ＰＳ・マグナ・ドゥヘル
 第７話

俺達は今、考えていた・・・。
これからどうするか・・・を・・・。
バルモース「こっちから先に仕掛けるべきだろう？」
ダルス「それは、我が輩も賛成だ！皆のもの我に続け！」
バルモース「なんでお前に従わないとならんのだ！」
ファーオーズ「喧嘩なら別の場所でやってください！」
ホーク「確かに・・・奴に気づかれたら元も子も無いしな。」

・・・というように今の俺達にはチームワークというものは存在しなかった。
そこで、俺達はライラさんの指示に従うことをきめた。
全員の意見は一致した。

ライラ「引き返す訳にもいかないから奴を倒すわよ！」
バル「それで・・・作戦は？」
ライラ「各自最大の技を用いて速攻で勝負をつけます！」
なるほど！チームワークが無いから一気に終わらせるって事か！
ホーク「俺はそれでいいぜ。」
ダルス「我が輩もだ。」
ファーオーズ「俺もそれでいい。
」 バルモース「・・・。」
と、その時だった。
横から何かが出てきたのは・・・。
「やぁ、みなさんおそろいで。」
ホーク「誰だ！？」
「私の名は・・・まぁ、ガルデュークとでも名乗っておきましょうか。」
ジェイド「・・・お前、何処かであった事なかったか？」
ガルデューク「・・・・・・・・・いえ？ありませんけど？」
ジェイド「なぁ、ホーク・・・こいつと前に会った事なかったか？」
ホーク「そういえば・・・聞き覚えあるな・・・この声・・・。」
ジェイド「そうだろ？」
バルモース「知り合いか？」
ホーク「多分・・・。」
ジェイド「・・・そうだ！お前は、ジナグルと戦った時にいたあの時の依頼人だ！」
ホーク「・・・言われてみれば！」
ガルデューク「もうばれましたか。」
ホーク「・・・あの時の依頼料を払ってもらおうか！」
ガルデューク「いいえ、私の依頼は果たされて無いので払う事はできませんよ。」
ホーク「なに！？」
ガルデューク「依頼が達成されていないので依頼料を払う必要はない・・・ということですよ。」
ジェイド「・・・確かに、その通りだな。」
バルモース「知り合いみたいだな。」
ホーク「なんで、お前がここにいるんだよ！」
ガルデューク「それはですね・・・あそこに居る奴を倒してもらおうと思いましてね。」
ガルデュークは俺達が戦おうとしていた奴を指差した。
ガルデューク「それで、出てきたのですよ。」
ホーク「ずっといたのか？」
ライラ「それじゃぁ、あれが何なのかわかるんですか？」
ガルデューク「わかりますよ。」
ホーク「答えろ！ずっとここに居たのか！」
ライラ「丁度よかった・・・あれがなんなのかわからなかった所なんですよ。」
ガルデューク「あれは、ゴーレムという石の兵士ですよ。・・・あなたたちは鉄の体を
持つ者を見たことがありませんか？」
バルモース「ありません。」
ファーオーズ「無い。」
ダルス「我が輩はあるぞ。」
ライラ「私も見たことはありますが・・・。」
ジェイド「・・・・・・・。」
ホーク「俺を無視するな！」
ガルデューク「あれは、鉄の体を持つ者と似たようなもので体が鉄で出来ているというやつなんだ。」
バルモース「そ・・・そんな奴と戦うのか・・・。」
ライラ「私は戦った事が無いからどれくらい強いのかはわかりませんよ？」
ダルス「わ・・・我が輩も戦った事は・・・。」
ガルデューク「ジェイド・・・あなたは？」
ジェイド「・・・聞くな！」
ホーク「おぉーい・・・。」
ガルデューク「石の兵士は鉄の兵士程の強さは無いので簡単に勝てるでしょう。」
・・・どうでもいいんだが、俺を無視しないでほしい。
なんか、俺を除いてみんなあのゴーレムとかいう奴の説明を聞いているようだ。
けど、流石にジェイドは説明を聞く必要が無いから俺の側にいるが・・・。
ジェイド「あいつ・・・どういうつもりだ・・・？」
ホーク「ん？なんか言ったか？」
ジェイド「ガルデュークの事だ。あいつ・・・あの４人を戦わせるつもりらしいぞ。」
ホーク「でも、お前程強い訳じゃないなら死ぬような事はないだろう。」
ジェイド「確かにそうだけど・・・。」
ホーク「ライラさんもいるんだぞ？負けるような事はないだろ？」
ジェイド「・・・あぁ、確かにな。」

ライラさん達が作戦を立てている時に俺とジェイドだけガルデュークに呼び出された。

ガルデューク「この戦い・・・お前達には手を出さないで欲しい。」
ホーク「なんでだよ。」
ガルデューク「お前達の力はわかっているからだ。」
ジェイド「・・・というと？」
ガルデューク「あのゴーレムは俺があそこに持ってきた物なんだ。」
ホーク「・・・。」
ジェイド「・・・。」
ガルデューク「つまり、あのゴーレムを使ってあいつらの本当の力を知りたいんだ。」
ホーク「・・・ことわる。」
ガルデューク「そう言うと思ってましたよ・・・。」
いきなりガルデュークは剣を抜くと俺達の足元に突き刺した。
ガルデューク「アースバインド！」
剣から大地へ・・・大地から俺の体へ「気」が流れてくる。
ホーク「！？」
俺の体は動かなくなった。
だが、ジェイドにこの技は通用しない！
ジェイド「・・・。」
突然ジェイドが倒れた。
一体何をされたのかは見えなかったが・・・。
ガルデューク「ジェイドにも少し眠っていてもらおうか。なに・・・安心しろ。
あいつらが危なくなったら俺が加勢してやるかな。・・・お前達の時のようにな。」
ホーク「待て！ジェイドに何をした！」
ガルデューク「ちょっと電撃を浴びせて眠ってもらったんだよ。死んだわけじゃないさ。」
くそ！俺の体はまったく動かない！
そうこうしているうちにも戦いが始まったらしく爆音が聞こえてくる。
一体どうしたっていうんだ！？
ここからでは何が起こっているのか見えないので何もわからない。

しばらくして俺の体が動くようになった。
俺はすぐにジェイドを気が付かせると戦場へ向かった。
そこでは、石の兵士と接近戦しているファーオーズの姿があった。
他の３人はそれぞれ何かやっている。
・・・どうやら死人はいないようだ。
俺が加勢に行こうとすると再びガルデュークがアースバインドを仕掛けてきた。
身をひねって無理矢理かわしたがバランスを崩し転んだ。
俺が立ちあがるまでにジェイドが攻撃してガルデュークに攻撃をさせないようにする。
ガルデューク「手を出すなといっただろう？」
ホーク「お前・・・さっきから性格変わってないか？」
ジェイド「確かに・・・。」
ガルデューク「・・・・・・。」
ホーク「それは、ともかく・・・そこをどけ！」
ガルデューク「そういう訳にはいかん！」
ジェイド「フラッシュボール！」
目潰し用の光弾を放ちガルデュークの視界を一瞬奪った隙に俺達は彼ら４人の加勢にいった。
ガルデューク「・・・まぁ、今回はいいでしょう。もう・・・。」
ガルデュークが何やら言っていたが最後の方は聞き取れなかった。
だからといって聞くために引き返したとしてもまた動きを封じられるだろうから無視することにした。

ホーク「大丈夫か！」
ダルス「お前らはいったい今まで何処に行っていたのだ？」
ジェイド「ちょっと色々とあってな。」
ダルス「まぁいい。」
ライラ「一気にかたをつけましょう！」
ファーオーズ「俺はもう限界だな。疲れたから一回後ろへ行かせてもらうよ。」
ファーオーズは石の兵士の攻撃を器用に潜り抜けて俺達の後ろに行った。
・・・まだ余裕があるようにみえたんだが？
ダルス「そこでおとなしくしておれ！我が輩の強さを見せてやろう！」
ダルスが走って石の兵士との間合いを詰めた。
近づいたのはいいけど・・・いや、近づきすぎだな。
カウンターで一撃受けて吹っ飛ばされて帰ってきた。
ダルス「痛たたた・・・。」
ホーク「無茶するからだ。」
ダルス「えぇい！ちょっと油断しただけだ！」
今度はライラさんが仕掛ける。
ある程度近づくと背中の剣・・・おそらくセラミックソードを抜いた。
ちなみに俺の武器はスチールソードだ。
もっとももろく弱い剣だが結構軽くて使いやすいので俺はこれを使っている。
それはともかく・・・。
ライラ「レイブレード！」
ライラさんの一撃で石の兵士の片腕が宙を舞った。
レイブレードとは剣技の中で最も強いランクの技で原理はよく知らないがとにかく強い技だ。
もちろん、俺には到底出来ない技だ。
ライラさんは続けざまに攻撃をする。
流石は『八つ裂きのライラ』だ。
本当に八つ裂きにするかのような攻撃だ。
バルモース「・・・所で、『八つ裂きのライラ』って剣技なんか使ったっけ？」
ホーク「使ってるじゃないか。」
バルモース「僕はスライサー使いだと思ったけど？」
ホーク「・・・何がいいたい？」
ダルス「お前・・・あの『ライラ』は偽者だと言いたいのか？」
バルモース「・・・そうだよ。」
ジェイド「・・・。」
ホーク「それが仮に本当だするとあの『ライラ』は偽者だと？」
バルモース「多分ね。」
ファーオーズ「でも、ライラに関する噂は信じられない物が多いって・・・。」
いつのまにかファーオーズが戻ってきていた。
バルモース「じゃぁ、みんなは本物の『ライラ』を知ってるのかい？」
・・・。
結局誰も本物の『ライラ』に関する事を知らなかった・・・。

『ライラ』さんが石の兵士を八つ裂きにして帰ってきた。

バルモース「あなたは、本当に本物の『ライラ』なのかい？」
ライラ「そうだけど？」
バルモース「『ライラ』は剣じゃなくてスライサーを使うのを見たことがあるけど？」
当然、見たことがあるというのは嘘だ。
ライラ「・・・本物の『ライラ』を知っているの？」
どうやらこの『ライラ』は本物じゃないらしい。
バルモース「いや？知らないよ？」
ライラ「！？」
ファーオーズ「あんた・・・一体何者だ？」
ダルス「本当の名前は何というのだ？」
ライラ「ほ・・・本当の名前はアイラ。」
ファーオーズ「なんで『ライラ』の名を？」
アイラ「ライラの名を語っていれば直に本物のライラに会えると思って・・・。」
ダルス「なるほどな・・・。」

ちょっと離れた所にいるジェイドの所へ行くか。
まだ、何やら話が続いているが俺は興味が無かったので抜けてきた。

ホーク「どうしたジェイド？」
ジェイド「さっき・・・フラッシュボール使ったよな？」
ホーク「それがどうかしたのか？」
ジェイド「あの光はこの辺り一帯を照らしたのに・・・あの光はなんだ？の一言も無いなんて・・・。」
ホーク「・・・ま、まぁいいじゃないか。」
ジェイド「あぁ・・・だけど・・・。」
ホーク「それより・・・どうしたんだ？調子が悪いのか？」
ジェイド「いや、そんなんじゃない。」
ホーク「そうか？」
ジェイド「俺は本物のライラを知っているような気がしてな。」
ホーク「そうか？」
ジェイド「まだ記憶が全部戻った訳じゃないからなぁ・・・。」
ホーク「全部じゃないって・・・・？」
ジェイド「あぁ、少し記憶が戻ったんだ。」

俺達は再び出口を目指して歩き出した。
一体何日さまよったのか知らないが外に出る事は出来た。
まず、ピアタで少し休憩する事にした。
そこでみんなと別れて俺とジェイドはアイードへ帰ったのだが・・・。
そこで俺達を待っていたのは・・・。
宿代の請求に来たおかみさんだった。
結局今回の報酬は全部持っていかれてしまったのだった。
ホーク「おぉ！今日はペロリーメイトだ！」
ジェイド「・・・うれしいか？」
ホーク「ケーキよりはましだ！なんせ栄養満点だしな。」
しかし、ケーキよりも量がないのが難点だが・・・。
俺はその一言をあえて言わなかった。

つづく
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