ＰＳ・マグナ・ドゥヘル
第８話
最近、ちゃんとした物を食べた記憶が無い。
このままでは過労で倒れるかも知れん・・・。
そんな事になる前になんとかして大金を手に入れなくてはならなかった。
しかし・・・空腹で倒れるのは意外と早かった。
ホーク「俺はもう駄目だ！ジェイド、後はまかせた！」
ジェイド「えぇ！？」
俺は近くに居たジェイドに後のことをまかせてゆっくりと眠り始めた。
俺達は早速仕事を探してギルドまでやってきていた。
カタリナ「今のところ仕事の依頼はありませんね。」
ホーク「な・・・なに！？本当か！！！」
カタリナ「嘘をいってどうするんですか・・・。」
ホーク「いや！あるはずだ！よーく探して見てくれ！」
カタリナ「無い物は無いです！」
と、カタリナが天井からぶら下がっているロープを引いた。
ホーク「・・・？」
カタリナ「これは、ハンターが私に危害を加えようとした時に使う秘密兵器よ！」
ホーク「秘密・・・兵器？」
突然、俺の頭に軽い衝撃が来た。
俺の頭に当たった物体はそのまま足元へ落ちた。
・・・こ・・・これは！
ホーク「カナダライ！！！」
カタリナ「うーん・・・秘密兵器がこんなのだったなんて・・・。
さすが秘密兵器！秘密なだけに私もしらなかったわ。」
ホーク「俺を怒らせたいのか！」
ジェイド「やめとけ、ホーク。」
ホーク「ジェイド！？居たのかお前。」
ジェイド「・・・・・。ちょっと周りを見てみろ。」
俺達を囲むようにハンター達が立っていた。
・・・まさか、こいつらは・・・。
ジェイド「こいつらは・・・おそらく・・・。」
ホーク「あぁ・・・多分・・・そうだろう。」
ハンターギルドの風紀を守る風紀委員だ！
あの腕の腕章がすべてを物語っている。
ホーク「逃げるぞ！ジェイド、煙幕だ！」
ジェイド「俺をタコみたいに・・・。」
俺は、無視して走り続けた。
どれくらい走っただろうか・・・。
連中は結構しつこくてずっと追い回されていたが、もう追ってきてはいないな。
いつのまにかジェイドとぐれてしまったらしいが、ジェイドなら大丈夫だろう。
と、立ち止まろうとしたときだった・・・。
突然足元が崩れたのだった・・・。
この「穴」は結構深くかなり長い間おちたらしい。
体が痛い・・・。
痛いが、怪我は無いらしい。
ホーク「登るのは無理か・・・。」
偶然、横穴を発見したのでそこへ行ってみることにした。
下り坂になっているらしくどんどん下へと向かっているような気がした。
そのまましばらく歩いていると何か動くものを発見した。
ホーク（・・・モンスターか？）
俺は、奴に気がつかれないように接近して一気に攻撃した。
ホーク「だぁりゃぁぁ！！！」
がすっ！という音がした。
ホーク「おぉ！切れてない。」
ジェイド「痛いじゃないか。」
ホーク「ならば、もう１撃！」
ジェイド「やめろぉー！」
金属で金属を殴ったような独特の音が辺りに響いた。
ホーク「なんだ、ジェイドじゃないか。」
ジェイド「攻撃する前に気がつけよ！しかも２撃目はわざとだろ！」
ホーク「・・・いや、違う！おまえがよけないから悪いんだ！」
ジェイド「そ・・・そうか。」
・・・納得されても、困るんだが・・・まぁいいとするか。
ホーク「ところで、なんでジェイドがここにいるんだ？」
ジェイド「俺は、仕事できてるんだよ。」
一体いつのまに・・・。
ジェイド「ホーク！ボーっとしてないで手伝えよ。」
ホーク「あ・・・あぁ・・・。」
そこから、なんかよくわからないモンスターを倒し続けてようやく最下層へ。
そのモンスターはどう表現していいものか、ちょっと困る。
簡単にいうと空間の裂け目から手を出して攻撃してくる。
奴等はテクニック「グラブド」を浴びせると１撃で死ぬから結構楽な連中だ。
グラブドとは一瞬だけ重力を通常の数倍にして押しつぶすというテクニックだ。
ある程度奥間でいくと突然人型のなにかが飛び出してきた。
奴は俺達の少し前で立ち止まった。
男「ここから先へは行かせん！もし、どうしても行きたいというのならばこの俺を
倒してからにするんだな。行っておくがな、俺はとても強いぞ！今の貴様らのＬＶ
じゃぁ勝てないかもしれないな。戦う勇気が無ければ素直に逃げたっていいんだぜ？
別に追いかけたりはしないからな。ちなみに今まで俺と戦って生きていた奴はいないぜ！
それでも俺とたたか・・・。」
その男の声はそこまでしか聞こえなかった。
話が長くなりそうだったので無視して先に行ったのだ。
ジェイド「いいのか？」
ホーク「なにがだ？」
ジェイド「さっきの奴だよ。」
ホーク「相手にしてると面倒じゃないか。」
ジェイド「そうだけど・・・。」
男「・・・・・ぇぇぇぇぇぇい！貴様ぁぁぁぁぁぁぁぁ！何処へ行く気だぁぁぁぁぁ！」
ホーク「むっ！気づいて追ってきたか！」
男「はぁ・・・はぁ・・・さっきの俺の話を聞いてなかったのか！」
ホーク「聞いてたぞ。」
男「なら、無視するんじゃない！」
ホーク「こいつと戦うと負けそうな気がする・・・。ジェイド、逃げるぞ！」
ジェイド「・・・。」
何も言わずに俺の後をおって走りだすジェイド。
そして、その後を追う男・・・。
ホーク「なんで、追ってくるんだよ！『逃げたら追わない』って言ってただろ！」
男「そっちに逃げるからだ！」
俺達が今、逃げている方向は今までの進行方向と同じ・・・つまり奥へ走っているわけだ。
男「逆だ！逆！後ろへ走ったら追わないっていったんだ！」
ホーク「そうか・・・。」
俺は１度後ろを向いてから後ろ向きに走りだした。
男「こらこらこら！！！」
ジェイド「・・・へりくつだな。」
と、なぜかジェイドが俺に足払いをかけてきた。
当然のように俺は転んだ。
ホーク「ジェイド！何をする！」
ジェイド「すまん。」
振り向くとジェイドは転んでいた。
後ろ向きに走ったからバランスを崩したんだろうな・・・それで俺を巻き添えにって訳か。
男は一度走り去ってから俺達の前に戻ってきて俺の首筋に刃物を突き付けた。
男「動くなぁ！この男がどうなってもいいのか！」
俺を置いて走り去ろうとしていたジェイドに今の俺の状況を見せた。
ジェイド「何！？ホークが人質に・・・。」
男「そういう訳だ！素直に帰ってもらおう。」
・・・ジェイドならこの状態でもハンドキャノンあたりで俺を救出できるだろう・・・ならば！
ホーク「ジェイド！俺にかまわずこいつを・・・！」
男「だまれ！」
男は俺に肘撃ちをいれた。
ジェイド「わかったぜ！ホーク！おまえの死は無駄にしない！」
ジェイドはすべての武器だしてかまえた。
ホーク「・・・・何？」
男「こ・・・こいつがどうなってもいいのか！」
ジェイド「くらえ！一斉掃射！！！」
沢山の光の光弾を浴びて俺と男は吹っ飛んだ。
ホーク「し・・・死ぬかと思った・・・。」
ジェイド「なんだ・・・生きてたのか・・・。」
ホーク「い・・・生きてたのかって・・・殺すつもりだったのか！」
ジェイド「・・・いやぁ、無事でなによりだ。」
ホーク「・・・。」
俺はあの攻撃を何とか耐え切っていた。
自分でもなんで無事だったのかよくわからない。
ただ、体中が炭化したらしく黒くなってはいるが・・・他には特に怪我はない。
・・・で、しばらく奥へいくと大型モンスターが待ち受けていた。
ホーク「あれを・・・倒すのか？」
ジェイド「そうだけど？」
ホーク「あれって・・・もしかして・・・・・・。」
ジェイド「多分、今おまえの考えているものであっていると思うぞ。」
ホーク「・・・。」
俺達はその巨大なモンスターの『多分黒っぽい波動』をくらってやられてしまった・・・。
と、俺は目を覚ました。
どうやら、俺はベットから落ちたままで寝ていたらしい。
ホーク「はぁはぁはぁ・・・なんて夢だったんだ・・・。」
多分ここまでやれば言わなくてもわかると思うが、今までのことはすべて俺の夢の中での出来事だった。
ホーク「途中で『あぁ、これは夢なんだな』と思ってたさ・・・けど、おきたくても体が起きてくれなくて
つい最後まで見てしまった・・・。」
ふと、周りをみまわしたらジェイドがいなかった。
どうやら仕事を探しにギルドでもいったんだろう。
最近、モンスターがやたらと強くなってるし・・・大丈夫かな？ジェイドの奴・・・。
俺はやることが特に思い付かなかったのでそのまま寝ることにした。
今度は『普通の夢』を見ることを祈って・・・。
つづく
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