ドラゴンファンタシーＺ
その６：最終決戦・ＶＳセル編
グラセル「ようこそ、みなさんおそろいで。」
ファル「お待たせしたわね。わざわざ一日待ってくれてありがとうと言っておこうかしら。」
ルシェンクス「もう地獄のような未来はたくさんよ・・私達は絶対に負けない！」
ルイ「お母さんとルシェンクスさんがいてくれるんだ・・絶対勝てる！」
グラセル「ところで一つ提案があるのだがいいかね？」
ファル「なぁに？多少の事なら聞いてあげるわよ？」
グラセル「お前達とは一人ずつ一対一の戦いをしてみたい。お前達三人中一人でも私を倒す事が
出来れば君達の勝ちだ。つまり私は３回も戦わなければならない。もしかしたら私も
途中で疲れるかもしれないしな。どうだ、悪い話じゃないだろう？」
ルシェンクス「ふざけないで！なんでわざわざ私達が力を分散させるような真似を
しなくてはいけない！」
ファル「いいわ、その提案受けましょうグラセル。」
ルシェンクス「ファ、ファルさんっ！？」
ファル「大丈夫よルシェンクス。私には考えがあるの。それよりもグラセルに聞きたい。
なぜわざわざ一対一の勝負をしたいというの？」
グラセル「そうだな・・・しいていえば楽しむことかな？せっかくの戦いをすぐに終わらせても
つまらないしな。まぁゲームだと思ってくれればいいさ。」
ファル「なるほどね、じゃあまずは私が戦いましょう。」
グラセル「なんだ、いきなりファルの登場か？楽しみは一番最後にとっておきたかったのだがな。」
ファル「まぁそう言わないでよ。ホントの楽しい時間はちゃんと用意してあるんだから。」
第１戦、ファルＶＳグラセル。
はためには両者のレベルは五分といった感じだろうか？
しかしどちらも本気を出しているような気配は感じられなかった。
ファル「ふぅ・・・まいったわ。降参よ。私の負けよグラセル。」
ルイ＆ルシェンクス「え！？」
グラセル「なに・・・？」
ファル「ホントあなたは強いわ。おそらく私が全力でやってもあなたには勝てないでしょうね。」
グラセル「お前達の中で一番強いファルが降参だと・・？勝負を捨てたのか？」
ファル「いいえ、この中で一番強いのは私じゃないわ。そう、一番強いのはルイ、あなたよ！」
ルイ「え！？」
ファル「ルイ、後はあなたに任せたわ。次の試合、あなたがグラセルを倒すのよ。」
ルイ「む、無理だよお母さん。お母さんでもかなわないグラセルを僕が倒すなんて。」
ファル「何言ってるのよ、あなたは私なんかよりもずっと強いわ。自信を持ちなさいルイ！」
ルイ「・・・・・わかりました。やってみます。」
グラセル「ふっふっふ、ガキの分際ですっかりやる気になっているようだな。」
ルシェンクス「とうさ・・あ、いえ、ルイさん。がんばって下さい！！！」
ルイ「ありがとうございますルシェンクスさん。ではいってきます。」
グラセルの前にルイがゆっくりと向かっていった。
そしてグラセルと対面するとルイはスーパーニューマンへと変身した。
グラセル「ほう・・お前もスーパーニューマンになれるのか？たいしたもんだ子供のくせに。」
ルイ「・・・・・・・・」
第２戦、ルイＶＳグラセル
確かにルイは子供とは思えないほどに強かった。しかしグラセルの強さには及ばないようであった。
ファル「ルイ、どうしたの？あなたの力はまだまだこんなものじゃないはずよ？」
グラセル「それはかいかぶりじゃないのかねファルよ。それとも自分の息子はひいき目で見てしまう
のかね？スーパーニューマンともあろう者がたいした親バカぶりだな。」
ファル「ふふふ。グラセル、いずれあなたも私の言ってる事が理解出来るわ。」
ルイ「ねぇ・・グラセル。こんな事はもうやめようよ。僕はお前を殺したくはないんだ。」
グラセル「ふはははは！私を殺す？お前がか？いきなり何を言い出すかと思えば。血迷ったか？」
ルイ「僕は小さい頃からカッとなると怒りでわけがわからなくなって、自分でもコントロール出来ない
すごい力を出してしまうらしいんだ。きっとお母さんはその事を考えて僕がグラセルに勝てる
って言ったんだと思う。・・でも僕は誰も殺したくないんだ！お前のような奴でも・・・。」
グラセル「所詮は子供だな。そんな事で私がおじけづくとでも思ったか？それよりも何がなんでも
お前を怒らせてみたくなったぞ！」
ファル・ルイ・ルシェンクス「！！！」
グラセルはルシェンクス目掛けてダークファルス直伝の光壊線を発射した。
ルシェンクスはその超高速光線に反応出来ていない。これは直撃コースだ。
だが間一髪のところでルイがルシェンクスをかばった。しかしその時にルイは光線を左腕に直撃
してしまい、もはやその左腕は使い物にならなくなってしまっただろう。
ルシェンクス「ルイさんっ！ルイさんっ！大丈夫ですか！？」
ルイ「う、うん・・大丈夫。ルシェンクスさんの方こそケガはない？」
ルシェンクス「私は大丈夫です・・・ルイさんがしっかり守ってくれたから・・・。」
ファル「グラセル！一対一の戦いがしたいと言ったのはあなただったはずよ！！！」
グラセル「はっはっは、私は楽しむ事が目的とも言ったはずだが？」
ファル「許せない・・・！」
グラセル「次はお前の番だファル！せいぜいルイを怒らせるきっかけとなってくれよ？」
ルイ「や、やめろぉーーーーーーっ！！！」
ルディ直伝のエクスプロードでファルの元へと突っ込んでいくグラセル。
咄嗟に身体を捻りエクスプロードを交わすも体勢を崩していた先に
待っていたのはこれまたルディ直伝のソードクロスだ。
ファル「きゃあぁぁぁっ！」
グラセル「どうだ？お前の愛したルディの技で攻撃される気分は？」
ファル「ーーーっ！」
グラセル「さぁこれでとどめだ！」
ルイ「や、やめてくれ！お願いだからやめてくれぇーーーーーっ！！！」
グラセル「くらえぃ！メギド！！！！！！」
至近距離でグラセルの放ったメギドを直撃したファルは跡形も無く消し飛んだ。
ルイ「う、うわぁぁぁぁっ！お母さんっ！！！」
ルシェンクス「ファ、ファルさぁーーーーんっ！！！」
グラセル「さぁこれで怒ったかなルイくんよ？どうだお母さんのカタキはうちたくないのかい？」
ルイ「・・・・・お前を殺すぞグラセル。」
グラセル「ようやく怒ってくれたようだな。しかしどうする？お前はもはや左腕は使えまい。
右手一本でこの私に勝てるかな？」
ルイ「充分さ・・・お前も跡形も無く消し飛ばしてやる！」
ルイは脇を締めスッと後ろに右手を引きつつ身構えた。
グラセル「その構え・・・ラグランツか？ふははは！何をするかと思えばラグランツか！？
はっははは、ラグランツ程度の技で私を倒すつもりか？」
ルイ「あぁ・・倒せるさ！」
グラセル「面白い、ならばやってみるがいい！」
するとグラセルも腰を深く落とし両腕を突き出し身構えた。
グラセル「ならば私はメギドで対抗するとしよう。私のメギドとお前のラグランツ、どっちが勝つか
勝負といこうではないか。」
ルイ「ラ〜（か〜）」
グラセル「・・・・・」
ルイ「グ〜（め〜）」
グラセル「・・・・・」
ルイ「ラ〜（は〜）」
グラセル「・・・・・」
ルイ「ン〜（め〜）」
グラセル「・・・・・」
ルイ「ツーーーーーッ！！！（波ーーーーーッ！！！）」
グラセル「はぁぁぁっ！メギド！！！！！」
ルイのラグランツとグラセルのメギドが衝突する。
どちらもすごいパワーですさまじい衝撃が当たり一面にほとばしった。
ルイ「くっ、くぅぅぅ！」
グラセル「どうしたルイよ！？お前の力はその程度か！？」
ルイ「こ、このぉぉぉぉ！！！」
ルシェンクス「私もお手伝いします、ルイさん！」
押され気味であったルイの横にルシェンクスが割って入った。
するとルシェンクスはありったけの力を込めてラフォイエを放った。
ラグランツとラフォイエのエネルギー波がメギドに食らいかかる。
グラセル「こざかしい真似を。だがその程度の力でどうにかなる私ではない！」
ルイ「ぐぅぅぅぅぅっ！！！」
ルシェンクス「うぁぁぁぁぁっ！！！」
スレイ「ったく、しょうがねぇやつらだ。オレも手伝ってやるよ！！！」
今度はさらにスレイが加勢に入る。次元の穴からスレイの放ったラバータが現れ、
ラグランツとラフォイエを後押しする。
グラセル「なっ、どこから現れたそのラバータは！？」
ファル「ほら、あと少しよ。私も手伝うからがんばって！」
その時どこからともなくファルの声が聞こえた。いや、正確には聞こえた気がしたというべきだろう。
けれどもそれと同時にルイとルシェンクスは誰かに背中を押された気がした。とても温かい力で・・。
ルイとルシェンクスは確信していた・・きっとファルが手助けしてくれてるのだと。
そしてさらにはラグランツ・ラフォイエ・ラバータのエネルギー波からはまばゆい光が輝き始めた！
ルイとルシェンクスは互いの顔を見つめながら一瞬微笑んだ。
ルシェンクス「ルイさんっ！」
ルイ「ルシェンクスさんっ！」
ルイ＆ルシェンクス「いっけぇーーーっ！スーパートリニティブラスターだぁぁぁぁぁぁっ！！！」
ルイ「おわかれですねルシェンクスさん。」
ルシェンクス「えぇ、私はこれから未来の世界へ戻ってシーレンとミューを倒さなくてはなりません。
今までお世話になりました。」
ルイ「こちらこそ。ルシェンクスさんがいなければグラセルは倒せなかったでしょう。でも
ルシェンクスさんが帰ってしまうと寂しくなりますね・・・」
ルシェンクス「ルイさんはこれからどうするのですか？ファルさんが・・亡くなられてしまって・・」
ルイ「しばらくはサーヤさんが面倒見てくれるらしいので生活は一安心かな？でも・・このたった数年
の間に失った物はあまりにも多すぎますよね・・・。」
ルシェンクス「あ、あの・・・。大丈夫ですよ！きっと・・うん・・きっとルイさんには近い将来
大切な人が現れるはずです。私が保証しますよ！」
ルイ「あはは・・そうですね、そうなるといいですね！」
スレイ「おい、ルシェンクス。そろそろお前をこっちの世界に引きずり戻すぞ？」
ルシェンクス「あ、はい。わかりました。スレイさん。」
ルイ「スレイさんもお元気で！」
スレイ「あぁ、ルイも達者でな！」
ルシェンクス「ルイさんっ、私はあなたと・・そしてファルさんと出会えて嬉しかったです！
さようならぁーーーっ！！！」
それから数年後・・
ルイは歴史通り（？）シェスの猛烈なアタックを受けて、めでたく二人は結婚した。
そして早くも二人の間には子供が生まれた。ちなみに女の子である。
ルイ「あはは、なんだかんだで結婚して子供まで出来ちまったな。」
シェス「だってルディくんはファルにとられるし、スレイとはケンカばかりだったしね〜。
まぁとにかくこれで私にも春が来たってわけね！あはは！」
ルイ「まったく、元気だけが取り柄だなぁ〜。」
シェス「むぅ、失礼ねぇ。ほんとそういうとこはルディくんそっくりねぇ。」
ルイ「ところでこの子の名前は考えてあるのかい？」
シェス「うん、もちろん考えてあるわよ！」
ルイ「へぇ、教えてくれよ。」
シェス「えっとねぇ、私とルイの名前を元に考えたんだけど・・・」
ルイ「うんうん。」
シェス「ルシェンクス！いい名前でしょ！？」
ルイ「！？」
ルイ心の声「ル、ルシェンクスだって！？ま、待てよ、未来から来たニューマン・・そうか！」
シェス「ど、どうかしたの？」
ルイ「あ、いやなんでもない。それより・・・」
シェス「うん、なぁに？」
ルイ「いい名前だな！ルシェンクスって！！！」
ルイは最高の笑顔を見せながらルシェンクスを抱き抱えた。
その６ 終わり
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