顔を歪め道を開ける。そして彼がワープして姿を消した時、誰もが安堵のため息をついた。そして誰もが思う
「アレは本当に人間なのか？」
と・・・・・・・
脱出の際に使ったリューカーに入り再びダークファルスの元へ向かう者の姿があった。彼を見る者はだれもが恐怖に
顔を歪め道を開ける。そして彼がワープして姿を消した時、誰もが安堵のため息をついた。そして誰もが思う
「アレは本当に人間なのか？」
と・・・・・・・
人間の恐怖・憎しみ・呪い・殺意・恨み・怒り、負の感情によって千年忌に生み出されるダークファルス、そして
ソレを憎しみの表情で睨む者がいる。ダークファルスによって両親と平和を失い、そして目の前で唯一残された
妹にまでその脅威を及ぼされた者、ゼルディ。もはや彼の理性の半分は憎しみに染まっていた。
「貴様がいなければエレンは・・・、貴様さえいなければエレンは・・・！、ダークファルス貴様は俺からすべてを
奪った。その罪、永遠なる地獄をもって償え！」
「愚かな・・・たかがその程度の力で我に刃向かうとは、身の程知らずが！」
ダークファルスから数多の光弾が飛び出し、ゼルディに一直線に向かっていった。ゼルディは避けようともせず
魔法を唱えた。
「フォイエ！！」
普通に考えればたかがフォイエ一発で防げるようなものではない。だがゼルディの唱えたフォイエは普通では
なかった。どれほどの高い魔力をもったフォースでもフォイエの大きさは人間一人分もない。だがゼルディの
唱えたフォイエは通常の何倍もの大きさがあり、ダークファルスの放った光弾すべてを飲み込み、全く衰える
ことなくダークファルスに向かい、直撃する。凄まじい轟音、衝撃、熱風が辺りに立ちこめた。
「馬鹿な・・人間がこれほどまでの魔法を使えるとは・・・おもしろい・・・」
ダークファルス不適な笑みを浮かべ空高く舞い上がった。
「これならどうかな？」
ダークファルスが左手を振りかざした瞬間、光の矢ががゼルディの腕を貫いた。貫かれた腕からはボタボタと
血がこぼれ地面を染めていった、しかしゼルディは全く表情を変えず貫かれた腕をダークファルスに向け魔法を
唱える。
「ラフォイエ。ラバータ、ラゾンデ！！」
ダークファルスの周りに幾多もの大爆発が起き、巨大な氷牙が飛び回り、強力な雷がダークファルスを襲った。
「グオオオオオオオオオ！？」
「まだだ、こんなもので済むと思うなよ、もっと地獄を味わえ！」
次々と常識を凌駕した魔法を唱えダークファルスを苦しめた。ダークファルスも危険性を感じ魔法で応戦する。
どちらもが怯む事なく魔法を唱え続けた。しかしダークファルスに比べてゼルディは人間、襲い続けてくる魔法に
体を焼かれ、体を貫かれていく。だが一切怯む事なく回復すらせずに魔法を唱え続けた。そんなゼルディに恐怖
感を覚えたダークファルスは大剣のような腕でゼルディを斬り裂いた。ダークファルスは確実にしとめたと確信する。
だがゼルディは立っていた。大量の血を流し、滅びているはずなのにもかかわらず絶えず魔法を唱え続けた。
「汝・・・なぜ生きている！？、回復もせず、守ろうともせずになぜ戦う。このままでは確実に死は免れぬというのに」
「それがどうした！、何がどうあろうと俺はただ攻め有るのみ、守りなど無い！守る必要などもない！！、俺が唯一
守りたかったものは既に貴様に・・・・貴様に奪い取られているのだからな！！！」
ゼルディはさらに怒りに顔を変え、魔法を唱えた。魔法はすぐには発動せず、ゼルディの手の上で巨大になっていった。
「その魔法・・・メギドか・・・ふはははははは！愚かな、そのような魔法で我が滅ぼせるものか！」
ダークファルス数多の光弾でゼルディを襲う。しかしそれでもゼルディは動かずメギドをさらに巨大化させた。その
大きさはダークファルスさえも覆える程の大きさだった。
「くたばれ・・メ・ギ・ド！！！」
巨大なメギドはダークファルス包み込んだ。中では邪悪な魔力が異常なほどに満たされ、ダークファルスを苦しめて
いった。
「グウウウオオオアアアアアアアア！！！！！！」
「ヒャハハハハハハハ、鳴け！、喚け！、もがけ！、苦しめ！！、そして死ねぇ！！」
ゼルディはダークファルスの頭上に光の球体を作り出し、そこから幾多もの光の矢が飛び出し、ダークファルスを
貫いていった。
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