夢幻之星学園
ジオの恐怖の閉じ込められ事件から１ヶ月後。
「知りたい・・・。オラキオ教授の下敷き事件の真相を」
新聞報道部の部長にして情報屋のシルカは、古文の授業中にも拘らず、そればかり考えていた。
事件はすでに３ヶ月以上前のことになるのだが、CIA並みの情報収集に長けている彼女の能力をもって
しても、依然その真相は謎に包まれていた。
（それにしても、あのフォーレン先輩の言動も怪しかったわね）
あの学園維持管理システム「マザーブレイン」の完成式典が行われた時、フォーレンが呟いた言葉に
突っ込みを入れ、彼から真相を聞き出そうとしたが、巧みにかわされてしまった苦い経験が彼女にある。
また、例のシステム開発の功績によって、兄弟揃って特例的に高等部から大学部に転籍するのではないか、
という噂が流れている。
もちろん、彼女は耳にしているのであるが、それよりも事件の真相を暴くことの方が先決だった。
かくのごとく、ぼんやりと考えていると、いきなり
「シルカ・レビニア。この文章を読んで訳せ」
と、カルシウム、いやダン先生に指名された。
授業の内容はお約束であるが、古文のお手本「枕草子」である。
シルカは立って文章を読み始めたが、「る」とよく似た昔の「い」を間違えて、失笑をかってしまった。
それならまだいいが、現代文に訳すとそれはさんざんなものだった。
これには、先生もあきれて彼女を座らせると、次の生徒を指名した。
と、これまたお約束。チャイムが鳴り、授業が終わった。
後は、終礼の挨拶があり、放課後である。
シルカはフォーレンの家に忍び込み、決定的証拠を探り出そうという、大胆な計画をたてた。
だが、それには助けが必要であったので、彼女は例の３バカトリオ、すなわち、スポンジと蟻、カマキリを金で釣り
仲間にした。これで準備は完了。決行は土曜日の夜である。
（シルカの情報収集部隊結成 by 沖野守船）
ここは、新聞報道部部室。
部長のシルカ・レビニアと３ばかトリオが、何かよからぬ綿密な打ち合わせをしている。
例のフォーレン先輩宅侵入作戦の打ち合わせである。
「で、鉄壁の防衛線を、あなたたちに破ってもらいたいのだけど、できる？」
一通りの説明をフォーレン自宅の見取り図を示しながらした彼女は、彼等に聞いた。
彼等はうなずいた。
というのも、過去、シーレン３８６乱発砲事件、フォーレン＆パイク製作ランドマスターによるひき逃げ事件
などでひどい目に遭っていて、その屈辱を晴らそうと決めていたからだ。
それに、シルカは目をつけ、金で彼等を釣り、目的遂行を果たそうという魂胆だった。
そうとも知らぬ彼等はあわれ、彼女の思惑通り、ひっかかり、加担してくれた。
「では、土曜日の夜。いいわね。それでは解散」
シルカは念を押すように彼等に言うと作戦会議を終了した。
彼等は何も言わず、部室を出て言った。
「はあ〜。なんだか心配だわ」
そろいも揃って間抜けな不良どもを送りだした後、彼女はため息をつき、呟く。
その理由は、彼女が掴んだフォーレンの自宅についての情報にあった。
学園一のコンピュータ製作者と機械技術者が住むその自宅は、ピアタ駅の東１０キロの地点にある、旧モタビア
海軍工廠跡地だったからだ。要は、兵器工場である。
問題は、その工廠がかつて鉄壁の守りを誇る難攻不落の要塞工場として作られた点である。
なぜ、彼等はそこに住むことになったかは不明であるが、果たして本当に潜入できるのかと、冷静に考えた時、
到底不可能に思えてきたからだった。
しかし、それでも、彼女は諦めない。
オラキオ教授の下敷き事件の真相を暴くためには、どうしてもそこに行って、揺るぎない確証を得るまでは
引き下がるわけにはいかないのである。
数々の不安を背に、彼女はまた誰かの噂を探しに、風のごとく部室を出て行った。
（侵入作戦会議 by 沖野守船：なんだか、芥川龍之介の「羅生門」みたいになってしもうた。
つまらなんだら、削除願います。）
そして、１週間は瞬く間に過ぎ去り、作戦実行の土曜日の夜を迎えた。
とはいえ、さすがに旧海軍工廠跡地に向かうのには骨が折れた。
例の三バカトリオは、司令官であるシルカを今や遅しと待っていた。
「ごめん、遅くなっちゃった」
おおかた壊れかけてひどい音の出るママチャリを漕いでやって来た彼女は、不安がる隊員達に言った。
「ほんま、これで大丈夫じゃろうか」
カマキリ、グラスキラーはふと思った。
「さあ、作戦実行よ」
と、遅れて来たのもなんのその、てんで気にしていない彼女が言う。
かくして、作戦、名付けて「オラキオ教授下敷き事件解明、真相暴露作戦」（えらい長い作戦名じゃな・・・）
が発動した。
向かうは塀の向こう、鉄壁の要塞と思われるフォーレン先輩の自宅。
しかし、塀を越えると、そこにあったは鉄壁の要塞どころかみすぼらしいバラック小屋が１軒あるきりだった。
これには、乗り込んだ情報収集作戦部隊はいささか拍子抜けしてしまった。
「ちちちがうじゃ、あ〜りませんか」
スポンジ、マンカバーがかの有名な吉本新喜劇チャ○リー浜の口調でぼやいた。
「そんなことはないわよ。あたしの情報は正しいんだから」
と、情報ミスを強がりでごまかすシルカ。
「ゴヒッ」
何か物言いたげなアームドアント。
しかし彼は何もしゃべれなかった。（自爆！！）
「さ、行くわよ！」
３バカトリオをしばきあげて、彼女はすたこら前進した。
と、その時である。
ドッカーン
凄まじい爆発音が辺りを揺るがした。
地雷である。（すでに、対人地雷は世界的に禁止されているはずだが、不幸にも撤去し忘れられたのを彼女は
ふんでしまったらしい。）
ぱらぱらと落下する土砂を見ながら、あぜんと立ち尽くす３匹。
「確かに、確かに情報は正しかった」
アームドアントは思う。
まるで戦場である。
凄まじい煙が晴れた後、ぼろぼろになったシルカが帰って来た。
と、思われた瞬間、今度は機関砲の嵐が１人と３匹を襲った。
「な、なんなのこれえ〜」
びびりまくるシルカ。
こんなトラップは彼女の情報にはない。
もちろん、深く調べてもないのだが・・・。
無数に飛んでくる弾を必死にかわすが、なかなかおさまる気配はない。
「て、撤収よ」
涙を呑んで、撤退を宣告するシルカだった。
「お前ら、そこでなにしとんじゃ」
こそこそと、逃げ出す彼女らの後ろから、図太い男の声が飛んで来た。
驚いて振り向くと、そこに迷彩服を着たルドガー先生が立っていた。
「いえ、あのその・・・」
言葉を失うシルカ。
「まあ、詳しい話は、ここではなんだから、わしの家で聞こう」
「へ？ここって、フォーレンの家ではなかったの？」
「何を言う。ここはわしの家じゃ。あいつの家は向こうだが？」
不思議そうな表情で答える先生。
なんてことだ、とシルカはつくづく思った。
フォーレン先輩の家と思っていたのは、実はルドガー先生の家だったのであった。
（作戦決行の夜 by 沖野守船；すま〜ん。ファンタシースターのファンよ、
許せ。暴走が始まった。でも書きたかったし・・・。くだらんかったら削除願います。）
ここは、所変わってみすぼらしいバラック小屋。
ルドガー先生のお宅である。
「ふむ、なるほどな。そういう訳だったんか」
迷彩服を着た先生は、彼女達のいきさつを聞いて、ようやく納得した。
「で、それはそれとして、人ん家に勝手に潜入するのはようないんじゃないかい？」
「うっ」
見えない鋭い刃物が何本も彼女の胸にまたしても刺さった。結構、シビアである。
作戦は、作戦は失敗に終わるのか。
と、思われたが、正当な彼の言葉とは裏腹に、
「おもしろそうだから、わしも入れて」
の一言で作戦は一応面目を保った。
実は彼、教員になる前、海軍特殊部隊に所属していた腕利きの戦闘員だったのだ。（もちろん、この事実は情報屋
たるシルカも、いままで知らなかったことである。）
そして、再び作戦会議が開かれた。
「いいか、隣のフォーレンの家（隣といっても、数百メートル先だが）は、君の情報どおり、鉄壁の要塞である。
よって、その周囲には、地雷、連動機関砲が埋設、または装備され、何人も入りがたい、特殊な環境であります」
元軍人、ルドガー先生は説明した。
「で、それを破るにはどのように？」
「まず、地雷であるが、おそらく対戦車用であるため、人が乗っても（そんなアホな）大丈夫と思われる。
ひきつづき、連動機関砲であるが、これは要塞守備・・・」
長い長い解説のため、ここに列挙するには到底紙面が足りぬ。
こうした、質疑応答がえんえんと続き、終わったのは日曜日の明け方だった。
作戦、オラキオ教授下敷き事件解明、真相暴露作戦は、戦争マニアの先生を巻き込んで、日を改め、再度実行される
運びとなった。次に実行されるのは、次週の金曜日の夜である。
さて、この作戦いかなる結末を迎えるか、作者自身も知らぬが、おそらく波瀾に満ちたものになると予想される。
未来のことは分からないのだ。
（作戦本部会議 by 沖野守船 ：ぼ、暴走がああ。うおおっ。なんか脱線した）
さて、夢幻之星学園の面々が平和な日常を過ごしているその時、
ここ、デゾリスの奥地にある私立我留部留苦（がるべるく）学園ではある恐るべき陰謀が動き出そう
していた。
我留部留苦学園・・・そこは、不良、暴走族、チーマーなどのあらゆる問題児が我が物顔で歩く
アルゴル一偏差値の低い学園であり、別名「かす校」「少年院予備校」「悪の巣窟」などと呼ばれ、
地域住民から恐れられている。
その中でも最悪のチーマー「ダークフォース」の幹部一同に緊急召集がかけられる。
ウイスキーの瓶が辺りに散らばり、落書きだらけの校長室に集まった、幹部のメンバー達。
「うおお、総長、今日は何の用でわしらを呼びつけたんじゃい」学園応援団長カオスブリンガーが
熱血気味に叫んだ。
「つまらない用件だったら・・・・・総長、あんたでも殺るぜ」アルゴル中の暴走族のリーダー、
ダークライダーが美しい顔を凄ませる。
「せっかく、今日は僕ちゃんインターネットで爆弾製造法を検索しようと思っていたのに」
暗黒科学部部長イマジオメイジがぶつぶつと文句を言う。
そんな個性的なメンバーの前で総長ダークファルス（本名深遠（ふかとお）死阿無（しあむ））が
重苦しい口調で指令を伝える。
「ママからの指令だ、夢幻之星学園という田舎もんの学校を叩きつぶせ」
「闇子理事長の直接指令か・・・で、理由は？」
ダークライダーが胡散臭そうに尋ねるとダークファルスは強面の顔のまま目にキラ星をうかべ、
「だって〜ママがね、昔、そこで〜、とんでもな〜くひどいいじめにあって、今でも、根にもっているの
〜。だから〜夢幻之星学園をボコボコにしちゃえば〜ママが僕を頭ヨチヨチしてくれるの〜・・・・・・
（口調を変えて）そういうことだ。わかったか！！」
幹部一同は白い視線で、
幹部全員「あの、総長・・・・・」
ダーク「なんだ！！」
幹部一同「頼むから部下達の前でその言葉を使うのはやめてくれよな・・・・・・」
ダーク「・・・・・・やっぱり？」
こうして動き出したダークフォースの恐ろしい（？）陰謀！！
はたして夢幻之星学園の運命やいかに
そして、また１週間があっという間に過ぎ去り、作戦再実行の金曜日の夜を迎えた。
「準備はよろしいか？では、始めるぞ」
例のバラック小屋総本部、ルドガー先生宅で、作戦発動命令が下された。
「当初、こんなはずじゃ、なかったのにな・・・」
張り切るルドガー先生をみながら、作戦の言い出しっぺのシルカは思った。
向かうは総本部の隣、数百メートル先の鉄壁の要塞とされるフォーレン先輩の自宅。
この時ばかりは攻略に集った３匹の頼り無い隊員達の士気は、なぜか高かった。
だだっ広い旧海軍工廠跡地を駆け抜け、部隊は進む。
「全軍止まれ〜。小休止」
にわかに、図太い先生の声が響く。
「ここから先は、とてもデンジャラスな領域になる。みんな、心して進め」
と、先生は士気盛んな部隊の（と、言っても二人と３匹の少数部隊だが）隊員に言った。
地雷が炸裂するか、機関砲の嵐が舞うか、それぞれどきどきしながら一歩を踏み出す。
しかし、何も起こらなかった。
「ん、あれは？」
「シルカだ。それにルドガー先生、３バカトリオまでもがいる。さて、いったいなんだろう？」
自宅にいて、赤外線暗視監視カメラを何気なく見たフォーレンとシーレン３８６は、その映し出された動きの怪しい
一行を、少しばかり変に思った。
「ま、まさか・・・」
「何？兄さん」
アンドロイドにも拘らず、ダークブルーに表情が変わったフォーレンを見て、シーレン３８６が聞く。
「いや、ちょっとな。しかし、これはまずい。非常にまずい」
「？？？」
何のことか分からないシーレン３８６。
フォーレンは、弟に言うべきか言わざるべきか、コンピュータが狂いそうだった。
あの時、事実をそのまま言うべきだったのかもしれない。（こうなったいきさつは学園式典１を参照）
そうこうしているうちに、彼等が入って来る靴音が聞こえて来た。
「セキュリティーシステムレベル５作動」
フォーレンはこの自宅に仕掛けられた、複数のセキュリティーシステムを作動させ、彼等を強制的に撤収させるべく
行動に出た。
「兄さん。もしかして、あのことを喋ったのでは？」
このただならぬ気配に、シーレン３８６はオラキオ教授下敷き事件に関する真相を、兄が漏らしたのではないかと
思い、さり気なく聞く。
「言ってない。ただ、危うく口を滑らすところだったけどね」
シルカの誘導尋問にひっかかりそうになったことだけを、兄は認めたが、それ以外は何も言わなかった。
「ぎゃああ〜」
シルカの悲鳴が聞こえて来た。
ちゃちなトラップに引っ掛かったのであろうか。
いや、それは違っていた。
こともあろうに、彼女は間違えて入った、メンテナンス工場のなかで、バラバラになったシーレン３８６本人
と同型のアンドロイドを目撃していたのである。
もちろん、このばらばらアンドロイドは軍からの払い下げのスクラップであり、兄弟の貴重な修復用部品である。
ここで、恐ろしい勘違いが生まれる。
部品取り用のばらばらアンドロイドを目撃した彼女は、てっきりシーレン３８６が分解されているのだと思って
しまったのである。
すっかり、びびってしまったシルカは辺りを見回した。すると、今度はフォーレンと同型のアンドロイドの残骸が
目についた。
「いったい、ここはどこ？」
シルカはもはやパニック状態であり、自分がどこにいるのかさえ分からなくなって来た。
「せ、せんせぇ〜」
情けない声を出して、ルドガー先生を呼ぶ彼女。
しかし、その一方でルドガー先生は３ばかトリオと一緒に迷ってしまい、うろうろと出口を探しまくっていた。
いったい彼等は何をしに来たのであろうかと思われるくらい、間抜けていた。
「やれやれ。全く・・・」
一部始終を監視していたフォーレンは重い腰を上げ、この間抜けな闖入者の救出に向かった。
もちろん、シーレン３８６も一緒である。
救出は難航した。
シルカのいる場所はすぐに分かったのだが、ルドガー先生と３ばかトリオの居所は、内部を知り尽くしている彼等で
さえ発見できなかったのである。
ゴ〜ンンん ガッガッガッ ウィーン ド〜ン
シルカを救出して、行方不明の彼等を捜索する二人。すると、なにやら重たい物を持ち上げる音が床の下から
聞こえてくるではないか。それと同時に、振動も伝わってきた。
「地下秘密兵器格納庫異常発生。作業員は急行せよ。作業員は原因の解明ため急行せよ」
ここがかつて海軍の旧工廠であることは、前にも述べた。だから、何があるか分かったものではない。
サイレンが鳴り緊急放送が流れる中、フォーレンとシーレンは、もしかしたら彼等は地下秘密兵器格納庫にいるの
ではないかと思って、現場に急行した。
「先生、そこで何しているんですか」
地下秘密兵器格納庫に行くと、ルドガー先生と３ばかトリオが、恐ろしくばかでかい、巨大な長距離砲の前で、
装置をあっちこっちいじりまわしていた。多分、出口のドアを開くものだと思っているらしい。
「せんせ〜。それ、あぶないっすよお〜」
我を忘れて、いじりまわす彼等にシーレンが叫んだ。
が、時すでに遅し。
海軍が開発して、そのまま忘れ去られていた長距離砲が突然動き出したのである。
これには、誰もびびったのは言うまでもない。
慌てて離れるルドガー先生と３ばかトリオ。
やがて格納庫の天井がゆっくりと開き、そして黒光りする長距離砲の砲身が地上に出た。
フォーレンとシーレン３８６は、それを止めようと装置の台に飛び乗ると、緊急停止ボタンを押したが、壊れていて
止まらなかった。
「伏せろ。発射するぞ！！」
フォーレンが叫ぶ。
ズウウ〜ンン
彼が叫んだ瞬間、長距離砲が火を吹いた。
激しい衝撃波が辺りを包み、やがて静寂が訪れた。
「大丈夫ですか？先生」
放心状態になっているルドガー先生に話し掛けるフォーレン。例の３ばかトリオは衝撃波の影響をもろに受けて、
壁にめり込み、シーレンが引っこ抜く。こうして、シルカによる作戦はたいした戦果を挙げることなく、失敗に終わり、
フォーレンとシーレン３８６に多大な迷惑をかけただけだった。
で、発射された長距離砲の砲弾といえば、海のはるか彼方で繰り広げられているアドバンスド海戦において、
無敵の不沈戦艦率いる敵艦隊を一挙に藻くずに変え、連合軍に勝利をもたらしたのだった。
（侵入成功 その果ての結末 by 沖野守船 ；長かった。ぶち長かった。脱線が脱線が．．．。大本営発表
敵艦隊、謎の砲弾により壊滅せり。我が艦隊戦わずして勝利せり。ってか。（冗談よ））
フォーレンがシルカとルドガーそして3ばかトリオを救出していた
その時、地下兵器格納庫の最下層で我留部留苦学園応援団員の
デスベアラーは長距離砲の発射音に驚き腰を抜かしていた。
「なんじゃい、この学園は、田舎もんの学園というから、この
極秘任務も楽勝で、後はのんびり休暇だぜ〜いと思って来てみたら、え、
なんで普通の学校に長距離砲や、爆撃機、宇宙戦艦まであるんじゃい（泣）
おまけにこの施設セキュリティシステムが厳重で、虫型ロボットに
追い回されるは、レーザーカノンで撃たれるは、とどめにこの長距離砲
の発射サイクルに巻き込まれ、50ｍも階段から転げ落ちるはもう
最悪じゃい！！」
ぼろぼろになりながら愚痴をこぼすデスベアラー君。
彼が受けた極秘指令とはイマジオメイジが開発した超高性能爆弾で
夢幻之星学園を爆破するという恐ろしい計画だったが
エージェントがこの様では失敗するのも当然であろう。
なおも愚痴をこぼすデスベアラーであったが、
「そこに誰かいるのでしょうか？」
たまたま巡回にきていたフレナが彼を発見した。
フレナ「まあ、大変！！けがをされているではありませんか」
突然目の前に可愛い少女に現れたのでデスベアラーは
しどろもどろになりながら、
デス「こ・・・こんな傷なんともなか！！」
と突っぱねて見せる。が、フレナは気にせず
「ちょっとだけじっとしていてくださいね。メディカルパワー」
少女の手から淡い光が放出され傷をたちまち治していった。
フレナ「はい終わりましたよ。以後気をつけてくださいね。」
そう言うとフレナはまた巡回の仕事にもどっていた。
後に一人残された、デスベアラー君はわなわなと身体を振るわせている
「か・・・か・・・感動じゃ！！！彼女いない歴18年、生まれてこのかた
女子にあんな手厚い看病を受けるなんて感動じゃ〜」
フレナにひとめぼれしてしまった、デスベアラー君はたして彼の恋の
行方やいかに！！
・・・・・おいおい極秘任務はどうした？
（アビスですこんな小説ですがいかがだったでしょうか？続きにこうご期待）
かくのごとく、シルカの作戦大失敗が闇に葬り去られ、レテ河（注：三途の河のこと）のほとりにその記憶が人々の
脳裏から捨てられた頃。
事件といっても日常茶飯事の、ごくありふれたささいな出来事の中で、かつ平和な日々が送られている
ここ、夢幻之星学園。
しかし、その平穏な日常は、ある一本の電話によって一変した。
「はい。夢幻之星学園でございます。え、なんですと。は、はいはい。それで。はあ、・・・分かりました。すぐに
対応をいたしましょう。では失礼いたします」
電話の応対をしたラ・シーク教頭は受話器を置くと、にわかに信じがたい表情を浮かべて黙り込んでしまった。
電話の相手先はラデア国立学園からであった。内容は、我屡愚部瑠苦学園の学生が突如押し寄せ、たちまち乱闘が
始まったあげく、焼き討ちされたというのである。
「教頭先生。どうなさったのです？」
深遠な真理を追求し、思索上の大きな壁にぶち当って悩む哲学者のごとく黙りこくっているラ・シーク教頭に
保健教諭のアンヌ・サガが尋ねる。
「いやはや、あまりにも信じられぬ話だったのでな・・・」
「まあ」
ラ・シーク教頭からさっきの電話の件を聞いた彼女は、思わず眉をひそめた。
我屡愚部瑠苦学園に関してあまり評判のよくない噂を彼女は耳にしていたからである。
「放課後、緊急職員会議を開きたいと思う。で、すまんが、他の先生方にもそのことを伝えてもらいたいのだが」
「わかりました。では、さっそく伝えますわ」
苦虫を噛み潰していなくても、威厳のある表情をした教頭は、アンヌ・サガに頼んだ。
午後４時。
職員会議室に、先生方が集まり、緊急職員会議が開かれた。
ラ・シーク教頭はラデア国立学園で起きた、前代未聞の、あまりよろしくない事件についてを語った。
会議室は、この信じがたい事件の話にどよめき、そして驚きの声があがった。
「で、その事件に関してですが、警察は」
数学教諭ケイン・サ・リークが質問する。
「警察は当然動いた。しかし手におえなかったらしく、ラデア陸軍駐屯所から、一個中隊が鎮圧に向かったらしい。
要は、それほどまで激しかったみたいだぞ」
ラ・シーク教頭は答えた。
会議室は、この深刻さに静まり返り、気味の悪い雰囲気が漂い始めた。
「で、とにかくなんとかしなくては、我々もやられてしまうでしょう」
「それで、こうして集まっておるのだろうが」
ルドガー教諭が半分いらだった口調で言う。
「さて、この問題についていかなる手段を講じればいいのやら、全く見当もつかん」
会議は、最終下校時刻を過ぎ、時計の針が８時をさしても終わらなかった。
しかも、それでいて対策手段は何も出てこない。
時間だけが無情に過ぎてゆくだけである。
「はあ、それにつけても難しい問題ではあるな」
ラ・シーク教頭はため息をついた。
後少しで任期が切れるという時に、降り掛かったこの災難は彼にとって在任中のあらゆる出来事の中で、もっとも
最悪のものらしい。同情したくなるほど気の毒である。
「そういえば、この学園に伝統的な何かがあったような気がしますが？」
落胆と絶望の雰囲気、暗い暗い影が漂い始めた時、ダン教諭が何かを思い出したように言った。
「伝統的なもの。それはいったいなんだ？」
「あれですよ、あれ。ほら、何かあった時、学園に災難が降り掛かった時。団結して乗り切るという伝統があった
じゃないですか」
「そうか、そういう伝統があったなあ。よし、それでいこう」
ラ・シーク教頭は、ダン教諭の発言に、はたとひざを叩いた。
この学園、見た目はのんびりしているが、何かあった時、団結して難を乗り切るという、超大昔の時代の精神論的な
発想から生まれたような、伝統がある。
これをもってすれば、たとえいかなる不本意な出来事、あるいは災難が降り掛かろうが、その強力な力でいとも
簡単に打ち破ることができる、と信じられているのだ。
職員会議はそれから間もなくして終わった。
先生方が立ち去り、ただひとり残されたラ・シーク教頭は金庫から、古びた信号ラッパ（あの有名なコマーシャル
ラッパのマークの正○丸のテーマで使われているあれである）を取り出した。
伝統の規則によれば、これを吹くのは生徒会長、もしくは副生徒会長とされている。
「しかし、奴はこれを吹くことができるかのう」
ラ・シーク教頭は呟く。
奴とは、五代様ことスレイである。
伝統が受け継がれている証として保存されている信号ラッパを果たして、彼が吹いて、いや吹けるのかそれが教頭
にとって唯一気掛かりなことだった。
（学園受難曲前夜 by 沖野守船 ：すま〜ん。アビスさん。また脱線してしもうた。）
学園が緊急事態におちいる中、そんなこととは関係なく
（本当は思いきっり関係しているのだが）
デスベアラー君はフレナの後を見つからないように
追跡していた。（そういうのをストーカーという）
「く〜フレナちゃんＩ Ｌａｖｅ ｙｏｕじゃ〜！！
あの緑色の美しい髪も、あどけない表情もたまらん
・・・もう我慢できん。お・・思い切って
告白timeじゃ〜！！フレ・・・・・・ナちゃん？」
その時、彼は見てしまった。彼女がフォーレンと仲良く
会話している所を。
が〜〜〜ん！！
彼は一瞬にして真っ白く燃え尽きた。
「・・・・・フレナちゃん。わしだけのフレナちゃんじゃ
なかとね（涙）・・・・・・もういい！！丁度他のメンバー
も、破壊活動を開始したようじゃな。わしもこの学園を爆破
しちゃる〜！！！」
嫉妬の炎に身を焦がし彼はかばんの中に入っていた爆弾を
手に取ろうとしたその時、
謎の声「甘ったれるな！！」
デス「だ・・・誰じゃい！！！」
デスベアラーがそう答えると3つの影が「とう！」とジャンプした
「会員番号001ポリツッアイｓ〜ｓ！！！」
「同じく会員番号002ポリツッアイＡ〜ｘ！！！」
「そして会員番号003ポリツッア〜イ！！！」
唖然とするデスベアラーの前で彼らはどこかの特撮でみたような
きめポーズで「我らフレナ親衛隊！！！」
後ろでは3色の爆発がおこる。
「いくら相手に好きなものがいようと、暖かい目で見守るのが、
真の愛に生きる者の定め！！ましてや、彼女に振られたからと言って
学園を爆破するなど彼女に恋する資格なし！！！」
痛い所をつかれ黙り込んでしまうデスベアラー君
だがそんな彼にフレナ親衛隊はあったかい手を差し伸べる。
「さあ、そんな後ろ向きな考えなど持たず、みんなでフレナちゃんを
見守ろう。君も今日からフレナ親衛隊会員004だ
今なら、このフレナちゃんプロマイドに、フレナちゃんフィギア、
そしてこのフレナちゃんサイン入り色紙を君にあげよう！！」
デスベアラーは涙をぼろぼろ浮かべ、
「おんしら・・・・なんて熱い男たちなんじゃ〜！！」
親衛隊「さあ、君もあのフレナちゃんのような夕日にむかって
走ろうじゃないか！！」「おう！！」
こうして熱いばかどもは夕日に向かって走っていった。
それから2日後、悪の巣窟我留部留苦学園。
「ちくじょ〜！！デスベアラーの奴、あの学園の女子どもに
毒されおって、うらやましいもとい、軟弱なあほたれが〜」
カオスブリンガーが、デスベアラーの手紙を見て、男泣きに泣きながら、
彼のかばんをふみつけていた。中からはフレナちゃんグッズでいっぱい
だったからだ。
ダークライダーが、手紙を拾いよみあげる。
「え〜となになに、”ここで素敵な出会いがありました。探さないでください”
だとよ、他の連中が頑張っていると言うのに情けないなーって聞いていないか」
このこのとかばんをふみつける彼を尻目に、イマジオメイジガ納得いかない顔
で疑問を言った。
「おかしい〜な僕ちゃんの自慢の爆弾は時間がくれば自動的に爆発するよう
なっているのに？」
ダークライダーが手紙をふと見ると小さな字で続きが書いてある。
「追伸：なお先輩自慢の爆弾は不良品だったので、かばんにいれて送りました
どうか他の学校で使ってください・・・・・・・おい！ちょっと待てカオス・・」
ダークライダーがカオスブリンガー止めようとした矢先、爆弾が爆発した
吹っ飛ぶ校長室・・・・・・
「うひゃひゃひゃひゃ、やっぱり僕チンの爆弾は完璧だったんだ。うひゃひゃひゃ」
ダーク「おい、カオス」
カオス「なんでごわす。」
ダーク「ちゃんと踏みつける前に中身は確認しような・・・」
黒焦げになり呆然とたちつくす3人
吹き抜けるデゾリスの風は普段にもまして冷たかった。
（あびす、まだまだ続くがルベルク学園のばか騒ぎ次回をおたのしみに
沖野さん続きを楽しみにしています。）
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