ＰＳ・マグナ・ドゥヘル　II
第十三話

前回のあらすじ

「前回は・・・Ｊ－ゼッカーってのが出てきて適当に暴れたら帰っていったな。」
「何しに来たんだろうな？」

ホークは、今日もアイードの宿屋にあるいつもの部屋から空を見ていた。
「あぁ、今日は空が曇ってるな・・・太陽が見えないし。」
「確かに・・・洗濯物が乾かないな。」
部屋の中には特に洗濯物が干してある訳でも無いのだがジェイドはそんな事を言いな
がら内職をしはじめた。
「今日の星は奇麗かな？」
「奇麗だろうな。見えないけど・・・。」
ホークは虚ろな目で空を見続けジェイドはひたすら内職をしていた。
なぜ、彼らがこんな事をやっているのか・・・それは、前回受けた依頼を失敗してし
まい金が入らなかった上に賠償金を支払わされて金が無くなったからだ。
・・・まぁ、金が無いのはいつもの事なのだが。
だが、ジェグドにとってはいつもと様子が違う２人を見てひたすらオロオロしまくっ
てた。
それはいいとして、ジェイドもホークにまともに取り合おうとはせず、適当に対応し
ていた。
「ぺぺれけれーぽぽのいぞ。」
「そうだな、確かに一雨きそうだ。」
「お前、俺の話聞いて無いだろ？」
「あぁ。」
などとやっていると、突然空の一部が落ちてくるかのように隕石が落ちてくるのが見
えたので、ホーク達はすぐに準備をし隕石に向かったのだった。

同時刻、アルガイド達もガグナードの探査システムが隕石の落下を確認したのですぐ
に落下予定ポイントへ移動した。
「さて、誰が中に入る？」
アルガイドが指揮を執ろうとする前にバフォグが指揮を執った。
だが、アルガイドはそんな事は気にせず自分とジェンド、ジナグル、ジャムルを連れ
て行くと言うと他の誰かが反対する前にとっとと行ってしまった。
「リーダー・・・そこまで思いつめてたのね。」
「まぁ、アルガイドだしな。」
よく解らない事を言うガーランとシーンの台詞を背にしアルガイド達は隕石の中へと
入っていく。
例によってガードシステムが起動し機械兵が襲ってくるが機械化したアルガイドとマ
グナ・ドゥヘルの３機の前では敵では無かった。

同時刻、ギゾフォストとジャイグ、ジャフルが遠くから歩いて隕石の側までやってき
た。
「なぁ、ギグボォルト・・・リューカーで近くに飛んできた方が早かったな。」
「ギゾフォストだ・・・俺はリューカーは使えるがこの辺には来たことがない。」
ギゾフォスト達は隕石の中に入り襲ってきた機械兵を全て倒しつつ奥を目指し歩い
ていると前方で何かが戦っているらしい音が聞こえたので何事かと思いつつ、急いで
行ってみるとそこでは、ホーク達が機械兵と戦っていた。
「こいつで最後か・・・。」
「いや、まだだ！ホーク！」
「後ろから３機接近してくるみたいだよ。」
と同時にギゾフォスト達が姿をあらわしたのでホークは専制攻撃をかけがジャフルは
これを回避しジャフルは反撃に蹴りを放つがホークは剣で受け止めた。
続いてジェイドがジャフルにフレアショットを放ち始めるが、ジャフルはバリアシー
ルドを展開させてこれを防いだ。
「ホーク、ジェイド。その２人・・・まぐな・どへるだよ。」
「・・・？発音が悪いな・・敵じゃないってことか。」
「そういう事。」
なぜ、ジェイドはジャイグとジャフルを仲間だと認識しなかったのか・・・それは、
ホークが攻撃を仕掛けたからその場のノリでついやってしまったそうだ。
ジェイドとジェグドはギゾフォストがガルデュークと同じ反応が出たのでガルデュー
クと戦おうとしたがジャイグとジャフルが２人を止めた。
その間にホークはジェイドとジェグドが攻撃を仕掛けようとしていた相手・・・ギゾ
フォストに攻撃を仕掛けた。
ギゾフォストはホークの攻撃を自分の腕に付いているやけにごついエーメルで受け止
めてホークのボディに拳を打ち込んだ。
「ホーク・・・そいつも敵じゃないぞ？」
「それを・・・先に・・・言え・・・。」
ホークの意識は深い闇の中に沈んでいった。
倒れたホークをジャイグとジャフルが心配するがジェイドは「あぁ、ホークの事は気
にするな。こいつなれてるから。」と言うとジェグドをタンクモードに変形させて運
ばせる事にした。

一足早く最深部へと着いたアルガイド達は、早速最後のマグナ・ドゥヘルを復活させ
ようとしていた。
「暗証番号ヲ入力シテ下サイ。」
無機質で機械的なその声はアルガイドを一瞬硬直させた。
なぜなら、アルガイドはそんなものを知らないしヒントになるような物も何も知らな
いからだ。
だが、ジャムルは「拙者に任せるでござるよ。」と自信満々で言ったのでアルガイド
はジャムルに任せる事にした。
ジャムルは左手の手首の辺りからコードを出してマグナ・ドゥヘルが眠る機械の端末
に接続し何かを始めた。
「なぁ、ジャムルは一体何をしてるんだ？」
「この端末からハッキングして暗証番号をさがしてるんじゃないですか？」
ジナグルの答えにアルガイドは、よく意味も解らなかったくせに「そうか。」と納得
したようにうなずいた。
しばらくするとジャムルは「解ったでござる。」と言って暗証番号を入力しはじめた
が・・・「暗証番号ガ違イマス。自動防御システム起動。」という無機質な声の後に
アラームが鳴り響きデス・アーマーが一体入ってきた。
ジャムルはまだ、手首から出ているコードが端末に繋がっているので戦闘に参加出来
ないのでアルガイドとジナグル、ジャムルの３名で迎え撃った。
彼らも十分に強くなっていたのでデス・アーマーはあっさりと倒されてしまう。
ジャムルはめげずにもう一度暗証番号を調べ入力してみた。
「暗証番号ガ違イマス。自動防御システム起動。」という無機質な声の後、再びアラ
ームが鳴り響き機械兵がやってきた。
今度はデス・アーマーではなくウォーレンタイプの機械兵だった。
「ゲッ！？ウォーレンタイプかよ！」
ウォーレンタイプの機械兵はもっとも白兵戦に優れた機械兵なので流石に先程のよう
にはいかなかった。
ウォーレンタイプの機械兵は部屋に入ってくるなり手に持っていたハンドガトリング
ガンを乱射しアルガイド達を攻撃したがそれぞれ防御か回避をしてやり過ごした。
「ここで銃を乱射してくるとは・・・。」
普通マグナ・ドゥヘルを守るべき機械兵がマグナ・ドゥヘルが眠る部屋で銃を乱射す
る事は無い。
これはマグナ・ドゥヘルが眠る機械に当ったら大変だからという事なのだが、それを
無視して銃を乱射してきたということは、この機械兵はアルガイド達は銃を使わなく
ては勝てない相手と認識したからだろう。
・・・もしかしたら、何も考えずに撃っただけなのかもしれないが。
「あのウォーレンタイプの機械兵・・・ウォーレン３６８ですよ！最新型ですので十
分に注意してくださいね。」
というジナグルの台詞を聞いてアルガイドはさっさと戦いを終わらせるべくプロセダ
ンを使ったが、弾が尽きたハンドガトリングガンをプロセダンの光に投げつけて回避
した。
当然ハンドガトリングガンはバラバラになり使い物にならなくなる。
「手強いな。」
アルガイドはそう言うと「サガーシ」をウォーレン３６８に放ったが左腕の盾のよう
な物で防がれてしまった。
それで、アルガイドがテクニック使用後の硬直に入っている所にウォーレン３６８は
ハンドガンを手にとりアルガイドに発砲した。
弾はアルガイドの右肩・・・機械になっている部分に当たったが致命傷にはならなか
った。
ジナグルがフォノンメーザーを放ちジェンドがフレアショットを放ち攻撃したが、ウ
ォーレン３６８は、再び盾のような物で防いだ。
しかし、防ぎきれないらしく盾のような物と左腕は壊れてしまった。
そこへアルガイドがプロセダンを撃ち込むがウォーレン３６８は左腕を引き千切りプ
ロセダンの光へ投げつけた。
「凄いでござるな・・・拙者にはアレは出来ないでござるよ。」
「感心してないで戦えよ！」
相変わらず、ジャムルは手首から伸びたコードを端末につなげたままで立っている。
突然ウォーレン３６８の背中が爆発し壊れてしまった。
「なんだ？故障か？」
だが、故障ではなくホーク達がようやく最下層・・・この部屋へやってきてウォーレ
ン３６８に攻撃を仕掛けたので壊れたのだ。
ホークは相変わらずアルガイドに攻撃を仕掛けうようとしていたが、ジナグルに止め
られたので止める事にした。
「おい、ジャムル真面目にやってくれよ。」
アルガイドは気を取り直してジャムルに今度こそ成功させるように念を押すように言
った。
「暗証番号入力ヲ確認・・・マグナ・ドゥヘル”ジェンダ”ヲ起動サセマス。本日ハ
マグナ・ドゥヘル起動装置ノ御利用誠ニアリガトウゴザイマシタ。マタノ御使用ヲオ
待チシテイマス。」
「誰が使うかぁ！」
アルガイドが思わず叫ぶが誰も聞いていないのか相手をしてくれなかった。
・・・機械が開き中からジェンダが出てきた。
「おや？随分大勢でお出迎えしてくれたね。」
「・・・・これが、ジェンダなのか？」
アルガイドは自分の目を疑った・・・ジェンダは一応、全身機械で出来ているが身長
がアルガイドの腰の辺りまでしかない・・・子供なみの身長だったからだ。
「これ・・・・ってなんだよ！僕はマグナ・ドゥヘルなんだぞ！」
「それは、良いとしてお前は何が出来るんだ？」
ホークがアルガイドを無視するかのようにジェンダに話し掛けた。
「良くないよ！・・・僕は戦わないよ。主に支援しかできないし。」
ジェンダの話では、ジェンダ単体では何の戦闘力も持たないが他のマグナ・ドゥヘル
に合体する事によって様々な効果を表すという事ができるらしい。
「ジェグド辺りと合体させると面白そうだな。」
「なんで？」
「ジェグド可変型だろ？」
「・・・・・僕はジェグドと合体してもブースターが一個増えるとかしかならないん
だけど。」
「・・・ちっ、つまらん。」
「さて、目的も果たしたし・・・帰るか。」
アルガイド達はギゾフォストに何の疑問も持たなかったらしく無視して帰り支度を始
めていた。
「そうだな、ってことでジェグドは俺が持って行っていいのか？」
ホークはジェグドの手を取ると迷いのオカリナを使って出て行こうとしたが・・・無
論アルガイドはそれを許さなかった。
「俺達が先に見つけたんだから俺達が持って行く。」
「・・・良く解らんが、こういう物は早い者勝ちだろ？」
ギゾフォストの言う通りだったのでホークも素直に引き下がった。
「僕を物みたいに扱うなー！」
ホークが帰ろうと迷いのオカリナを使ったが・・・何も起きなかった。
「あれ？賞味期限が過ぎてるらしい・・・使えんな。」
「賞味期限って・・・そんなのあるんだ・・・。」
ホーク達はアルガイドのリューカーに混ぜてもらって帰る事にしギゾフォストも自分
でリューカーを使い隕石から出る事にした。

数刻前、隕石の中に最後の訪問者がやってきていた。
彼は隕石入ろうともせずただ、入り口の前で何かを待っていた。

アルガイド達が隕石の入り口へ戻ってきた時に思わず言葉を失った。
そこにガルデュークが居たからだ。
「さて・・・これで８体全てのマグナ・ドゥヘルがそろった訳だな。まとめて破壊し
にきてあげましたよ。」
「ダルジュース！生きていたのか！」
「ホーク！バルガークだって！」
「・・・・我が名はガルデューク！」
「そんな事は知っている！」
答えたのはホークではなくアルガイドだった。
「貴様に言ったのでは無い！」
話が前に進まないので少し飛ばすことにしよう・・・。
「ガルデューク！今こそ貴様に切られた右腕の恨みはらしてくれる！」
「・・・右腕？あるではないか。」
「いや、これは義手。おかげで半身が機械になってるけどな。」
「そうか、それはよかったな。」
「あぁ、それはそれで良いんだけど・・・。」
と空気が一瞬なごんだ隙を突くかのようにホークがガルデュークに最終奥義レイブレ
ードをはなった。
ガルデュークももう少し会話が続くと思っていたので思わず直撃を受けるが死にはし
なかった。
と、ここへガグナードに残っていた人達が異変に気づきようやくやってきた。
「うわっ、人数多いな・・・誰か忘れられるぞ絶対・・・。」
ホークが意味不明な事を言い出した。

とりあえず、ギゾフォスト以外は全員ガルデュークと戦っている。
なぜか、ギゾフォストは隕石の入り口辺りに隠れて様子を伺っていた。
これは”ピンチになったら助けに入ってありがたさ倍増”というアレを狙っているの
かもしれない。
「・・・違う。」
ギゾフォストは誰になぜか独り言を言いだした。
だが、実際ギゾフォストはただアルガイド達が戦っているのを見ているだけではなか
った。
自分の気を高めて・・・簡単に言えば最終奥義を放つような感じの状態にしようとし
ていた。
この際当然のように隙だらけになるのでこうして隠れてやっているのだが・・・気が
高まるにつれて辺りにもそれなりに異変が起きてくるのでガルデュークやアルガイド
が気づくかもしれないが、彼らは目の前に居る敵に全神経を集中させているのでそれ
は無かった。
ガルデュークは１対１５で戦っているのだからしょうがないが・・・。
「本当に人数が多い・・・絶対管理しきれてないぞ。」
ホークはそんな意味不明な事を言いながら手持ちのアイテムで役に立つ物は無いか探
していた。
そして、見つかったのは炸裂弾。
早速投げるが不発したらしく炸裂はしなかった・・・。
「これも賞味期限がきれてたか！」
ホークの言う”賞味期限がきれている”とは食べる時の事を言っているのではなく、
長期間使わない（整備もしない）で突然使った時に作動しなかったという意味を持っ
ている。
マグナ・ドゥヘル８体でガルデュークを取り囲み攻撃をしかけていると、ガルデュー
クの動きが徐々に鈍ってきはじめた。
これは、マグナ・ドゥヘルの能力によるものでガルデュークの力を押させるという事
をやっているのだ。
と、そこへギゾフォストがようやくチャージを終え必殺技を放った。
技の名前は・・・ギゾフォストは技を放つ時に特に何も言わなかったので恐らく無い
のだろう。
ギゾフォストの技を受けてガルデュークが倒れて動かなくなった。
「ハルソーフ！」
ガーランが誰かの名前を突然叫んだ。
「誰だ？ハルソーフって。」
「外伝Ⅱか４話を参照してくれ。」
「あぁ、こんな事あったよなぁ・・・。」
「誰が５話を参照しろといった。」
とかやっていると、ガルデュークが肉体を捨てて精神体となり姿をあらわした。
「くっ・・これ以上はまずいか・・・。」
それだけ言うとガルデュークは撤退をはじめたが、ギゾフォストとガルゼスがガルデ
ュークの後を追い何処かへ行ってしまった。
アルガイド達はとりあえずハルソーフをガグナードの医務室へ運び込み休息を取る事
にした。

「くっ・・・まさか、ギゾフォストが居たとは・・・油断した・・・。」
「まだ、油断しているみたいだな。」
ガルデュークが安全だろうと思っていた場所にギゾフォストがあらわれてガルデュー
クに攻撃をしかけたが、ガルデュークは回避した。
そこへ、ガルゼスがあらわれて追撃をかけてガルデュークを倒した。
「ははは・・・我が死ねば・・・奴が・・・。」
訳の解らない事をいってガルデュークは消滅した。

戻ってきたギゾフォストとガルゼスの報告を受けたアルガイド達はこれで戦いが終わ
ったと感じそれぞれが、元の生活に戻りはじめた。
カイナスは何処かへ旅立ち、バフォグはテルミの自宅へ。
ディアスもハンターとしての生活へ戻ることにしアイードへ向かった。
シーン、ガルゼス、ギゾフォストの３名は何処かへ行ってしまったのでその後どうし
たのかは解らない。
カイナスのように旅をしているのか・・・それとも故郷へ戻ったのか・・・。
ガーランとアルガイドは相変わらずガグナードで生活をしている。
ホークとジェイド・・・それとジェグドもディアスのようにアイードのいつもの宿屋
へと帰りハンターの生活を続けている。
そしてその他のマグナ・ドゥヘルは特に行く場所も無いのでガグナードに残る事にな
った。
「これで、全てが終わったんだな。」
「何を今更言ってんだ？アルガイド。」
「少し気になったのでござるが、あのＪ－ゼッカーとやら一体・・・。」
「気にするな。あれ一つじゃ何も出来ないだろうしな。」
そんな事を言いながら彼らもあての無い旅をしモタビア星を徘徊している・・・。

次回予告
「・・・ん？次回予告があるのか？今回で最後じゃなくて？」
「そうらしいでござるな。」
「相変わらず居るんだ・・・じゃぁ、今回はジェンダ辺りにでも着てもらうか。」
「呼んだ？」
「あぁ、呼んだ。次回予告をやってくれ。」
「今回で最後じゃないの？」
「いや、きっとＪ－ゼッカー関連でござるよ。」
「例によって密書か？」
「無論そうでござる。・・・今回は水に浸してから１時間乾かすと文字が浮き出てく
る仕組みでござる。」
「じゃ、水に浸して・・・お？文字が浮き出てきたぞ。」
「・・・にじんで見えないじゃないか。」
「あのなぁ・・・。」

続く