ＰＳ・マグナ・ドゥヘル　II
第十四話

前回のあらすじ

「ってーか、前回で終わったんじゃ・・・。」
「だよね・・・。」

ガルデュークが死んだ事がきっかけとなり一つの闇が目覚めようとしていた。
それが目覚めるにはもう少し早かったのだがガルデュークがそれが目覚めるために貯
えた力をガルデュークが吸収していたのでずっと目覚めるに目覚めることが出来ない
でいたのだ。
だが、ガルデューク亡き今・・・それの復活を邪魔する物は何も無かったのでそのま
ま目覚めてしまった・・・。

前回から数ヶ月後
ホーク達はいつもの宿屋からついに追い出され今では、アイードに家を借りて暮らし
ていた。
追い出された理由は・・・ホーク達が騒がしく宿に泊まった人々から苦情が殺到した
為追い出されたが、少し離れた所に家を一件借りて暮らす事にした。

今日は珍しくピアタの学者からの依頼で変な力の場を観測したから調査に行くので
護衛をしてくれ、という依頼だった。
ホーク達も別に暇だったのでこの依頼を受け早速ピアタより少し北へ行った場所へと
着た。
「いやぁ、なんか・・・昔もこの手の学者っぽい人からの依頼で騙された事あったよ
な。」
「あぁ・・・。俺もなんか嫌な予感がしてきた。」
「２人ともどうしたんだい？」
少し心配ぎみのジェグドに対し２人はこう答えた。
「「別に。」」
ジェグドはいつも思う事がある・・・それは、常にこの２人に仲間はずれにされてい
る感じがしてしまうという事だった。
だが、２人共そうしている訳では無いのだが性格が全く同じの２人の間に入るのは結
構難しい・・・。
ホーク達は辺りを警戒し調査員が調査をしていると、突然調査員の方から悲鳴が上が
った。
何事かと急いで行ってみると、何の事は無い・・・ヘビが出ただけだった。
「ヘビの何処が恐いんだか・・・。」
そう言ってホークはヘビを何処かへ捨ててしまった。
・・・元々ホークもヘビは苦手だったのだが、食べ物が無く空腹に負けて思わずその
辺に居たヘビを食べて以来、彼にとってヘビは貴重な食料と化していたのでヘビに対
する恐怖心を乗り越えたのだった。
だが、そんなホークでも例えどんなに空腹であったとしても魚や貝だけは絶対に食べ
ようとはしなかった。
ホーク曰く「あれは、人間の食べ物じゃないっス。」と恐怖に口調まで変わってしま
う程食べたくない代物らしい。
それは良いとして、ホーク達は再び辺りの警戒をしはじめるとバイオモンスターが数
匹あらわれて彼らは戦闘に入った。
その間も調査は続いている

アルガイド達はモタビア星をすでに２７周し今２８周目に入ろうとしていた。
「アルガイド・・・何周すれば気が済むんだ？」
「いや・・・ガグナードって意外と速度でるんだなーって思ってさ。」
「最速を極めようと？」
「あぁ。今の所１周は４日だ。もっと速度が出るみたいだぞ？ガグナードは。」
「よせ。生身の体じゃ速度に対応しきれんぞ。」
「俺は大丈夫だ。」
「俺は大丈夫じゃない！」
結局アルガイドはガーランに最速を極める事を止められてしまったので、する事が無
かった。
「君主殿！大変でござるよ！」
「どうかしたのか？」
「我々の探査システムにガルデュークを超える力を持つ者を発見したでござるよ」
「何！？場所は何処だ！」
「ピアタの北でござる！」
アルガイド達は急いでピアタの北へ移動した。

「なぁ、ホーク。俺達の感・・・的中したな。」
「あぁ・・・。」
ホーク達の目の前には風化している汚れた小さな箱をだけが置いてあった。
調査員はその箱の隙間から出ている黒い霧のような物により死んでいるらしく倒れた
まま動かなかった。
突然何を思ったのかホークはその箱を思い切り蹴り飛ばした。
蹴り飛ばされた箱は一度地面にバウンドして、さらに飛び海の深みへ沈んでしまいっ
た。
ホークには、箱が一度地面にバウンドした時に開いたようにも見えていたが今は海の
底なので確認しようが無い。
突然海の中から空気があがってきた。
それと、音・・・いや、声のような物が聞こえてきたが、何を言っているのか全く解
らない。
「ごばごばごば・・・・ばべぼぉばぶべび・・・・・ぼぐぉがぁっ！？」
という声と共に水中から何か黒い物体が勢い良く飛び出してきた。
その物体はしばらく咽て口から海水を吐き出していた。
「苦しそうだな。」
ホークは、黒い物体が苦しそうだったので背中を叩いくなどして介抱していやった。
しばらくしてようやく落ち着いたのか黒い物体はまともに喋りだした。
「はぁはぁはぁ・・・危うく溺死する所だった・・・。」
「なぁ、アンタ一体なんなんだ？」
「我はダークファルス！闇と混沌を統べる魔王だ！」
「情けない魔王だな・・・。」
ジェイドが聞こえるか聞こえないかという程度のつぶやきをもらした。
「貴様か！あの箱を海へ蹴り込んだ奴は！！！」
「あぁ、そうだ。」
「なんて事をしてくれるんだ！こっちは死に掛けたんだぞ！」
「魔王が溺死しそうになるなよ・・・。」
「そうは言うがな・・・例え魔王としても水中では呼吸は出来んのだ！」
「威張って言う事か？」
再びジェイドが思わず呟きをもらしていた。
その声がダークファルスに聞こえたらしく、多少うろたえながらも気を取り直して早
速世界を闇に染めるべく行動を開始しようとしたが、その前にホーク達を倒す事にし
た。
ダークファルスは突然、出現前に殺そうとしてきたホークに狙いを定めてラバータを
放った。
氷の塊がホークの体に当たり砕け散っていく。
ホークはその衝撃で後方へ吹っ飛ばされるが受け身を取り無事着地した。
・・・それが戦いの合図となった。
ジェイドがフレアショットを撃つ時に、なぜか相手に対し体を横に向けて奥にある手
を腰へあて胸を張り放ちはじめた。
数発は命中したもののダメージは期待出来そうになかったので続けてジェグドがハン
ドガンで攻撃をしかけてみたが、これもダメージは余り無さそうだった。
ホークも剣を手にとり切りかかるが思ったよりもダークファルスの皮膚は固く切り裂
く事は出来なかった。
そして、接近したままのホークに、ダークファルスは右腕でなぎ払うようにホークを
殴った。
「ぐぁ！？こいつ、強いぞ！！！」
「俺達だけじゃ無理だな・・・どうする？」
再びダークファルスが右腕を振り回すと、辺りの空気が衝撃波となりホーク達を襲っ
たが、ホークはこの衝撃波をザンで少し勢いを緩めフォイエを地面に撃ち爆風でかき
消した。
「ほぅ・・・少しは楽しませてくれそうだな・・・。」
「少しとは言わず十分に楽しませてやるよ！」
「ふっ・・・それは楽しみだな。」
そう言うとダークファルスは両手を空に掲げて光りを放った。
光はある程度上昇すると重力に引かれたかのように地面に向かって落ちてきた。
そして、地面に触れると同時に爆発を起こしている。
「これは・・・バーストロック！？」
「・・・を魔力でやったみたいだね。」
このバーストロックは見た目よりも遥かに回避が難しい。
空から降ってくるミサイル・・・この場合は光だが・・・が無数に落ちてきて辺りに
爆発を撒き散らしす。
ミサイルに直撃しなくとも爆風に飲まれてダメージを受けるという事があるので回避
は、ほぼ不可能に近かった。
想像してみて欲しい・・・小雨の時に傘を使わず濡れずに外を出歩くという事を。
それくらい回避が出来ない物なので普通バーストロックは落ちてくる前に迎撃してし
のぐのだが、今回はミサイルではなく光の塊なので迎撃ができない。
だが、ホーク達はそれぞれダメージを最小に押さえるように動いては居るのだが。
ひたすら撃ち続けているので次第に回避できなくなっていく。
ー何とかして撃ち出すのを止めさせないとな。
ホークはそう思い、ふと思い付いた作戦を実行してみる事にした。
「なんで、闇と混沌を統べる物が光を放つんだ！」
「い・・・いいじゃないか！光使ったって！」
だが、動揺したらしく何時の間にか光を放つを止めいた。
ホークの作戦は成功していたらしい。
まだ、ダークファルスは動揺しているらしく何やらぶつぶつ言っているのでこの隙に
ホークはレイブレードをジェイドは変形してジェイドバスターへなりジェグドがそれ
を持ちダークファルスへ攻撃した。
「がぁぁぁぁぁ！！！」
ダークファルスが悲鳴をあげ崩壊をはじめていく。
「ジェイドバスターか・・・懐かしいなそれ。」
「俺もさっきまで忘れていたよ・・・。」
「こんな事が出来たんだ・・・。」
３名は崩壊しているダークファルスを無視してジェイドバスターの感想を語りあって
いた。
ダークファルスが崩壊を終えたが、その残骸が再び形を形成し始めた。
「ふはははは！我はあの程度では死なぬ！」
「げっ！変形した！」
「・・・せめて変身したと言って欲しいものだな。」
ダークファルスの言う通り先程よりも、その姿はよりダークファルスのように見える
形態になっていた。
・・・意味が解らないが、簡単に言うとより凶悪そうに見えるようになったという事
だ。
「さぁ、第２ラウンドの開始だ！」
そう言ってダークファルスはラザンを放つが先程の衝撃波と同様にホークが打ち消し
た。

と、そこへアルガイド達がやってきた。
「お楽しみの所お邪魔させてもらうぜ！」
「ファファファ・・・何人増えようと同じ事だ。」
と、ダークファルスは言ったが流石に＋８名は多いと感じたのか抗議してきたがアル
ガイド達は取り合う気が無いらしく無視して攻撃をしかけた。
ダークファルスはジェンドの刀を腕で受け止めてジェグドが戦闘機形態になり空中から
の砲撃は背中に命中し、ジェンダがジナグルに合体しジナグルのフォノンメーザーは腕
で防御しジャムルのハンドガンは無視し（直撃している）ジェンドの拳はダークファル
スがジャムルの攻撃に一瞬気を取られている時に仕掛けたので見事直撃してジャイグの
ステイシスビームで一瞬だが麻痺した所へジェイドが変形したジェイドバスターをジェ
グドが放ち、見事直撃させた。
そして、続けざまにガーランがダブルアタックを仕掛けている最中にアルガイドがラグ
ランツを命中させ最後にホークが皆を応援していた。
「ホーク戦えー！」
アルガイドが、そう叫んでホークの方を見たがそこには誰も居なかった。
ホークは応援して戦闘に参加しないように見せかけてダークファルスとの間合いを一瞬
で無くしレイブレードを放っていた。
「いくらなんでも卑怯だぞぉぉぉぉ！！！」
そう言ってダークファルスが再び崩壊をはじめると同時に変身を開始しはじめた。
そこへホークが再びレイブレードを放とうとするが、後ろからジェイドに羽交い締めに
された。
「何するんだジェイド！」
「そういう事するな！！！それは反則だぞ！！！」
ジェイドはホークに合体中や変形中・・・それと必殺技を放つ時には攻撃をするなと言
い３段階目のダークファルスとの戦闘の為リカバーを使い戦闘態勢に入った。
ジナグルもメディカルパワーを使い人間３名の傷と疲れを癒しリカバーを使った。
その他のマグナドゥヘルもリカバーを使い戦闘態勢にはいった時にダークファルスは変
身を終了させた。
「ファファファファ・・・我は何度でも蘇る・・・。」
「を？今度は笑い声が半角だな。」
「誤植だろ？」
ホークとジェイドが意味不明な会話をしていた。

「さぁ。」
「第３ラウンドの開始だ！」
アルガイドがダークファルスの台詞を奪って皆に聞こえるような大声で叫んだ。
「ぐっ・・・おのれぇぇぇ！！！！」
数少ない台詞を奪われて激怒したダークファルスはまず、アルガイドに攻撃をすべく強
力な鉄拳を放ったが、アルガイドは側に居たガーランを盾にしてこれをやり過ごした。
「・・・それは、まずいんじゃないのか？」
なぜか、ダークファルスが心配したような声で言ってきたがすぐに立ち上がったガーラ
ンはアルガイドに掴み掛かった。
「俺を盾にするんじゃねぇ！」
「いいじゃんか・・・。」
ホークは思った。
ー先を越された！？
・・・・・と。
ダークファルスが再び攻撃を仕掛けてきた。
もの凄い咆哮をあげ辺りの空気を切り裂くと同時に人間３名の体を麻痺させた。
それは、すぐにジナグルが気が付いたのでメディカルパワーを使おうとして隙だらけの
所にダークファルスの攻撃を受け気絶してしまった。
「ジナグル！？」
一番近くにいたジェイドがジナグルの元へ駆け寄り手持ちのリペアキットで修理をしは
じめた。
当然それを見逃すダークファルスではなかった。
すぐにジェイドに攻撃を仕掛けようとしたが、その他のマグナドゥヘルがそれをさせな
い。
ジナグルが復活したと同時にメディカルパワーを使い３名の麻痺を解除した。
「いや、機械兵って便利だね。」
「そういうアルガイドさんも少しは機械兵じゃないですか。」
ジナグルは軽い冗談のつもりで言ったのだがアルガイドは気にしている事をズバっと言
われてブルーになりはじめた。
「え・・・えぇ？ちょっとアルガイドさん！？こんな所で体育座りして草むしりなんて
始めないでくださいよ！！！」
「そうだぞ、アルガイド。無意味は自然破壊はやめろよ。」
ガーランも追い討ちをかけるかのように言い放つ。
そこまで言われたのでアルガイドはうつぶせになり何やら歌を歌いはじめた。
現実逃避というやつだろう・・・。
「無視するなぁぁぁ！！！」
ダークファルスが叫ぶが無視されて今はアルガイドが”あっち”の世界から戻すために
全員がアルガイドの周りに居た。
固まっているため広範囲な攻撃をすれば一網打尽にできるし隙だらけだから確実に命中
させれるが、なぜかダークファルスは攻撃を躊躇していた。
「・・・攻撃していいんだろうか。罠かも知れないし・・・。」
しばらく考えていたがいつまで経っても動きが見られなかったのでダークファルスは思
い切って攻撃する事にした。
だが、それを待っていたかのように反撃を仕掛けられてしまった。
「ちちぃ！やはり罠だったのか！！」
攻撃した事を後悔したが、ジャイグがアルガイドを担いで走り回っているのを見て困惑
していた。
「あれも罠なのか・・・！？」
だが、実際は罠でもなんでもなくただ集まってしまったのだがダークファルスの攻撃の
気配をいち早く読み取ったホークの指示で反撃にでただけだった。
だからアルガイドはまだ戻ってきていない。
「こ・・・こいつら・・・行動が読めん・・・。」
ダークファルスは完全に混乱していた。
隙だらけだと攻撃すると反撃されるし攻撃しないと逃げ回りながらちくちく攻撃してく
るホーク達の行動を理解しようとしていたからだ。
ホーク達はただ、時間稼ぎをしているだけなのだがダークファルスがその事に気が付く
のはまだかかりそうだった。
「凄いな・・・ホークの言った作戦”ロビン殺法”は。」
ロビン殺法とは・・・地道な攻撃でじわじわと相手の体力を削り取りそして、弱った所
を一気に叩くという卑怯な戦法なのだが、これほど理にかなった戦闘方法はそうないだ
ろう。
やがて、ダークファルスも時間稼ぎをしている事に気が付いて全方位攻撃を仕掛けてき
た。
ダークファルスの周囲から放たれた闇の波動は確実に全員を飲み込んで瀕死状態にする
程の威力を持っていた。
「まずい・・・このままだと・・・負ける！」
ホークは手持ちの回復アイテムで何とか回復しレイブレードを叩き込もうと思い道具入
れ手を入れ回復アイテムを取り出した。
「ゲェッ！？ペロリーメイトしかないのかよ！」
ペロリーメイト・・・かつてホークの主食だったこのアイテムは一応体力を回復させる
効果はあるようだが、雀の涙程度なので全くあてに出来ないアイテムだった。
だが、ホークはペロリーメイトを食べて無理矢理立ち上がろうとしたが・・・無理だっ
たらしく剣を杖の代わりにし何とか立っていられるといった状態だった。
「これじゃ・・・レイブレードは使えそうに無い・・・か。」
「はーっはっはっは！止めだぁぁぁぁ！」
ダークファルスが再び全方位攻撃を放とうとした時にアルガイドがあっちの世界から帰
ってきた。
「・・・なんで俺ばかりがぁぁぁぁ！！！！」
と叫んでメギドを放った。
最近の不幸続きで溜まっていた物を吐き出すかのようにして放たれたメギドはダークフ
ァルスを飲み込み無数の小爆発を生み出した。
「何ぃぃぃぃ！！！ま・・・まさか、メギドを使える者がいようとは！！！」
そう言ってダークファルスは滅びはじめ・・・変身を始めた。
「しつこい！」
ホークは今すぐにでも剣を握り締め変身中のダークファルスにレイブレードを放ちたか
ったが体が思うように動かなかった為それはできなかった。

ダークファルスの変身が４段階目に入った。
「さぁ、第４ラウンドの開始だ。」
ダークファルスの変身中に何とか少し回復する事はできたが、それでも全方位攻撃を受
けると立ち上がれなくなるという状態に全員がなっていた。
回復が間に合わなかったのだ・・・というのも動ける者がリペアキットを使いジナグル
を動けるようにしメディカルパワーを使い回復させたもののメディカルパワーと言えど
全快するほどの回復量は無いのだ。
ダークファルスが再び全方位攻撃を放とうとしていた。
「くそぉ！何とかしてアレを止めれないのか！！！」
流石のホークも、今回は巧みな話術でダークファルスの注意をそらす事は出来ないらし
くただ黙って見ていた。
そして今まさに波動が放たれようとした時に突然「そこまでだ！」という声が聞こえて
きた。
その声は今までダークファルスと戦っていた者達の誰とも該当しなかったのでダークフ
ァルスはそっちが気になり闇の波動を放つのをやめた。
「何奴！」
ダークファルスが辺りを見回すと、高い所・・・木が無かったらしい・・・なぜか”や
ぐら”の上に立つ男が居た。
その男はアルガイド達の知っている者だった。
「俺の名はギゾフォストだ！」
そう言うとやぐらからジャンプしてダークファルスの頭上まで飛び降下中に蹴りを数発
放った。
「や・・・やるな。」
「ギ・・・ギゾフォスト！あのやぐらどうしたんだ？」
「さっきそこで作ったんだ。そのせいで助けに入るのが遅れた。スマンな。」
「ハーグデュスターってこんな奴だっけ？」
「もしかしてギゾフォストの事言ってるのか？」
ダークファルスがギゾフォストと一騎打ちをしている間にアルガイド達は回復を終え戦
闘体勢を整えて再びダークファルスと戦いに行こうとした時、ダークファルスの目から
放たれた光線がギゾフォストの心臓辺りを直撃していた。
「ハーベルゾダーグ！！！」
「ギゾフォストだ！！！」
心臓を撃たれてもギゾフォストは平然と立っていた。
当然鎧は心臓辺りに穴が開いていて、その下に着ている服にも穴が開いていた。
そして、その下には・・・焦げて解けた皮膚の下に金属らしき物が見えていた。
「ギゾフォスト・・・お前・・・ギャグキャラだったのか！」
ガーランが仲間を見つけたと言わんばかりにギゾフォストの肩を叩きながらそう言った
が、「いや、俺は９体目のマグナ・ドゥヘルなんだ。」と切り替えした。
ガーランは少しがっかりした様子でうな垂れているが、それはおいといて・・・。
「馬鹿な！９体目だと！？俺が調べた限りでは・・・どの文献にも８体としか書いて無
かったぞ！」
「俺達もそうだ・・・同じマグナ・ドゥヘルだが９体目が居たとは知らなかったな。」
「あぁ、知らないのも無理はない・・・俺はマグナ・ドゥヘルであると同時に人間だか
らな。」
「・・・。」
「なんで、もっと早く言わなかったんだって言いたげだな。別に名乗ってもよかったん
だが・・・言いそびれていた・・・。」
「おーい・・・。」
遠くでダークファルスが叫んでいる。
「はっ！？忘れてた！！！」
「忘れるなー！！！！」
ダークファルスの存在を忘れ語りモードに入っていた皆は再びダークファルスと向き直
った。
ギゾフォストが加わった事もあってか４段階目は何とか倒す事が出来た。
「馬鹿なぁァァァ！！！」
崩壊していくダークファルス・・・・・そして、変身を始めた。
「うがぁぁぁぁぁ！！！！！一体何段階まであるんだ！！！」
「ホーク落ち着け！！！さっきも言っただろ！攻撃するなって！」
再びホークをジェイドが羽交い締めにして嗜めた。

「さぁ、第５ラウンドの開始だ。」
「あんた、何段階まであるんだ！」
「さてな・・・。」
ダークファルスは答える気は無いらしい。

「さぁ、第６ラウンドの開始だ。」
「もう嫌だぁ！」

「さぁ、第７ラウンドの開始だ。」
「いい加減にしろよ！」

「さぁ、第８ラウンドの開始だ。」
「あのー、帰っていいですか？」

「さぁ、第９ラウンドの開始だ。」
「うぎゃぁぁぁぁ！！！」
「あぁ！？ホークが壊れた！！！」
ホークが剣をただひたすら振り回し走り回りだした。
ジェイドがやけに落ち着いて暴れ狂うホークの背後を取り右斜め４５度から手刀を打
ち込んだ。
マグナドゥヘルの体は鋼鉄で出来ている・・・その鋼鉄の手刀が生身の人間に当たる
とどうなるか・・・。
「がはぁっ！！！」
ホークは倒れて動かなくなった。
「回復してやってくれ。」
「あ、はい。わかりました。」
「おい、だーちゃんよ！」
「だ・・・・だーちゃん！？」
「少し作戦会議を取らせてもらうぜ。」
「・・・だーちゃん・・・・。」
ダークファルスは自分が有利な立場にいるのでとりあえず作戦会議を認めた。
今更何をやっても疲れきっているアルガイド達には勝機など無いと思ったのか、まだ
変身できるからのどちらかから・・・あるいは両方から来る余裕によるものだろう。
早速作戦会議を始めるべく適当に集まって会議をはじめた。
「これより、ダークファルス消滅作戦会議を執り行います。」
「・・・・・アルガイド？」
「ガーラン殿・・・ほうっておいてあげるでござるよ・・・。」
「まず、ダークファルスは・・・俺が思うにこのままだと変身し続けて死なないと思
うんだ。それで・・・勝つために何が必要かを幾つか考えてみよう。」
アルガイドの提案により勝つために何が必要か次々に提案されていった。
１つめ－愛の力で闇の化身であるダークファルスを倒す。・・・発案者ジェンダ
「愛の力って・・・誰と誰のだよ・・・。」
ホークの鋭い突っ込みに一瞬とまどうジェンダ。
「そりゃ・・・人間である君たちが・・・。」
「ちょっと待て・・・男３人で愛の力がどうとかやりたくないぞ！」
「俺もだ。」
「・・・同じく！」
と言う訳でボツになった。
２つめ－皆の力を一つにしてダークファルスを倒す。・・・発案者ジナグル
「・・・悪いけど、それさっきからやってる。」
とりあえず、保留。
３つめ－尊い犠牲をはらいダークファルスを倒す。・・・発案者アルガイド
「おい、アルガイド。その尊い犠牲ってもしかして・・・。」
「解っているなら聞くな。」
「いくら俺でも嫌だ！！！」
ガーランが断ったためボツ。
４つめ－誰かの眠っていた力が覚醒してダークファルスを倒す。・・・発案者ジェイ
ド
「そうだな、例えばガーランあたりがさ・・・眠っていた真の力を呼び覚まして物凄
い力をだしてダークファルスを倒すんだよ。」
「・・・誰に眠っていてどうやって覚ますのか解らない物を頼れと・・・？」
ホークの厳しい突っ込みによりボツ。
５つめ－爆破オチ・・・発案者ホーク
「もう一気に惑星ごと爆破してさ。全て無かった事にしようせ？」
「ホークさん・・・それ、笑えない・・・。」
ジナグルに止められたのでボツ
６つめ－夢オチ・・・発案者ホーク
「もう、誰かの夢って事で終わらせようぜ？前にもこんな事あったし。」
「あったけ・・・？っておい！オチつけてどうするんだよ！！！」
「それもそうか・・・。」
で、結局まともな案は２つめの案・・・ジナグルの全員の力を合わせてくらいだった
のでそれで行く事にした。
「終わったぜ。」
「ＺＺＺｚｚｚｚ・・・。」
「寝てるし・・・。」
「起そうか？」
「いやいい、起こすと面倒だこのまま殺ろう・・・。」
ホークの言う通り皆もうこの戦いを終わらせたかったのでダークファルスを起こさな
いでそのまま永眠させる事にした。
全員で集中砲火を浴びせてダークファルスの体が崩壊していき、変身をはじめた。
「ま・・・またか・・・。」
この時ジェイドはホークを羽交い締めにする事を忘れていた・・・それが導き出した
答えとは・・・。
「うぉぉぉぉぉ！！！！レイソードクロス！！！」
「あ・・・ホーク・・・。」
ホークは全身の力を込めてレイブレード放つと同時にそのままソードクロスをかけて
いた。
変身中だったダークファルスは更に崩壊していき・・・・後にはただ、小さな箱だけ
が残った。
そう、これは最初にダークファルスが出てきたあの箱である。
だだ違うといえば奇麗な銀色しているという事くらいだ。
ホークは突然その箱を退魔の鞭（何処から出したんだ？）で縛り付けるとジェグドの
サブマリンモードとマリンモードを使い海へ出て海底火山の火口へ何のためらいも無
く投げ捨てた。
「ちょ・・・ちょっとホークさん？」
「いや、いいんだジェグド・・・二度と奴が蘇らないようにするためにはこれが一番
なんだ・・・。」
本当は太陽に捨てたかったのだが宇宙に出る手段が無かったため海底火山の火口へと
捨てる事にしたらしいがジェグドとジェンダの合体で大気圏の離突入ができるのだが
それは今となってどうでもいい事となってしまった。
ホークが海底から戻ってきて「地上か・・・何もかも懐かしい。」と訳の解らない事
を言って・・・恐らく疲れたのだろう・・・眠ってしまった。
起きた時にはいつもの日常に戻っているだろう・・・そう信じて・・・。

完

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