「すごいのね、あの力…剣にも盾にも…さらに時限爆弾にもなるなんて」
「ああ、あれ？」
淡々とした口調のユエリに対し、エヴィンは悪戯小僧のような顔で笑う。
「最後のはブラフだよ」
「ブラ…フ？」
「そ、ハッタリってこと。闇の力は身体の一部、切り離したりはできない。ま、できたとして
もああいうのは、僕の趣味じゃないからしないけどね」
「………」
エヴィンの言ったことにユエリはしばらく呆気に取られる。そしてクスクスと笑い出した。
「そんなに面白いかな？」
「ううん、なんて言うか…シェリーもこういう力持っていたら同じ使い方するだろうなって思
って」
ユエリの言葉に、今度はエヴィンが呆気に取られる。
「そう…なのか？」
「ええ、シェリーも自分が持っている力の本質を隠す、身の回りにある物も何でも使う。
そして…相手を必要以上に傷つけない」
「そうか」
ユエリの返事にエヴィンは少しだけ嬉しそうな顔をする。
「あの子に戦い方とかを教えたことは無いんだけどな。むしろそういうのから遠ざかって
ほしいとばかり思っていた。結果は…ご覧の通りだけど」
「子はどこか親に似るもの…ってことだと思うわ」
そう話すユエリの顔は、さっきまでより少し明るい。エヴィンはそんなユエリの顔を見る
と夕焼け空を見上げ、雲の一点を見つめニコと微笑んだ。
---------------------------------------------------------------------------------
「マスターエレナ…」
それと同時刻、ネオパルマの教団本部ではシーレンとエレナが顔を見合わせていた。
正面のモニターには笑顔のエヴィンがはっきりと映っている。
「こっちを向いたの、偶然じゃないわよね…テレトランアルファ（偵察衛星）の光学迷彩
機能は？」
「アクティブです。エラーコードも表示されていません」
「そう…」
椅子にもたれてため息をつくと、エレナは紅茶を一口すすった。
「相変わらずやるわね…そしてそんな彼を敵に回す…キースは逆鱗に触れたわね」
「逆鱗…それは何でしょうか？」
パネルを操作する手を止めてシーレンが尋ねる。
「龍のウロコよ。おとぎ話のドラゴンには顎の下に一枚だけ、他とは逆向きのウロコがあ
る。たとえ普段は温和なドラゴンであっても、それに触れられると怒り狂い、触れた者を
例外なく破滅させる…」
「マスターはキース・ドーシュも破滅すると考えているのですか？」
「それは、彼の器次第でしょうけど…まあ、無事で済まないことだけは確かね」
言ってエレナはフッと笑う。その顔に、同僚としての心配や同情は見えない。
「ボイスに伝えますか？」
「やめとくわ。３０年前の出来事…下手に話したら教団の存在意義が根底から崩れるし、
これまで黙っていた私達にも嫌疑がかけられる」
「それでよろしいのですか？それでは発覚した際の危険が大きくなると思われますが」
「よろしいかどうかは微妙だけど…ちょっと保留ね」
そう軽口を叩くとエレナは右手の指二本で眉間を押さえ、しばらく考えこんだ。
「シーレン、エヴィン君が大学を辞めたかどうか調べられる？」
「お待ちください」
言うやシーレンは腕から出てきたハーネスを大型コンピュータに接続した。そして二分
としないうちに本日付で二週間の休暇を得ていること、辞職はしていないことをエレナに
伝える。
「休暇について隠そうとした痕跡は？」
「ありません」
「それじゃあ、エヴィン君の行動が期限つきだってことはすぐにバレるわね。やっぱり少し
焦っているのかしら…ありがとう。引き続き周辺情報の収集を頼むわ。あくまで隠密にね」
「了解しました」
昔から全く変わらない無機質な口調でそう答えるとシーレンは部屋から出ようとする。
だがそこで一度足を止め、エレナの方を向きなおした。
「マスター」
「どうかしたの？」
「人間が名前の末尾に『君』をつけるのは基本的に敵対者ではない相手に対する場合
の筈です。エヴィン・ハランツは我々の所属する教団を襲撃しましたが、先ほどからマス
ターは彼のことを以前同様、エヴィン君と呼んでいる…」
「ええ。何か問題ある？」
「何もありません」
言い残すとシーレンは改めてエレナの部屋をあとにした。
扉が閉じるとエレナは肩をすくめる。
「シーレンもエヴィン君も、つくづく昔と変わらないのね」
一人そうつぶやくと、エレナは軽く苦笑した。
---------------------------------------------------------------------------------
その日、エヴィンとユエリは近くのビジネスホテルに宿を取った。関係を怪しまれない
ように、ユエリもハランツの苗字で部屋を取る。実際平行世界とは言え同じ父親だから
顔立ちもどこか似ている。ホテルの従業員に怪しまれることもなかった。
エヴィンは最初、シングルの部屋を二つ取ろうとした。が、彼が従業員にそう言おうと
したとき、ユエリが“ツインを一部屋で”と横槍を入れる。
「よかったのかい？」
部屋に向かうエレベータの中でエヴィンが聞く。
「この年の親子が部屋を分けちゃ不自然でしょ？」
少し心配そうなエヴィンに、ユエリは笑いながら答えた。
それから二人は近所のレストランで夕食をとった。近所では老舗のステーキハウス、
扉は無いが仕切りはある半個室の部屋、そこで料理を頼み、ウェイターが下がると、
ユエリは小さく頷いて口を開いた。
「パパとお爺ちゃんの間にどんな因縁があったのか…ママから一通りは聞いてるわ…
けど、私の世界ではお爺ちゃんは…ディルナ・ロックフィールドはネオパルマを破壊し
てからすぐに、自分の命を絶った…」
（やっぱりそうか…）
ユエリの言葉にエヴィンは内心頷く。
「この世界では、エヴィンさんとよく会っていたんですか？」
「いや…こっちでも全く会っていなかった。会おうにも足取りも掴めなかったからね。だ
からあの人が病院にかつぎこまれたと聞いたとき、僕もすぐに駆けつけた。…三十年
ぶりの再会だったよ」
「そのとき…どんな話をしたのか教えてくれますか？」
「いいとも」
水で喉を軽く潤すと、エヴィンはそのときの様子を語り始めた。
---------------------------------------------------------------------------------
「お久しぶりです、ディルナさん」
「…エヴィンか…」
三十年ぶりの再会だったが、ディルナにはすぐに相手が誰なのか分かった。ベッドか
ら半身を起こし、エヴィンの眼差しを一瞥する。
「変わらんようだな。もっと世俗にまみれ、濁るかと思ったが」
「買いかぶりですよ。それよりディルナさんは変わりましたね。昔より…ずっと優しい目
になりました」
ディルナの言葉に、エヴィンは微笑で返す。
「それこそ買いかぶりだ」
エヴィンの返答に、ディルナもまた皺だらけの顔を微笑ませた。
「ご活躍は何度か耳にしましたよ。各地の医療機関に時折届けられる、差出人不明の
新薬調合法とサンプル…ディルナさんなのでしょう？」
「さあなあ」
そう言うディルナの懐に、窓から枯れ葉が一枚吹き込んできた。それに我が身を照
らし合わせたのか、彼は枯れ葉を見つめながら話を続ける。
「あれから三十年、どうにも中途半端な人生だった。しかも、そんな人生もそろそろ幕
の引き時かと思ったら、つまらん気遣いでまた死に損なっちまった」
「よかったじゃないですか、何はともあれ拾った命なんですから」
「そうだな…しかし三十年前と今回と、これで命を拾ったのも二回目だ。さすがに三度
目は無いだろうな」
「そう思われているのでしたら、自愛してください。アーサーとユエリに伝えたいことも、
まだ残っているのでしょう？」
「………」
エヴィンの言葉に、ディルナは否定も肯定もしなかった。ただ無言でエヴィンの方を向
くと、ワンテンポ置いてハハハと笑いだす。
「アーサーを見たときは内心笑ったよ。クソ真面目でひたむき、絵に描いたようなお前の
息子だ。だがユエリは何者だ？顔は明らかにエリーの血筋…だがどことなくお前の面影
もある。そして何か、影を背負っている…何故だ？何故あんなのが存在している？」
「本人に聞いてみればいいでしょう。きっとすぐ、あなたに会いに来ますよ」
「そうだな…そうさせてもらう」
「どうやらもう、ドアの前で待ち構えているみたいですね。それでは…」
そう言い残し、エヴィンは病室を出ようとする。そんなエヴィンに、ディルナはもう一度
背後から声をかける。
「エヴィン」
「はい」
「迷惑かけるな」
「お互い様ですよ」
振り返り笑うと、エヴィンは病室をあとにした。エヴィンが病室の外で待つアーサーとユ
エリに会ったのは、その直後だった。
---------------------------------------------------------------------------------
「ディルナさんは決して、君のことを気にかけていないのではない…ただ、自分の人生
で誰かに面と向かって感謝されることは決して許されないことだと思い込んでいる。事
情も事情だし、年も年だ。おそらく生涯、この考えを変える気は無いだろう」
「そんな…どうすることもできないの？」
すがるような目のユエリに対し、エヴィンは静かに首を横に振った。
「悪いけど、僕にあの人の人生にそこまで踏み込む資格は無い。いや、きっと誰も…」
「………」
エヴィンの回答にユエリはしばらく無言だった。そして手元にあったジンジャーエール
を一口飲んで目をつぶると、ディルナと病室で二人きりになったときの事を思い返した。
ユエリが話しかけようとしたとき、ディルナが言ったのは
“失せろ”
“貴様のことなど知らん”
“お前が何者であるか、なんの興味もない”
だけだった。その言葉で完全に心が折られて、病院から逃げ出した。でも、何の興味
もないという言葉は嘘だった。
思えばディルナは自分のことを見ようともしなかった。窓の外を見ながら、それらの言
葉を吐き捨てただけだった。だからそのときのディルナの表情はユエリには分からない。
（もしかしたらあのとき、あの人の表情は…）
そう考えると、ユエリの気持ちはずっと楽になった。
「ありがとうエヴィンさん」
目を開き、何かを決心した表情でユエリは言う。
「今回のことが終わったら、私、もう一度あの人に会おうと思う。分かってもらえる自信は
無いけど、首根っこ掴んででも話を聞いてもらう」
「そうか」
「だからそのとき、胸を張っていられるためにも、明日の事、成功させてみせるわ」
「頼りにしてるよ」
心を一枚強くしたユエリの言葉を聴きながら、エヴィンは優しく頷いた。
「ところでエヴィンさん、もう一つ聞きたいことがあるんだけど…」
それから二十分、食事がだいぶ進んだところでユエリがまた口を開く。
「何で、今回は自分が動く気になったの？シェリーがネオパルマに行っても、アーサーが
傷だらけになっても、自分で動こうとはしなかったのに…」
「そういう言い方をされると、ちょっと心外だな」
苦笑いしてエヴィンは答えた。
「シェリーには護衛をつけた。最初は身分を隠して、寮のルームメートとして潜入してもら
ったが、少し前に事情を明かしたようだ。アーサーはこの星で、君とチームを組んでいる
限り大抵のことは大丈夫だという目算もあった。ただジニーは…ジニーだけは何かあっ
たら自分が動こうと最初から思っていた」
「どうして？」
薄々理由は分かっていたが、それでも疑問の言葉がユエリの口から出る。
「ジニーを見ていれば分かるだろう？」
「ええ。エヴィンさんの言いたいことは大体。だけど…」
「だけど？」
「だけどジニーはたぶんそれに、疎外感を感じていたわ…」
「なんだと？」
ユエリの言葉で、エヴィンの表情が明らかに変わった。眉間に皺が寄り、睨むような視線
をユエリに向ける。その急な表情の変化にユエリは息を呑みかけたが、それでも気後れは
するまいと呼吸を整える。そして淡々と、昨日の戦いについて自分が知っている全てを話し
た。
「ジニーは、みんなに認めてもらいたがっていた…マインドコントロールは受けていたけど、
完全じゃなかった…私を威嚇したときも、マジックを当てようとはしなかったし、叫ぶ言葉に
魂がこもっていた…」
なんとかそこまで言うことはできたが、そこから先何を言えばいいのか、ユエリには分から
なかった。エヴィンの表情から言葉を選ぼうにも、彼の顔はまるで全ての感情が抜けたよう
で何を言っても不正解になりそうな気がする。
「ありがとう、ユエリ」
そのままの無表情でエヴィンは言った。
「アーサーに話を聞いたとしても、おそらくそのへんは言わなかっただろう。君から話を聞け
てよかったよ」
「エヴィンさん…」
「けど今はジニーの気持ちは脇に置かせてもらう。大切なのはあの子を取り返すこと、そし
てキースという男を、私のことがトラウマになるくらいに叩きのめすこと、それだけだ」
「ええ…頑張りましょう！」
（この人は吹っ切れている…この人はブレない…）
エヴィンの目を見たユエリは心の中でそう頷いた。
そして翌日…
午前七時半、朝食を終えた二人はホテルを出た。荷物は最低限、エヴィンは素手で、ユエリ
は愛用のロッドを隠し持っている。
「作戦を開始するぞ」
「了解」
短い言葉を交わすと、二人は別方向に歩き出した。
午前七時四十五分、教団施設の裏口では警備員室で青年が一人、モニターを注視していた。
徹夜の警備だったので正直眠い。そんな彼の見ているモニターの一つを、影が横切った。
「！？近いぞ！？」
彼がそれに気づくと同時に、部屋の外からコンという音もする。青年は状況確認のため、警
備員室から飛び出す。が、飛び出したと同時に彼は首筋に鈍器の一撃を喰らい昏倒した。
「おやすみなさい」
鈍器の主、ユエリはそう言って気絶した警備員から鍵を奪い、掃除用具入れに押し込んだ。
そして掃除用具入れをガムテープで何重にもグルグル巻きにすると、警備装置のスイッチを
次々に切る。
「もしスイッチやブレーカに割り当てが書いてあるようだったら必要なのを切ってくれ。何も書い
ていなかったら、下手にいじらない方がいい」
それがエヴィンの指示だった。ユエリは携帯電話で状況をエヴィンに告げる。
「こちらユエリ、警備室の制圧に成功。言われたとおり、正面以外のモニタと警備は切ったわ」
「わかった。電話は切らないでおいてくれ。状況については、逐一報告を頼む」
答えるとエヴィンもハンズフリーを耳につけ、行動を開始した。
午前八時ちょうど、エヴィンは施設の正面玄関に向かう道を真正面から歩いていた。まるで
朝の散歩のようにゆっくりとしたその歩みに団員達は猜疑と混乱を加速させる。結果、彼らは
エヴィンとの距離がまだ二十歩以上あるうちに守衛の役目を放棄し、建物の中に転がり込み、
中から鍵をかけた。
「やれやれ…鍵代くらいは置いていこうか？」
扉の前でそう笑うとエヴィンのセイバーが鍵を切断した。直後に彼はドアを蹴り開け、怯む守
衛の一人を捕まえる。場には他にも何人かいたが、その隙に蜘蛛の子を散らすかのように逃
げ去っていた。
「だいぶ約束の時間より早く来ちゃったけど…昨日の支部長はいるかな？」
「うっ…だ、誰かぁっ！誰かぁっ！！！」
警備の男は後ろを向いて叫んだ。しかしその声は周囲に虚しく響くだけで誰も出てこない。
「あいにく優秀なパートナーがいてね。警備システムはダウンさせたし、皆が僕に気を取られて
いる間に館内の兵隊も立て続けに眠らせてくれている。今もほら…五人目撃墜だそうだ」
ヘッドセットを指差しながら、満足げな笑みを浮かべてエヴィンは語る。だが刹那、彼の表
情は一変した。
「ジニー！？なんでっ！！」
ユエリの絶叫がエヴィンの耳に飛び込んでくる。同時に施設の奥から響く爆音が、実際の部
屋の位置からとヘッドセットからと同時に響き渡った。
「ユエリっ！」
瞬間、エヴィンは首を掴んでいた男を投げ捨て、音のした方へ向かおうとする。だがそんなエ
ヴィンめがけ、何か黒く大きな物が投げつけられた。
「ちぃっ！」
エヴィンは咄嗟にそれを掌打で突き返す。感触は冷たく、少し固い。見るとそれは、すでに物
言わぬ身となった支部長だった。
「自分に注意を引き付けさせて教団の伏兵を無力化させるニ正面作戦…悪くはない。悪くは無
いですよ…ただし相手の連携が自分より優れている場合、上策とは言えませんね」
「貴様が…キース・ドーシュか」
「お初お目にかかります。エヴィン・ハランツ」
慇懃無礼という言葉そのままな態度で、キースは恭しく一礼した。
「始まりの終わりとなる日々に」トップに戻る
オンライン小説のコーナーに戻る
トップページに戻る