ホーク「そ・・・そんなはずは・・・。」
ジェイド「あきらめろ。」
ホーク「ま・・・まぁ、いいか・・・。」
俺達は素直に報酬の１０００メセタをもらって帰る事にした。
特に、拠点としている町とか出身地とか無いのでとりあえずアイードの宿屋に部屋を取っ
て日々を暮らしている。
なんせ、ここだとすぐにギルドに行けるし・・・ギルドに行く仕事を横取りできるしな。
その、帰り道・・・俺はどうも納得がいかなかったのだ。
この俺が報酬を１桁見間違えるだなんて・・・。
ジェイド「まだ、あきらめがつかないのか？」
俺の様子を見て何かを感じ取ったのだろう・・・。
ジェイドがそんなことを聞いてきた。
ホーク「そんなんじゃねぇよ。」
ジェイド「なら、いいんだが・・・。」
とりあえず、今日はこの事を考えるのは止めよう・・・。
そして、次の日の昼頃に俺は目を覚ました。
ホーク「なんだ・・・太陽がもうあんなに高く・・・って、なんだもう昼時か・・・。」
・・・昼時？
しまった！寝過ごした！今日は商団の護衛の仕事があったんだ！
起き上がり、ふとテーブルをみると紙切れがあった。
その、紙切れにはこう書いてあった。
「ホークへ
起きそうに無いので先に行く。
ジェイド」
・・・なぜ、起こさない！
いや、しかし１人で先に行ってくれているとはいい心がけだ。
いまから、俺の足で走ればなんとか間に合うだろう。
・・・と、いうことで俺は走ってジェイド達の後を追ったのだった・・・。
追いついたのは夜になってからだった。
ジェイド「遅かったな。」
ホーク「ジェイド！なんで起こさなかったんだ！」
ジェイド「ホークが『もう少し寝てるから先に行け』といったからだ。」
ホーク「俺は、そんなことは言ってないぞ！」
ジェイド「・・・寝ぼけてたからな。」
駄目だ・・・ジェイド相手に熱くなっても無意味だ・・・。
とは知りつつも、つい熱くなってしまう。
それから、一晩中俺とジェイドは口論していた。
要するに寝てないのだ。徹夜というやつだな。
だからといって、休ませてはくれない。
移動中は馬車の中で休めるが、バイオモンスターや賊が出ると俺達が戦わないといけな
い。
さらに、こんな時に限ってやたらと出てくるのが奴等だ。
それに輪をかけて商団の皆さん「今日は急ごう」とか言い出すし・・・。
こっちの状態がわかってるんだろうか・・・。
やがて、何事も無く『無事』に荷物は届けられた。
結局俺は、ほとんど何もせずジェイドに任せっきりだったが・・・。
まぁ、そーいう訳で帰りは俺がメインで戦うことになったのだった。
その途中で、妙な砂埃が見えた。
なんか、こっちに向かってきてるような感じの砂埃だ・・・。
ホーク「なんだろうな？あの砂埃・・・。」
ジェイド「違う！あれは砂埃じゃない！サンドワームだ！」
ホーク「何？サンドワーム？」
どうやら、ジェイドには見えているらしい。
・・・俺達は戦闘態勢に入った。
どのみちこの速度で迫られたら走って逃げても追いつかれるだろう。
ホーク「で・・・でかいな・・・」
そのサンドワームは身の丈１００ｍはあるくらいの大きさだった。
ジェイド「・・・くる！」
とっさの回避だったが、なんとかサンドワームの初撃を躱した。
ホーク「反撃！いくぞ！」
ジェイド「了解。」
俺の攻撃は皮膚に傷一つ負わせることすらできなかった。
ホーク「ちっ！」
ジェイド「ハンドキャノン！発射！」
右手の武器・・・銃とかいってたっけな・・・で、間髪入れずにジェイドが攻撃をした。
これは、離れたところから光の弾を打ち出して敵に穴をあける武器だ。
効いているようだが即死にはいたらなかったようだ。
ジェイド「また、くるぞ！」
サンドワームの２撃めは、俺をかすった。
ホーク「くっ！」
さすがに、直撃は死ぬな・・・。
ホーク「ジェイド！合体技だ！いくぞ！」
俺はテクニック「ザン」をジェイドは肩にある特殊武装「パイルバンカー」を使った。
パイルバンカーとは鉄棒を火薬を使い打ち出す近距離用の武器のことだ。
俺のザンで奴の動きを止めてジェイドのパイルバンカーでとどめ・・・には、ならなかっ
たが俺達は奴がひるんだ隙に逃げた。
ここは、アイードの宿屋。
危なかったな・・・。あいつは強すぎる・・・。
ジェイド「あれが、お前の言っていた『１００００メセタ』の賞金がかかったサンドワー
ムじゃないか？」
ホーク「多分・・・な・・・。」