ＰＳ・マグナ・ドゥヘル
第６話
最近・・・モンスターが強くなっている感じがする・・・。
これは、ハンターすべてが思い始めている事だった。
今まで、楽勝だったその辺にいるモンスターに苦戦しはじめたり・・・時には敗走することもある。
このままでは弱いハンター達は生活が出来なくなってしまう。
まぁ、俺は強い方だから今のところ特に被害はないが・・・。
・・・いや、結構被害がある。
弱いハンターにモンスター駆除の依頼をしても負けは確実。
この場合前金の無駄になるので少々高くても強いハンターに依頼したほうが確実だ。
そして、俺は強い方であって強いハンターには属さないのだ。
・・・つまり俺達の所には依頼があまり来ないのだ。
ジェイド「ホーク・・・どうする？」
ホーク「あぁ、どうしようか・・・。」
何をどうしようと言っているのか・・・それは、宿代の事である。
忘れていたが俺達は宿屋に滞在しているのだ。
となると、当然宿代が必要になる。
仕事が無いので収入が無い＝宿代が払えないという事になる。
このままでは、牢獄いきだな・・・。
何とかしないといけない。
そこで、俺達は『強いハンター』になるためにトレーニングをしているのだが・・・いまいち成果が出ていない。
時々宿代をせびりにくるおかみさんに居留守を使ったりしてしのいでいた。
そんな事が続いたある日の事・・・。
ついに俺達に依頼が来たのだ。
その依頼とはピアタ付近で新しく発見された遺跡の調査団の護衛というものだった。
無論俺達はこの依頼を受ける事にした。
俺達は今、その遺跡の入り口と思しき所に来ていた。
そこには何やら警備兵らしき奴が数十名立っていた。
調査団以外の奴は入れないようにしているらしい。
調査団の護衛は俺達以外にも数名のハンターらしき奴等がいた。
俺達は奴等に先行させてわざと後から遺跡に入る事にした。
遺跡に付き物なのはトラップだ。
俺達はトレジャーハンターじゃないからトラップの解除なんて芸当は出来ない。
だから、わざと後から入ったのだ。
遺跡の中は薄暗く明かりが無いと足元が見ずらくとても危険だ。
しばらく進むと先に入っていたハンターの死体があった。
どうやらトラップに殺られたらしい。
だからといって引き返す事は出来ない。
無論死体もそのままだ。
さらに進んで行くと明かりが無いと何も見えない程暗くなった。
まぁ、当然だな。
何か・・・人影が見える。
どうやら先に入っていったハンター達らしい。
ここにいるハンターすべてが生き残りらしかった。
全部で４０くらい居たのが今は１０以下まで減っていた。
しかし、俺達のように後ろに居たハンターを含めればまだ２０近くいる。
ホーク「どうしたんだ？」
とりあえず、その辺にいたハンターに話し掛けてみる。
誰がどのハンターだかわかりやすいように番号をふっておいた。
ハンター１「行き止まりなんだ。」
ハンター２「どうやっても先に進めないんだ。」
ホーク「本当だ・・・ここで引き返すしかないか？」
俺は少し疲れたのでその辺の岩に座ることにした。
少し、岩が沈んだがこの辺は地面がぬかるんでいるから当然だろう。
調査団団員１「ちょっと待ってください・・・先に進む仕掛けがあるかもしれません。」
ハンター１「それなら俺だって調べたさ。」
ハンター３「けど、何もないんだ。」
調査団団員２「そんなはずは・・・。」
ホーク「先に進む道なんてあるのかよ・・・。」
ジェイド「あるぞ。」
ホーク「本当か？」
ジェイド「あぁ・・・そこの壁の奥、空洞になってるぞ。」
ハンター１「それは、俺も気づいてるさ。けどどうやって壁の奥に行くっていうんだ？ローブのにぃちゃんよ！」
ローブのにぃちゃんとはジェイドの事だ。
ジェイドは人間ではないので出歩く時は大体魔術師スタイルで体も顔も見えないようにしている。
そうしないと、いろいろ面倒だからだ。
ジェイド「壁を破壊すればいい。」
ハンター１「そんな事をしたら俺達生き埋めになっちまうだろうが！」
ジェイド「・・・俺は大丈夫だ！」
ホーク「・・・。」
調査団団員３「何処かに何かあるのは確かですね。」
ホーク「・・・後ろが騒がしくないか？」
ジェイド「そういえば・・・。」
後から走って調査団団員達がやってきた。
それと、ハンターも。
調査団団員１「どうしたんだ？」
調査団団員４「後ろから大きな岩が転がってきてるぞぉ！」
・・・もしかして、俺が今座っているこの岩が原因ってやつ？
そんな事はどうでもいい。
調査団団員１「なら、ヒーナスか迷いのオカリナを使えばいいじゃないか。」
調査団団員４「それが駄目なんだ！ヒーナスも迷いのオカリナも無効化されるんだ！」
ヒーナスが無効化？
ホーク「ザン！」
ハンター２「うわ！危ねぇな！何しやがる！」
本来なら、風が俺の手から放たれるのだが何も起こらなかった。
ホーク「テクニックも駄目みたいだな。」
ハンター２「俺に向けて撃とうとするんじゃねぇ！！！」
まぁ、それはおいといて・・・あの後ろから来ている岩をどうするかが問題だな。
その後どうなったかよく覚えていないが俺達は空洞にいた。
ホーク「おーい、大丈夫かー？」
ジェイド「なんとかな・・・。」
ホーク「調査団達とはぐれたらしいな・・・。」
ジェイド「あの後一体どうなったんだ？」
ホーク「さぁな・・・。」
ジェイド「今ここにいるのは俺達以外に・・・ハンターが数名・・・か。」
俺達はそこら辺で気絶しているハンター達を起こした。
ホーク「大丈夫か？」
ハンター４「あぁ・・・なんとか・・・。」
ここに居るのは俺達も含めて全部で６名いることがわかった。
さらに、全員あの後の事を覚えていないらしい。
ジェイドすら覚えていないのだからしからないか・・・。
俺達は自己紹介をしておく事にした。
名前を知らないと呼ぶ時に困るからだ。
ちなみにここでは俺とジェイドの自己紹介を飛ばさせてもらった。
でも、ちゃんと自己紹介はやった。
ジェイドが機械兵だということを除いて・・・。
ハンター４「俺の名はファーオーズ。よろしくな。」
ハンター５「僕の名前はバルモース。よろしく。」
ハンター６「我が名はダルスフォーモリアだ。」
ハンター７「私の名前はライラ。」
・・・なに！？
ホーク「ライラってあの・・・八つ裂きのライラか？」
ライラ「そうよ？」
ジェイド「・・・。」
ファーオーズ「まさか、実在の人物だったとは・・・。」
バルモース「伝説のハンターに会えるなんて・・・光栄です。」
ダルス「おぬし・・・本当に人間だろうな・・・？」
ライラ「どういう意味かしら？」
ダルス「その１撃、海をも両断すると・・・。」
ライラ「そんなこと人間に出来る訳ないでしょう？。」
ホーク「あぁ、ライラに関する噂は結構信じられない物が多いからな。」
ダルス「ふむ・・・なるほどな。それもそうだ。」
俺達は出口か他のハンターを探して歩き回りはじめた。
そこで、ある問題に気が付いた。
誰が指揮を取るか・・・ということだった。
まぁ、俺は人に指図するのは得意じゃないから別に気にしなかったが・・・。
ジェイドは俺以外の奴から命令されても実行に移す事はほとんどないだろうし。
・・・人に指図するのが嫌なのにジェイドに命令してるのはジェイドが人間じゃないからだ！
とか、言ってジェイドに知られたらきっと怒るだろうなぁ・・・。
バルモースはもともと１人でやっているハンターだからってリーダーは辞退した・・・が、
命令されて動くのは嫌いだそうだ。
ファーオーズは２〜５人くらいでパーティーを組んでいるハンターだから命令される
事自体には何もいわないが・・・リーダーをやっているから命令したがる。
ダルスもリーダーをやろうとしているし・・・。
ホーク「いっそのことライラさんにリーダーをやってもらうというのは？」
・・・ということで伝説のハンターライラさんが俺達の指揮をすることになった。
ライラさんの（多分）的確な指示の元俺達は（おそらく）出口へ向けて移動していた。
移動中、なんどか交戦をしたがそのすべてがバラバラのチームワークで撃退していった。
ちょっと強い敵が出ると勝てないかもしてれないな・・・。
バルモース「あれは・・・！？」
ファーオーズ「どうした？」
バルモース「ダンジョンには１００％いるダンジョンの主だ！」
どうやら、ボスがいるらしい・・・。
今の俺達で勝てるのかな・・・いや、ライラさんがいるからきっと勝てるだろうな。
つづく
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