ＰＳ・マグナ・ドゥヘル
第９話
ハンターギルドで受けた依頼で俺達はダンジョンに来ていた。
今回は道案内として依頼人を同行していた。
俺達は依頼人を入り口付近に置いてダンジョン内部へと入っていった。
ホーク「ここのモンスター退治だけなのか？」
ジェイド「そうらしい。」
この仕事は俺が寝ている間にジェイドがハンターギルドから受けた物だった。
ホーク「モンスターも結構強いから、注意して行こう。」
ジェイド「あぁ。」
だが、いくら進んでもモンスターは１匹も出てこなかった。
ホーク「なぁ・・・場所・・・ここであってるのか？」
ジェイド「・・・の、はずだが。」
俺達はそのまま奥へと向かっていった。
最深部辺りにならターゲットがいると思われたからだ。
そして、ようやく俺達は最深部へとたどり着いた。
そこにはモンスターの様なものがいた。
ホーク「・・・こいつは！」
ジェイド「石の兵士！」
モンスターではなく少し前に戦った石の兵士がそこにいた。
ジェイド「こいつ！前回の時より強化されてるぞ！」
ホーク「そうか。」
早速、戦闘態勢に入った。
まず俺が接近戦をしかける。
石の兵士が拳を繰り出してくる。
・・・普通のストレートパンチか。
俺は軽く後ろに下がって間合い外へ行きカウンターを狙う事にした。
・・・が。
激しい衝撃が俺の体にきた。
ホーク「なぁっ！」
一体何に当たったんだ！
俺は確かに間合い外に行ったはずだ！
と、考えているうちに再び石の兵士のパンチがきた。
ジェイド「しゃがめ！」
俺はジェイドの言葉を受け思わずしゃがんでしまった。
その頭上を何かが通りすぎた。
見ると石の兵士は腕を撃ち出していた。
・・・射出式の腕なのか。
道理でさっきかわしたはずの一撃をうけたわけだ。
ジェイド「ホーク！避けろよ！」
ジェイドがハンドキャノンを石の兵士に撃ち始めると同時に俺は間合いを開けた。
石の兵士も俺との間合いを詰めてくる。
ホーク「くっ！？意外と早い！」
石の兵士の指先から弾丸は発射される。
ホーク「かわしきれない！！」
弾丸が俺の左肩を貫いた。
ホーク「ぐぁ！」
これで俺の左腕は使えない・・・か・・・。
ジェイド「パイルバンカー！」
ジェイドの攻撃で石の兵士はバランスを失い倒れる。
ジェイド「大丈夫か！ホーク。」
ホーク「あぁ・・・。」
ジェイド「そうか、ならよかった。」
ホーク「・・・・・。」
石の兵士が立ちあがる前にジェイドが再び攻撃をする！
ハンドキャノンがまともに命中したがあまり効いているようには見えない。
石の兵士が立ち上がりざまにジェイドに腕を放つ！
ジェイドは防御してこれをやり過ごす。
ホーク「どぉりゃぁ！」
俺の攻撃が石の巨人の腕にあたったがまったくダメージはない。
やはり片手では無理か！
俺はジェイドを盾にするようにして石の兵士との間合いをあける。
その間にジェイドがまた攻撃される。
ホーク「応急処置だが・・・モノメイトでもつかっておくか・・・。」
ジェイド「ホーク！俺を盾にするような真似はやめろ！」
さすがにジェイドも怒りの声をあげた。
・・・これは、もう使えないか。
ホーク「お前は俺よりは防御力があるからいいじゃんか！」
ジェイド「でも、やめろ！」
ホーク「状況は非常に俺達にとって不利だな。」
ジェイド「相手にとっては有利だな。」
ホーク「何言ってんだよ・・・。」
ジェイド「いや、すまん。」
ホーク「さて、どうする？」
ジェイド「こうなったら、俺が奴を何とかするからお前は逃げてろ。」
ホーク「ジェイド？」
ジェイド「少なくとも今のお前なら居ると邪魔になる。だから逃げろ。」
ホーク「・・・あぁ、わかったぜ！後は任せた！」
俺は出口へ向かって走り出した。
ジェイド「・・・やけに決断が早いな。」
ジェイドが何か言っているがそれは無視した。
俺はホークを逃がすことにより少々威力の高い武器が使えるようになった。
まずフレアショットで、奴の目を焼いて命中率を下げる。
石の兵士の攻撃は当然あたらない。
俺は後ろに回り込みアームミサイルをあるだけ叩き込む。
辺りに爆音が鳴り響く。
俺もその余波にまきこれまた。
ジェイド「やったか・・・。」
センサーに石の兵士の反応はなかった。
・・・なかったが、何かおかしい。
俺はふと思った。
ジェイド「ここって・・・ダンジョン・・・だったよな・・・。」
落盤だ・・・。
俺は全速力で出口へ向かって走った。
が、間に合わない。
ジェイド「少し考えて使えばよかったな。」
だから、ホークも大技は使わなかったのか・・・。
そして俺は埋まった。
突然振動が響き渡る。
ホーク「ジェイドの奴！調子に乗ってミサイルとかいうのを撃ったな！」
崩れてくる天井をかわしながら俺は出口に到達した。
・・・ジェイドは、あとで掘り出せばいいな。
出口にはどういう訳か依頼人がいた。
ホーク「・・・もしかして、お前は！」
ガルデューク「今頃気づいたのか。」
ホーク「また、お前か！」
ガルデューク「・・・・・・あれでも死なないとは。」
ホーク「石の兵士で俺達を殺すつもりだったのか！」
ガルデューク「・・・まさか。私はお前の戦闘力を確かめたかったのだよ。」
ホーク「前もそんな事を言っていたな。お前・・・何がねらいだ！」
ガルデューク「俺は、強い奴を探している。」
ホーク「何のためにだ！」
ガルデューク「・・・ある、モンスターを倒す力を持つものを探しているんだ。」
ホーク「そんな事のために・・・ジェイドは・・・死んだんだぞ!」
ジェイド「勝手に殺すな！」
ホーク「ジェイド・・・生きてたのか。」
ジェイド「あれくらいで死ぬか！」
ホーク「でも、埋まってたじゃないか。」
ジェイド「自力で出てきたよ。」
ガルデューク「・・・・・・・で、お前達の力を私に貸し手欲しい。」
ホーク「・・・やらないと、またこういう事するんだろう？」
ガルデューク「もちろん。」
ホーク「・・・・。」
ジェイド「・・・・。」
これはやるしかないようだな。
ホーク「で、どんなモンスターを倒せばいいんだ。」
ガルデューク「史上最強のモンスターだ。」
ホーク「そんなに強いのか？」
ガルデューク「あぁ。」
ジェイド「・・・。」
ガルデューク「奴は、どんなモンスターよりも強い。まさしく最強だ。
数千年前にバイオプラントで作られてそのまま放置されていたんだ。
あまりの強大さに・・・しかし、最近になってどういう訳か目を覚ましたようなんだ。
奴がまず最初にやった事はバイオプラントに生成されていた巨大なサンドワームを放つ事だ。
これは、お前達が倒したから知ってるよな。」
ホーク「あぁ。」
ガルデューク「次に自分の目となる者を手に入れた。それは・・・確か白銀の兵士だったかな？」
ジェイド「ジャルムの事か！」
ガルデューク「そうそう、確かそんな名前だった。」
ホーク「で、そいつは何がやりたかったんだ？」
ガルデューク「・・・おそらく、自分より強い奴がいないか確かめたんだろう。」
ジェイド「何のために？」
ガルデューク「・・・さぁ・・・暴れまわるためか何かじゃいのか？」
ホーク「で、そいつの居場所はわかってるのか？」
ガルデューク「あぁ・・・わかっている。」
ジェイド「お前、妙に詳しいな。」
ガルデューク「ま、まぁな。」
ホーク「じゃぁ、早速準備をしてそいつのところへ行くとしようか。」
・・・強制的に俺達は史上最強のモンスターと戦うとことなってしまった。
つづく
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