卒業旅行を兼ねた北京語言文化大学への語学研修、腹痛に悩まされる事が
あれば変な中国人の男にナンパされる事もあった、ボられにボられまくる
事もあった、でも妙に自分を引きつけてやまなかった中国に、学生特有の
お気楽気分で行くのもこれが最後、そう思うと何か感慨深く、また社会人
になって今パソコンのモニターを前にキーボードを叩いていても何とも言え
ない懐かしさに駆られます。
ちなみに今回の旅の目的は５つ・・・
１.アジアンポップス大量入手！
別枠コーナーをホームページに作っているあたりからも分かると思いますが
アジアンポップスにはハマりにハマってます（今も聴いてます、張宇最高！）
しかし日本で買うとＣＤ一枚三千円なのが中国ならＣＤ一枚２００円強！
テープなら一本１５０円！これは買わない手はない！前回は興味を持った
のが最後の最後だったのであまり買えなかった分もと意気込みます。
出発数日前、海外旅行の必需品であるトラベラーズチェック（旅行者用小切手）を
買うために銀行へと向かいました。そしてまずＤ一Ｋ業銀行に行ったのですが、
日本の銀行のくせに日本円のＴＣを取り扱っていないという意味不明な業務内容
だったのでＴ京Ｍ菱銀行Ｙ谷支店へと行きました。時間はもう二時四十五分を過ぎ、
そろそろシャッターが降り始めるような時間、そんな時に来た自分はよほどウザ
かったらしく、本来安全のために全てのＴＣにその場でサインを書かせなくては
ならないのに（サインを書く所が二カ所あり、一カ所は銀行で書き、もう一カ所は
換金する時にその場で書く、その二つの筆跡が一致していないと換金できない）
「では最初の一枚だけ書いてあとは家ででも」と言ってきやがりました。それって
あまりに無責任なんですが・・・
だから即座に「この場で書きます」と言い返し、銀行でサインを書きました。
（さすがにここでことさらゆっくり書くほど僕も外道じゃありませんけど）
銀行の皆様、閉店間際だからって客をあからさまにさっさと追い返すような
真似はしないでくださいね（これが数千万円の定期預金とかだったらいくら
閉店間際でもこうはしなかったように思うのは考えすぎでしょうか？）
ちなみにこの事を家族に話した時の反応は・・・
父：「まあＤ一Ｋ業やＴ京Ｍ菱はサービスって概念がなっちゃいないから」
母：「たしかに感じ悪いわね。」
姉：「あんたも意地が悪いわねぇ〜」
すいません、家を間違えました
ちょっと暗く、床はボロく、どこからとなくピーマンの臭いが立ちこめた以前とは
違い磨かれた床に高い天井、そして白を基調にしたその空港は成田空港よりも数倍
キレイでした（別に成田が汚いと言ってるワケじゃないです）飛行機が着陸した後、
空港のあまりきれいではないトイレに入るのがイヤで飛行機のトイレに入ってきた
自分の行いは全く無意味でした。（なんでこんなになったかと言うと９９年が中華
人民共和国の建国五十周年だったため大改装を行ったそうです）いつもの事ながら
たった一年でその様相を変えるこの国には驚かされる・・・ただ、表に出た瞬間には
中国初心者を頭痛に陥れる排気ガスの悪臭があったので「ああ、やっぱりここは中国
なんだなあ」と一安心（安心する理由が一般人と根本的に違う気が）
んでタクシーに乗って学校に向かったのですが、これが最悪！！！道は知らないと
言って遠回りするし（本当か嘘か不明）エンジンの水が無くなったと言って途中で
高速降りるし、その時に止まっていた間に進んでいたメーターの分の料金も請求
してくるし・・・かなり頭に来たのですが、こっち側にあまりにも理がありすぎて
口げんかになったら絶対相手を追いつめる自信があって、それゆえ却って逆ギレが
怖くてで・・・オマケにリアルファイトになったら絶対勝ち目無さそうな相手
だったし・・・空港から来た時に乗ったタクシーではこれが最低でした。ちなみに
料金は１５０元（普通は１００元前後）なり。自分の甘さに腹が立つ（ボられた事
は勿論ヤツの根性にも）ただ、コイツと車の中で話をしてた時、日本円と中国元の
レートを聞かれ、「一元１５円くらいだ」と言ったらヤツは喜々として「じゃあ
中国の金の方が強いんだな」と言ってきました。それにムッとしたので「それを
言ったらイギリスポンドよりアメリカドルの方が安いけど、みんなドルを貰った方が
喜ぶでしょ？」と言い返したら黙ってました（そうでなくとも元の下に角とか分
とかいう単位が（日本の「銭」と違い）「実用貨幣として」あるのですが）
まあそんな感じで来た瞬間から驚きやゴタゴタ続きの中懐かしの八号楼（安い寮）に
到着、フロントの小姐も僕の事を覚えていて笑顔で迎えてくれました、が・・・
「部屋はない」との冷たいお言葉。「こんだけあるのに！？一部屋くらいあるでしょ！」
とか言っても「無い」の一点張り、しかもフロントには自分同様な人が数多くいました。
だからしょうがないから１４楼（シャワー、トイレ、洗面所、冷蔵庫つき、部屋も
広いが値段も高い。初めて中国に来た時は憧れたがあまりにキレイすぎで「中国に
留学してる！」って感覚が稀薄になるのでイヤだった）へと移動、もう夜も遅いので
とりあえずそこに一泊する事にする。そしてそのための手続きをフロントでしてる時
別の飛行機で来た日本人の佐藤さん（仮名）と一緒に４元で炒飯や麺を食わせてくれる
「留学生村」に食事をしに行き（まだあったので一安心）色々と話をし、北京初日は
暮れていくのでありました・・・
それから昨日知り合った佐藤さん、それに一緒に中国に来た（しかし学校は違う）彼の
友人である野田さん（仮名）と三人で学校の敷地外に出ました。
「ここはもう半年以上住んでいて、美味い店も証明写真を撮ってくれる場所も知り尽く
しているから」と先輩風を吹かせまくって二人と一緒に校門を出る・・・と、そこに
僕らを待っていたのは一面の「更地」でした。食堂に銀行、写真やに土産物屋、ゲーム
ショップにＣＤ屋・・・それらが学校の塀の周り一キロ以上にわたり所狭しと軒を連ねて
いたのが、キレイサッパリ、一軒たりとも残すことなく無くなっていたのです！！！
中国で何が起ころうと大抵のことには耐性のついていた自分もさすがにこの事には目が
点になりました。そしてあとに残されていたのはチャチな草むら・・・
これは後から聞いた話なのですが、この学校の学長が共産党の幹部とかなり強いコネを
持っているらしく、その幹部に「学校の周囲がこんなにゴチャゴチャしているのはけし
からん！もっと緑溢れる環境にすべきだ！」と働きかけ、わずか一週間のうちに、「立ち
退き料ゼロで」全てを撤退させたらしいです。（ただし、個人で何らかの商売ができる
人は中国ではかなりの財産がある人なので、これしきの妨害を喰らっても余裕でもう
一勝負できるそうです。ま、そうでなくてもこれしきでへこたれる中国人だと思っちゃ
いませんけど）
しかし、その「緑化計画」の割に芝生の部分が土ばっかりで全然草がない事、そして
学校の敷地内で樹齢十数年はありそうな木を何のためらいも無くばっさばっさと切り
倒しているのを見ると、単に「外のメシを食っている学生に学食で食事をさせ、その
売り上げをブン捕りたい」というのが本音だと思っております。その証拠、と言うと
ちょっと変ですが、学校から外に出る門は大きく分けて３つあるのですが、その中で
最も表に出るのに便利な門がいつまで経っても閉鎖しっぱなし、というのもかなり
作為的な物を感じたり（そうでなくとも語言学院の金儲け主義は留学生仲間の間では
かなり有名、授業の良さには定評があるそうですが）ちなみに以前表にあった食堂の
うち数軒は学校の敷地内で生き残っていました。
そんなこんなで中国に慣れたつもりがまだまだ自分には計り知れない「攻撃力」が
ある事を悟った一日でした。なおこの日、早速アジアンポップス購入。
２／２３
朝起きて自分の留学ブローカーと会い、その人の手引きで入学申し込みをする予定
だったのだが、妙に人が多くブローカーの人と会えず、結局自分で手続きを済ます。
そしてそれから一人で学校の近辺を徹底的に歩き回った。結果アジアンポップスの
テープを五本入手した他以前近所のホテル「西郊賓館」の敷地内で工事中だった建物
が完成し、ボーリングやゲーム等がある娯楽センターになっていた事を知りました。
また、その娯楽センターの中に「桃屋」という名の日本料理屋（結構美味い、特に
天丼は日本の店でも通用するレベル）があったのですが、この桃屋、初めて中国に
行った時からあるのですが初めての時、速成班の時、そして今回と僕が中国に来る
度に店の場所が違う（一度目は韓国人街のど真ん中、二度目は「留学生村」のある
ビルの一階、そして今回は西郊賓館の娯楽センター・・・）という「いい加減どっか
定住しろや」と言いたくなるような店です。
なお、そろそろ来ると聞いていたのに僕の部屋のルームメートは未だ来ず、一体
何をしてるんだろう？あと寮関連と言えば「宿代を納めに来た」を「学費を納めに
来た」と言い間違えたら大笑いされた。ちっ・・・（舌打ち）
それから銀行（これも学校の表の銀行が無くなったので学校の敷地内の銀行へ、以前
閑古鳥が鳴いていたこの銀行も表の競争相手がいなくなったので大盛況）に行くと
そこの脇のテーブルの上に誰かがパスポートを置き忘れているのには（色んな意味で）
驚きました。海外ではパスポートは命の次に大事とまで言われているのに・・・
明日から授業開始。ま、ボチボチ頑張ろうか。（速成班の時ほどのやる気はナシ）
また、ようやくルームメートが到着、アメリカ人で僕より年下（見た目は自分より
年上っぽいんですが）中国語は全くの初心者だとの事、また少林寺拳法をやってて
そこから中国に興味を持ったようでした。ルームメートとの会話は当然英語。
あと紅橋行く途中のＣＤ屋とかで散々「バタフライ（コナミのダンスダンスレボ
リューションで有名な曲、あの「アイヤイヤー」ってヤツです）が流れていたん
だけど・・・流行っているのか？こっちで。
んで、そこから歩いて天安門の方へと行ったのですが・・・ここらへんは建国
五十周年の改装が特に力を入れられていた所で石畳は全て新しくなり、個人の
土産物屋も一掃、値切り交渉のできない国営商店ばかりになってました（美化
のためと言えば聞こえはいいが、ただ単に売り上げが欲しかっただけじゃ、と
ちょっと勘ぐってみたり）
ともかくやたらとキレイになった北京の中心部、あの胡散臭さを愛する者に
とってはこれはかなりショックで天安門の前も「こんなの北京じゃない！！」
と叫びたくなりました（別に本当に叫んだりしちゃいませんよ ^_^；；）
そんあゴタゴタがあった後、空港に行くためのタクシーを探しに出る。まずは
学校の側にある「エアポートサービス」という英語の立て札がある果物屋に
行ってみる。そこのオバチャン、最初ものすごい笑顔で迎えたんですが、値段を
聞くと「１２０元」と言ってくる。去年は８０元（高速道路未使用）で帰った
のに、どう考えてもボリすぎている。そしてこっちが安くしろと言うと急に怒り
だし、「高速料金も含まれている」と言うんだが、こっちが「高速料金って確か
２０元もしないでしょ！４０元もしないでしょ！」と正論を言うと、さらに怒り
だし「１２０元！乗るの乗らないの！！」と言ってくる。完全に喧嘩腰。当然
んなヤツに乗る義理なんぞないので「乗らねぇよ！」と一言言って立ち去る。
そして学内にも空港への送迎サービスがあると知り（前回使ったのもそれだった）
そこに掛け合う。そこで提示された料金は料金９０＋高速料金１５の計１０５元、
そしてここからが僕の怒濤の値切りの始まりだった・・・
「本当は８楼に入るつもりが満員だって言われて１４楼に入れられて金欠なんです！」
「今回はあくまで一時帰国、本帰国の時も絶対に使うから！」
「何も全部で８０元って言ってないです！基本料金を８０元に！」
「前回８０元だったんだから！」
「友達紹介するから！（これは結局しなかった、と言うかツアーの車が用意されて
いたりする人ばかりだった）」
「（「日本人はもっと気前がいいと思っていたんだが」との言葉に対し）日本人にも
お金のある人と無い人がいるんです、僕は『没有銭的日本人』なんです！」
などの言葉を立て続けに並び立てた結果、なんとか相手も折れてくれました。ただ、
他の人の料金納入表を見ても「１０５」の数字がズラッと並んでました。また。
「ここでここまで値切りにかかったのはアンタが初めてだ」とのお言葉もいただき
ました（汗）親が見てたら止めに入っていただろうな・・・
午後はクラスメートの神田さん（仮名）とその友人の堀田さん（仮名）との三人で
紅橋自由市場へ。二人はこっちに来てからあまり出歩いた事はないとの事で自分は
その案内役。でも結局自分の買い物が主体だったような（汗）
しかし回を重ねる毎に「値切り」の技術は向上しているように思える。ここで大切
なのは「理詰め」で値段を値切るより「笑い」を取って上機嫌にさせる事が肝要と
改めて実感。そしてそんな自分を見て一緒に来た二人も笑ってました（苦笑）
その後「新世界中心（ニューワールドセンター）」という所で夕食＆雑談。帰り道で
神田さんは「端麗」とかいうファッション雑誌を買っていました。モデルは中国人
なんですが背景は日本やアメリカ、わざわざ取材に行くとも考え辛いので、おそらく
背景は合成かと。
目の前のビール瓶を積んだトラックが、ウィンカーをつけず、こっちがすぐ後ろまで
来ているのに急に中央車線からこっちのいる左側車線に車線を変更！こっちの運転手は
必死にブレーキを踏むが間に合わずフロント部分とぶつかり破片交じりの煙が目の前
で立ちこめました（ぶつかったのが右フロントで中国の車は左ハンドルなので本当に
「自分の目の前」で煙がおきました）
そしてトラックの車を停止させ示談に入るものの相手運転手はトボけまくるので公安を
呼び再交渉、そこでもまた「あんなキズ元からあったんじゃねーの？」みたいな事を
言うのでこっちもブチ切れ公安にトラックのホイールにこっちの車とぶつかった時の
キズがある事をアピール（しかしこの公安もあんまりやる気がなかった。「とっとと
弁償して終わりにしちまえ！」的な感じ）結局トラックにはもう一人乗っていたので
トラックの運転は彼に任せ、当時運転していた人はこっちの車に乗せ、先に空港に
向かう事になりました。んでこっちが降り際に「安全運転気をつけてね〜」と言うと
苦笑いするので「俺は日本で四年間無事故だ！」と付け加えときました（ただしこれは
ウソではないもののペーパードライバー期間が多分に含まれております）
と、まあそんな事があったものの飛行機は無事に飛んでくれ帰国。機中こっちで買った
中国語版「ガンダム００８３」の小説でも読もうかと思ったのですが「落ちろぉ〜！」
という言葉が度々出てきそうな小説を飛行機の中で読むのは不吉に思えたのですぐに
しまいました（苦笑）
翌日は大学の卒業発表だったのですが卒業、教職とも無事にクリアしていて一安心。
北京に再び行く３／９まではちょっとバカンスとあいなりました。
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