ＰＳ・マグナ・ドゥヘル　II
第十話

前回のあらすじ

「さて、前回は新しいマグナ・ドゥヘル”ジャイグ”が登場したんだけど、このジャイグは俺達が回収
に行った時にはすでにギゾフォストって奴に持ち去られた後だったんだ。しょうがないから俺達はピア
タへと移動して休暇を楽しむ事にしたんだ。」
「微妙に違うような・・・。」

アルガイドは未だ、ガグナードのコクピットで硬直を続けていた。
誰かに止めてもらうのを待つかのように・・・しかし、コクピットはもちろんガグナード自体に誰も乗
って居ないのでアルガイドは仕方が無いので硬直をやめてピアタへと向かった。

アルガイドがピアタに着いたときには既に他の皆は何処かへ行ってしまった後で入り口付近から見える
範囲には居ないらしい。
町に入ったアルガイドは迷わずまっすぐ進み、ピアタのアカデミーの中へと入って行きバダルカウ教授
の元へ向かった。
「誰だ・・・？」
部屋に入るなりバダルカウ教授は振り向きもせずにアルガイド向けてそう言った。
「俺だ。」
「出てけ。」
「・・・・・・。」
だが、アルガイドも素直に出て行く訳がなく勝手に中に入りバダルカウ教授の側まで行き懐から光る何
かを取り出しバダルカウ教授に見せた。
すると、バダルカウ教授は突然態度を変えてアルガイドの方を向き先程アルガイドが出した光る何かを
受け取り再び今まで行っていた作業に戻っていった。
「・・・おい。」
「なんだ？」
「俺の話を聞いてくれ。」
「しょうがないな・・・１５０文字以内にしてくれよ。それ以上は聞いてやらんからな。」
「あぁ・・・やっとマグナ・ドゥヘルが６体目覚めたんだけど、その内俺達が持っているのは３体なん
だがこの内２体が何処かへと出かけやすいから実質俺達の持っているマグナ・ドゥヘルは１体なんだ・
・で、さっきから俺の後ろにいる奴がそうなんだが・・・こいつが俺の腕に、こんな機械の腕をくっつ
けてなぁ・・・それで、」
「そこまで・・・１５０文字だ。」
「カウントしてたのか！！！っていうか句読点も含むのか！？」
「当たり前だ・・・で、お前の言いたいことはよく分からないが俺の実験に付き合いにきたんだろ？」
「違うって！！！途中関係無い話が入ったけどマグナ・ドゥヘルとガルデュークの資料を借りに来たん
だ！」
「そうか・・・それで、これが俺の対バイオ・モンスター用生物兵器『ダルヴァ・バラズ』だ。」
バダルカウ教授はアルガイドにダルヴァ・バラズの写真を見せて、とても誇らしげにしていた。
そして・・・アルガイドは”実験”と言うなの名目でダルヴァ・バラズの戦闘実験の対戦相手をやらさ
れる事になった自分が悲しくなった。
一応、アルガイドは何度も断ったのだがバダルカウ教授は聞いていないらしくさっさと準備を整えてア
ルガイドを戦闘訓練用の部屋に叩き込まれてしまったので、どうしようもないといった感じで意を決し
た。

その頃、他のメンバーは・・・。
武器・食料・資材などの補給及び休暇を楽しんでいた。
「リーダーはまだ、ガグナードの中なのかな？」
「・・・ジェンドが何かリアクションをしてるんじゃないか？」
「いや・・・ジェンドはアルガイドの命令無しに勝手なことはしないはずだ・・・。」
「リーダー・・・・まだ、ガグナードの中・・・・かな・・・？」
「おいら見てくるよ。」
カイナスは一人ガグナードへと帰還することにした。
その帰還の最中にカイナスはふと思った事があった・・・「ガグナードってその辺に止めてきたから駐
禁とられているかな・・・？」などと思いはしたものの自分でも、なぜこんな事を思ったのかよくわか
らなかったがそのまま気にしないことにした。
「まぁ、気にしないのが一番さ・・・。」

カイナスがガグナードへ到着しアルガイドを探すが何処にも見当たらず、ガグナードを降りたのを確認
したので皆の所へと戻ることにした。
もちろん、駐禁も大丈夫だった・・・いや、この世界に道路交通法自体存在しないのでとられるわけは
無いのだが・・・念のため・・・。

アルガイドは一人ダルヴァ・バラズと戦い続けていた。
このダルヴァ・バラズは人型の生命体で純度１００％まじりっけなしの上手さと喉ごし・・・じゃなく
て、大きさは人間と同サイズだが、動きが人間に出せるような速度では無いという程早い心持ちで・・
・・・簡単に言うと機械兵をそのまま人間にしたような感じの兵器のようなものだ。
アルガイドは結構苦戦していた。
攻撃が当たらない上に敵の攻撃は全てカウンターで入るので体力だけが確実に削られていた。
「やばいな・・・・よし！ラフォイエ！！！」
アルガイドが手をダルヴァ・バラズに向けてラフォイエを放った・・・はずだった。
いつもなら火の塊が飛んでいき目標を粉砕するのだが、今回はなぜか発動しないので不信に思ったアル
ガイドは他のテクニックも試したが全て発動しなかった。
「どういうことだ・・・。」
「おや？アルガイド、テクニックを使ったのか？この部屋はテクニックが使えないように細工してある
んだよ・・・もっとも、俺はどういう仕組みなのかは知らないけど・・・。」
「テクニック無しかよ・・・どうやって勝てって言うんだ・・・このままだと殺されるぞ・・・。」
アルガイドは切り札となりうる武器はないか色々考えてみた。
護身用ナイフ・投げナイフ・スライサー・折畳式ボウガン軽量型・ショートソード・・・さまざまな武
器を身につけては居るものの現状をどうにかできるような武装は一つもなかった。
だが、アルガイドは考えるのを止めなかった。
最後の切り札・・・・自分の右腕に仕込まれている銃の使用方法を思い出すために・・・。

アルガイドはダルヴァ・バラズの何度目かの攻撃を躱したときに、やっと使用方法を思い出して早速実
行することにした。
右手を手首から引き抜くと銃口が出てきて、そのまま銃口をダルヴァ・バラズに向けて弾を発射した。
激しい爆音が辺りに響き渡ったと同時にアルガイドの右肩付近から胸にかけて激痛が走った。
「くっ・・・・骨が折れたか・・・！！！なんて物をくっ付けやがるんだ！！！」
「そんな・・・・一撃で・・・・俺の作品を・・・・ダルヴァ・バラズを・・・・だが、まだ・・・俺
にはダルヴァ・ガルズがある！」
「おい！俺はもう戦えないぞ！負傷してるし疲れてんだ！」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・残念だ。」
「なんだその沈黙は？」
「気にするな。」

アルガイドは応急手当をしてからガグナードへ帰り、ずっと待機していたジェンドに文句を言った。
「おい！何だよ、この”切り札”は！俺の体が壊れたぞ！！！！」
「・・・わかったでござる。なんとかするでござるよ。」
そう言ってアルガイドを整備室へ連れて行った。
出てきたとに、アルガイドは自分の体の異変に気がついた・・・・・・アルガイドの体の壊れた部分が
”修理”されていたのだ・・・つまり、右肩付近から胸にかけて機械化されたということになる。
「・・・・どういうつもりだ？」
「はっ・・・これなら腕の大砲を撃っても平気でござるよ。」
「・・・・・。」
アルガイドは思った・・・「俺の体が”壊れた”と言ったから”修理”したんだな・・・。」と・・・。

続く
次回予告
「さて、次回予告をやろうかな・・・今回はバダルカウ教授にでもやってもらうかな。」
「ふむ。いいだろう。」
「じゃ、やってくれ。」
「では、早速次回の話ををレポートとしてまとめるとするかな・・・。」
「今からやるのか！！！」
「あたりまえだ。俺はこれでも忙しいんだぞ？」
「あのなぁ・・・。」

続く